映画『2001年宇宙の旅』を観たのは確か中学生の頃、今から40年ほども前のことだ。少年は興奮し、すごく感動したことを覚えている。
主人公の乗った船が宇宙ステーションに向かう。そのシーンで流れた音楽が『美しき青きドナウ』であったこと、猿が道具を使うことを覚えたシーンで流れた音楽が『ツァラトゥストラはかく語りき』であったこと、それらがそういう名の音楽であることは後で知ったのだが、そのメロディーは両者とも私の脳に浸み込まれた。
その『ツァラトゥストラはかく語りき』が私の目覚めの音楽。古い携帯電話を目覚まし時計代わりにしているが、「これなら間違いなく目が覚める」と判断した音がこれ。そして、その判断は正しかったようで、これを目覚まし音にして以来、その音が聞こえなかったことは無い。音が聞こえると、たいていは1分以内にえいっ!と起きている。
4時半に起きて、飯作って、食って、一服して、糞して、歯を磨き顔を洗い、コーヒーを飲みながら2度目の一服をして、作業着を着て、荷物を持ち、車に乗り、運転して、畑に着く。時刻は、2、3分は速かったり遅かったりするが、概ね午前6時。
すぐに作業、草刈りに取りかかる。8時前に休憩し、一服する。8時頃から草刈りを再開し、9時前には2度目の休憩、一服する。9時を過ぎると畑の大方は太陽に照らされるので、草刈り作業はここまで。沖縄の夏の太陽、あんまり強烈過ぎてその下での作業はうっかりすると命を縮めることになる。なので、それは避ける。
9時後は畑小屋設置準備作業となる。設置個所は12時頃まで木陰となっているのでギラギラの太陽からは逃れられる。ただし、土運び、土均しの整地作業、穴掘り、ブロック設置の基礎工作業は力仕事、たっぷり汗をかく。1時間毎に一服する。
11~12時頃には畑での作業を切り上げて、家に帰って一服してすぐ、屋根のある場所(宜野湾の畑の近く)に行き、畑小屋用の材料の加工作業をする。木材を切ったり、ほぞ穴掘ったり、しゃくりを入れたりの作業、これも手工具を使っての手作業。鋸を引いたり、鑿を打ったりは有酸素運動となる。屋根のある場所と言えど真夏の沖縄、汗が滝のように流れる。熱中症にならぬよう1時間置きに休む。水分を取り一服する。
材料の加工作業はだいたい午後4時頃まで続く。手作業なので時間がかかるのだ。なぜ機械を使わず手作業なんだ?ということについてここで言い訳しておく。農作業を手作業でしていることも同じような理由になるが、電気の無い所でも家が建てられることの証明のため。畑の場合は、ガソリンで動く耕運機などの機械が無くても畑作業ができることの証明のため。300坪の畑が手道具と体一つで管理できる証明のため。
朝6時から午後4時まで、ちょくちょく休憩を入れながら(昼休みは無い、私は昼食を摂らない)10時間、体を動かし、たっぷり汗をかいている。そうやって早起きして体を動かして、健康的生活のようにも見えるが、じつは夏農夫、不健康かもしれない。
家に帰って家事をして、6時半頃には待望のビール(貧乏なので発泡酒)タイム。それは毎日ある。7月に入って休肝日が無くなっている。最低2缶の発泡酒は飲んでいる。そして、上述したように一服タイムが多くなった。煙草の消費が倍以上に増えた。
記:2012.8.10 島乃ガジ丸