ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

薬草

2018年09月11日 | 沖縄04行事祭り・生活風習・言葉

 9月9日、宜野湾市市議会議員選挙の投票があって、混まない内にと思い朝8時半頃家を出た。天気予報では雨の予報であったが空が明るかったので徒歩で行く。投票所は初めていく場所だが地図を見るとおそらく片道10分程度の距離。トボトボ歩く。
 実は、8月はまあまあ調子の良かった腰だったが、9月に入って少し悪くなっている。朝起きた時の痛みが強くなり、8月は、朝起きた時の痛みがあっても朝食の準備をしたりで動いている内に痛みは消えたのだが、それがずっと残るようになった。
 9月9日、投票所へ行って(予想通り片道10分程度だった)、少し遠回りして、スーパーに寄って買い物して家に帰りつくまで約45分、実働30分の散歩となったが、8月は軽く散歩をすると腰の状態が良くなったが、今回は良くなり方が弱い。
 「どうなってるんだ!俺の腰、薬草のお陰でこれからどんどん良くなるんじゃなかったのか?」と、以前なら嘆いたところだが今は違う。「3歩進んで2歩下がるだ、そのうちなんとかなるさ」と半分諦めと開き直りの中、「いつか治る」と希望も持っている。
     

 8月の終わり頃から、頼まれ仕事の庭掃除を少しずつ(腰痛を考慮しつつ無理しない程度)のんびりやり、知人のH爺様に頼まれた薬草の表作り(パソコン作業)を、パソコン作業は目が疲れ、肩凝りが出るのでこれも無理しない程度に少しずつ進めている。表作りをしながらどんな薬草があるかを勉強しているので思いの外時間がかかっている。
 参考文献によって効能や使用法が異なっていたりして、「これはこうすればこんな薬効がある」と簡単に決められない。ということで今どうしているかというと、参考にしている文献にある薬効植物の中から、沖縄に自生している植物、沖縄で普通に入手できる植物を選びだし、それを片っ端から「名前」、「方言名」、あれば「別名」、「科名種別」、「入手先」、「使用部分」、「加工法」、「使用法」、「効能」などを参考にしている文献8冊の全てから逐一エクセル表に書き出す作業をしている。時間がかかる。昨日10日の時点で書き出した植物は150種を超え、参考文献8冊の内3冊半を終えた所。
     

 薬草の本をあれこれ読んでいると、沖縄の生活に薬草は欠かせないものだったんだと想像できる。『沖縄薬草のききめ』は1972年3月の発刊、本土復帰の少し前。その中に「昭和6年に発刊した『沖縄薬用植物薬効』は古くさくて・・・」という記述があり、今から約100年前にはもう薬草は世間一般に紹介されていたようである。
 昔は、今日ほど医療が発達していなくて化学薬品も少なく、医者の数も少なく、庶民はまた、医者にかかるお金も、薬を買う金もない貧乏だったので、只で入手でき、自分たちで収穫でき、自分たちで煎じて服用できる薬草は必要だったのであろう。
 村々に薬草をよく知っている老人がいて、あるいは、学問のできる庶民に優しい侍がいて、彼らが病の人々に薬草を処方したのかもしれない。薬草の効能が判り、その利用の仕方も書かれている書物はそういった仁徳のある彼らが読み漁ったであろう。
     

 古い本を読んでいると、昔(少なくとも太平洋戦争以前)は身近にいろいろ病気があって、薬草が庶民の助けになったことが想像できる。今は病院があちらこちらにあり、庶民も気軽に行けて診て貰える。薬局へ行けば即効性のある化学薬品が入手でき、それを摂取すれば治りも早い。ところが昔はそうはいかなかったはず。具合が悪い時には庭や野原にある薬草が大いに役立ったであろう。薬草の知識は唐(歴代中国)の国からやってきて、「これ飲んだら具合が良くなった」という人々の経験が積み重なってより良く出来上がってきたものと思われる。なのできっと、だいたいは信用してもいいものと私は思う。
 信用して私は薬草を摂取している。ただ、私の場合は薬草の専門家に薬草の選択や処方の仕方を教えて貰っているのではなく、本を読んで勝手に解釈して独善的使用法でやっているので、だから、効果がなかなか現れてくれないのかもしれない。でも、今回じっくりと数冊の文献を読んだので、これからは正しい処方に近付けると思う。

 『沖縄薬草のききめ』に「モビール油の中毒」とあった。モビール油って何?となると思われるが、車のエンジンオイルだったのではと私の薄い記憶にある。他にも「こしけ」やら「チーガサ」、「グルイ」など知らない単語がいくつも出て来る。そういったことも調べて、後日、『薬草その2』ということにして私の腰の具合も含めて報告したい。
     

 記:2018.9.11 ガジ丸 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄薬草のききめ』多和田真淳著・発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
 『身近な薬草活用手帖』寺林進監修、株式会社誠文堂新光社発行
 『食べる野草と薬草』川原勝征著、株式会社南方新社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
 『薬用植物大事典』田中孝治著、社団法人家の光協会発行