2015年4月に「ビロウとワシントンヤシ」という記事を写真入りで両者の違いを書いてアップしているが、それを見て、「これ、間違っているかも」と気になって宜野湾市立図書館へ行って『沖縄のヤシ図鑑』という本を借りて確認した。
「これ、間違っているかも」と気になったのはワシントンヤシ。私の記憶にあるワシントンヤシは幹が太くガッシリした、例えて言えば筋トレ熱心のマッチョな男性であった。ところが、私がワシントンヤシとして載せた写真のヤシは、例えて言えば、背が高くスリムで頭の小さいミスユニバースクラスの美女。個体変異では済まない違い。
『沖縄のヤシ図鑑』で調べて、ミスユニバースクラスの美女はワシントンヤシではなくワシントンヤシモドキではないかと想定し、確認しに行った。どこへ?写真を撮った末吉公園へ、いつ?つい先日、10日ほど前のこと。わざわざ車で片道30分を、畑を辞めて時間に余裕のできた今だからこそできること。できることはやろうという気分。
ヤシの写真を撮り直すついでに公園内を散策した。この時期は実の季節のようで、ヤシ類も多く実を着けていたが、他の植物にも実を着けているものが多くあった。
秋といえば実りの秋という言葉もある、今の季節、スーパーへ行くとリンゴ、ナシ、カキ、クリ、ブドウなどが並んでいる。沖縄産だとシークヮーシャー、他のミカン類、チェリモア、ドラゴンフルーツなどが見られる。末吉公園にもユーカリフトモモが今が盛りと実をたわわに実らせ、木の下には鳥たちに食べられることなく多くの実が落ちていた。ユーカリフトモモの果実は9月から10月に黒紫色に熟し、生食できる。
その隣にはポンドアップルが数本並んでいた。これもまた実の季節で、十分大きくなった果実をいくつも枝に着けていた。ポンドアップル、和語にすると池林檎、大きさは小さなリンゴ、食感はリンゴに近く、しかし、ヤニ臭さがあり、生食に適さないとのこと。
少し離れた所にはナツメヤシがあった。結実期は10月から12月。果実は生食や菓子の原料、薬用などに利用されている有用植物。ココヤシもたくさんの果実をつけていた。若い果実の胚乳は液状で飲料となり、完熟すると白い固形状となってココナッツバターに加工され食用となる。結実期は7月から10月。
シークヮーシャーは8月から10月の青い頃は酸味が強いので多くは調味料として利用され、11月頃からの黄色く熟しかけたもの、熟したものは生食で美味しい。
末吉公園では見つからなかった(かつてはあった、あった場所を思い出せなかったので写真無し)パンノキも種無し種は食用に向く、結実期は10月から12月。
その他、末吉公園では見たこと無いが、バンレイシやチェリモヤも収穫時期。バンレイシはは美味しいのだが、種が多く食べ辛い、その近縁種のチェリモヤ、果肉はクリーム状で甘く、芳香。これは9月後半頃から店先に並ぶ。
ドラゴンフルーツも同じ頃、店頭に並んでいるが、これは旧盆前から見られる。収穫期は6月から11月。赤肉種は甘みがあって、白肉種は酸味が少し加わるらしい。
食えるかどうかは別にして、末吉公園を散策した9月中頃に結実期だったもの、
クロツグ 開花期は6月から9月。果実が食用になるかどうかは不明。
トックリヤシ 果実は多くつくが食用にはならない。
トックリヤシモドキ 甘い匂いがするが、食用になるかどうかは不明。
マニラヤシ 花期は4月から5月。果実は赤熟する。食用になるかどうかは不明。
コバテイシ 果実は比較的大きく食用になる。採取期は9月から11月。
サガリバナ 花期は6月から7月。
サルスベリ 花期は6月から9月。
ホルトノキ 果実は食用にはならない。結実期は9月から12月。
「食えるかどうかは別にして」と書いたが、異常気象や自然災害などで畑の作物が不作になった時のことを考えると「食えるかどうか」が大事になるかもしれない。広い末吉公園の一部(全体の四分の一程度か)を散策した限りでは、この時期(秋)、末吉公園に行けば、食える木の実が数種あることが判った。・・・ということで、
「野山の食えるもの」、いろいろ調べたので、それについては次回。
記:2018.9.25 ガジ丸 →沖縄の生活目次