楽な作業場
老いた目にパソコン画面はきついが、本の文字や図鑑を見るのはそうきつくはない。なので、パソコン作業に疲れた時は外を眺めたり、瞑想したりもするが、本や図鑑を観ていることも多い。本や図鑑を観て何をしているかというと、最近は薬草の勉強が主になっているが、撮り溜めている写真の昆虫や小動物を何者か判明させる作業もやっている。
セスジナガハリバエ、これは既に2~3年前には何者か判明していた。パソコンの中の「判明写真」フォルダの子フォルダ「動物ハチアブ」にあった。その子フォルダには他に数種のハチアブ類の写真があって、その内の4種の名前をメモ用紙に書いて、図書館へ行き、図鑑を開いてそれらの説明文を書く作業をする。ところが、その4種の内3種はいつも利用している『沖縄野外観察図鑑』に記載が無い。「沖縄では生息数が少ないのかもしれないな」と思いつつ、『学研生物図鑑』を開く。これにはあった。
図書館に入って、本探しから4種の内3種のハエ類の調べを終えるまで約40分。図書館の椅子は長時間腰掛けても腰に対する負担が少ない構造になっているのか、40分程度では腰に痛みは出ない。目も痛くないし首肩も凝らない。図書館は楽な作業場である。
セスジナガハリバエ(背筋長針蝿):双翅目の昆虫
ヤドリバエ科 北海道~九州、沖縄島、中国、マレーシア他に分布 方言名:フェー
名前の由来は資料がなく正確には不明。『沖縄昆虫野外観察図鑑』の記述から推理すると、「腹背には2本の不明瞭な黒色縦条が走る」からセスジ(背筋)、「前頭側剛毛は強大」からナガハリ(長針)、蠅の仲間だからハエなのだと思われる。
体長は10ミリ内外。複眼は赤色、頬は白色、翅は長大、脚は長く腿節は赤褐色。
成虫の出現は3月から11月。寄主は、本土ではコフキコガネの幼虫とされているらしいが、沖縄ではまだ判っていないとのこと。
記:2019.8.14 ガジ丸 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行
『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行
『沖縄の生きものたち』沖縄生物教育研究会編著、発行