もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

中国の諜報活動の一端を知る

2025年02月03日 | 中国
 台湾で、中国に絡めとられたスパイの摘発が増加していると報じられた。
台湾の国家安全局の報告では、2024年に中国のスパイとして起訴されたのは64人で、2022年の10人から大幅に増加。このうち現役・退役軍人は計43人で7割弱を占めるとされている。
 先月20日に摘発されたのは、台湾北部の防衛を担う陸軍第6軍団の元副指揮官の退役中将で、「中国のスパイとしては最高位の将校」であるらしい。
 一般的に、スパイと聞けば情報の窃取が主な目的であろうと思うが、台湾人による中国スパイは、台湾に反政府武装組織を組織して、「人民解放軍の10万人を台湾に引き入れる」、「台湾独立派の要人暗殺」、「中国の台湾侵攻に呼応して武装蜂起・後方攪乱」、「政府転覆」と荒っぽいものでもので、この任務に耐え得るよう軍人・退役軍人が絡めとられているようである。
 軍人と云えば、現役時に愛国心や政権(政治)への忠誠を第一と教育されるので、退役軍人と雖も単に金銭で転んだものではなく、本土にルーツ・本貫を持つ本省人の心情・ネットワークが絡んでいることも考えられるので、謀反は根深くその根絶は困難であるように思える。
 退役中将の動機や来歴は分からないが、最終軍歴から考えると本省人であったとしても、おそらく台湾生まれで本貫の地を知らないだろうと思われるが、出自と家系に拘る気質は流石「中国4千年の歴史」「中華思想」としたいところであるが、興亡した歴代皇帝のうち漢族であったのは1/4であるとされるので、ウイグルを虐げる漢人習近平主席は、言葉とは裏腹に漢人圧殺歴史への意趣返しが本意であるのかも知れない。
 本貫の地を渇望・恋々とするのは韓国人(朝鮮族)も同じなのではと感じられる。金正恩主席からあれほどの侮蔑と敵視を受けながらも、統一主張者に最大議席を与え続けている。
 日本人はと云えば、幕末の攘夷僧である月性は「人間到る処青山有り」と詠じ、墳墓の地を故郷に求めるよりも、人格の陶冶を優先せよと諭し、志士のみならず現在までも共感を得ている。
 このことを考えれば、日本人が漢族・朝鮮族と分かり合える日は永遠に来ないのではないだろうか。