フランスの年金受給開始年齢が62歳であり、リタイヤ大国と呼ばれていることを知った。
報道によると、マクロン政権は2030年に受給開始年齢を64歳に引き上げる年金改革案を発表した。
フランスでは、62歳から年金が受給できるために50代後半には早期退職することが一般化し、労働力の低下を招いて高齢者福祉も限界に近付きつつあるとされるが、既得権益を失ってライフスタイルの変革を余儀なくされる国民はもとより、野党・労組の猛反発が予想されるとも報じられている。
フランスの62歳は、受給開始を65歳前後とするEU内では突出しており、更にはこれらの国々も数年後には2~3歳引き上げることとしているので、フランス国民と雖も未来永劫62歳受給と安間と構えてはいられないだろう。
フランスの年金改革は歴代政権の主要課題ではあるものの、一旦手を染めると大統領の再選は叶わないという歴史の繰り返しであるらしく、シラク政権は3週間のゼネストを打たれ挫折、サルコジ・オランド大統領も小幅な改革を行ったことが原因で再選を果たせなかったとされている。
マクロン大統領も、2019年に年金改革に着手した際には大規模デモを浴びたものの2022年の大統領選では得票率58.55%での辛勝ながら再選を果たし得たが、国民が年金改革に賛成したというよりも対立候補である極右政党「国民連合」のルペン党首の政策を嫌ったことの方が大きいのではないだろうか。
フランス人の国民性とされるケチと個人主義は格好の小咄ネタとされるほど有名であることを考えれば、大いなる出費(貰えない)とライフスタイル変革を伴う年金改革は容易ではないだろう。
種々の要因から公的年金が変化することは仕方ないことである。耳学問で云えば、自衛官も「勤続15年で受給資格が生じ45歳から防衛庁共済年金の受給」が、何時しか「国家公務員共済組合と年金機構からの目減り年金を65歳から受給」となった。20歳前後で金がない時には、定年退職したが無職(働かない)である元班長・機械長の家に遊びに行くと奥さんも嫌な顔もせずに酒付きでもてなしてくれたのは、多分定年後の生活にゆとりがあったのではと懐かしんでいる。
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