ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者自立の道険し 相談支援体制の法整備急務

2009年08月02日 00時43分05秒 | 障害者の自立
 「議論を積み重ねてやっとできた改正法案なのに、一度も審議されず、政争につぶされた」。衆院が解散した7月21日。テレビに映し出される議員たちの「万歳」を見ながら、佐賀市肢体不自由児者父母の会の福市繁幸会長(佐賀市鍋島)は、悔しさで胸がいっぱいになった。

 障害者が福祉サービスを受ける際の負担軽減などを盛り込んだ障害者自立支援法の改正案が、解散によって廃案となったからだ。

 同法は2006年4月に一部施行。福祉施設の報酬制度を改め、利用者側が主体的にサービスを選びやすくなった一方で、ほとんど無料だったサービス利用料が原則1割負担となり、施設に通えなくなって生きがいを失った障害者や、生活に窮迫する家族が急増した。

 法に基づくサービスを受ける障害者は県内で約4000人。福市さんにも重度の脳性まひの娘がおり、制度の見直しを訴えてきた。各方面からの批判を受けて国は様々な対策を講じ、利用者の負担は大幅に軽減された。

 今回の改正法案には、収入のない障害者に負担を求めない措置や、発達障害も支援対象に加えることなど、当事者らの声がさらに反映されていた。福市さんは「とても期待していたのに。特に相談支援体制の法整備が遠のいたのは痛い」と肩を落とした。

     ◇

 「息子さんの調子はどうですか」「悪くはないけど家ではわがままで……」。

 県東部の農村地域の一軒家。70歳代の母、知的障害と精神疾患のある40歳代の息子の2人暮らし。障害者と家族の相談支援に取り組むNPO法人「キャッチ」(鳥栖市)の生野素之(もとゆき)・相談支援専門員は週1回、この家を訪ね、母親や本人の相談に乗る。

 相談支援専門員は、家族と役所、施設との橋渡し役となり、「いつ、どの施設でどんなサービスを受けるか」といった計画の策定や、役所への申請手続き、施設・病院との連絡の補助を行う。「ほかに頼れる人が誰もいない。本当にありがたい方」と母親は感謝する。

 息子は以前、施設に入所していたが、そこでの生活を嫌い、今は家から通所施設に通っている。施設利用費、交通費、医療費、食費など出費はかさむ。親子2人の年金を足しても生活費は15万円弱でぎりぎりだ。母親は「私にもしものことがあれば、息子はどがんなるんでしょうか」と目頭を押さえた。

 生野さんは、少人数の障害者が共同生活するグループホームに入ることを勧めたが、見込んでいたホームの設立自体が地元住民の反対で断念に追い込まれた。「障害者への偏見は根強い。その中で自立して暮らすには見守りなどサポート態勢の整備が不可欠ですが、人的にも制度的にも受け皿がないんです」と頭を抱える。

 「障害者が地域の中で安心して暮らす」という法の理念と現実との乖離(かいり)。相談支援専門員はその溝を埋めうる存在だが、なり手は少ない。キャッチは自治体からの委託金で運営され、職員4人で約70世帯を担当しているが、年収約300万円で激務に追われる職員もいる。

 相談支援事業に携わる法人の財政支援の充実は急務だが、県は「市町に予算はなく、現状は厳しい」と打ち明ける。

個性が輝く可愛い雑貨 知的障害者の手作り作品--高松のカフェ /香川

2009年08月02日 00時41分07秒 | 障害者の自立
 ちょっといびつで、何だか可愛い雑貨がずらり--。高松市塩屋町のカフェ「かえるちゃんカフェ」で、知的障害者がアーティストらと協力して思い思いに作った雑貨の展示販売コーナーが開かれている。陶器のオブジェやブックカバー、Tシャツなどが並び、訪れる人の目をひいている。26日まで。

 展示されているのは、全国の知的障害者の作品を専用段ボールに積めて巡回展示する団体「ハコプロ」(大阪市)が選んだ雑貨。同団体は、大学講師やデザイナーらが、技術やデザインの面で障害者の制作活動をサポートし、個性的な作品を紹介している。

 同カフェのオーナーの伊藤洋さん(32)は、家具製造会社の代表で「あらゆる人の居場所を作りたい」と昨年12月にカフェを始めた。活動の一つとして障害者の就労支援を重視。ハコプロについて「自然な感性を表現している作品が面白い」と共感し、今回の展示を決めた。

 店内には、動物をモチーフにした陶器の人形や、圧縮紙でできたブックカバー、ウミガメなどが描かれた手ぬぐいなどが並ぶ。鮮やかな色彩が特徴で、値段は100円~3000円程度。

 伊藤さんは「今は、望めば多くの人と触れ合う機会や情報があり、人の気持ち次第で関係は広がる。知的障害者の活動が、外に広がっていけば」と話している。問い合わせは伊藤さん(087・898・9818)。

障害者の旅支え8年 ツアーの知恵袋、3千人送り出す

2009年08月02日 00時39分27秒 | 障害者の自立
 障害がある人でも海外へのツアー旅行に参加できるよう力を注いできた「草分け」の旅行会社員(60)が、31日に定年を迎える。8年前、職場の一角でたった1人で担当を始めた。今では社内に専門部署ができ、これまでに3千人以上を海外に送り出してきた。

 「シンデレラ城のモデルにもなったドイツのノイシュバンシュタイン城は階段が157段。ビルの8~9階くらいです」「ジュネーブ駅から高速列車のTGVに乗るには、約35センチのステップを上がらなければなりません」

 全日空グループで旅行などを扱うANAセールス(東京都港区)の室井孝王(たかお)さんは、問い合わせに電話ですらすらと答えていく。

 車いすの客には「無理ですね」と言うかわりに「上らなくてもいい写真が撮れます」「一行が戻るまで、ふもとのレストランで休むこともできます」と提案する。情報を詳細に提供し、客が自分の能力や体調と相談しながらツアーのメニューを取捨選択できるように心がける。

 最初からうまくできたわけではない。01年4月、前身の旅行会社で予約販売部に異動し、「障害者や高齢者の対応を」と命じられた。上司も部下もいない。外部からの相談窓口なのに専用の電話番号がない。障害者のツアーに関する知識も経験もなかった。

 頭を切りかえ、会社に無断で名刺に「ツアーアシストデスク」と刷った。障害がある子どものキャンプにボランティアで参加し、福祉関係のセミナーに片っ端から顔を出した。「リウマチの人は階段よりもスロープの方がつらい」「脳性マヒの人は流動食をつくるためにミキサーが欠かせない」。足で知識を蓄えた。段差などの情報は現地に行って確認した。メジャーで測ると怪しまれるので、目盛りを書いたひもに重りをつけ、歩きながらさりげなく測った。

 脳性マヒの人には「ミキサーを持って行きますよね。変圧器は準備しましたか」、弱視の人には「空港のゲート番号が読めないですよね。航空会社に案内を頼みましょう」といった言葉が自然に出てくるようになった。自由行動で客が困らないよう、現地の言葉で「救急車を呼んでください」といった例文をカードにして配るサービスも始めた。

 「対応していると、お客さんの声のトーンが明るく変わってくる。うれしくてたまらなかった」

 今では、大手旅行会社が「うちでは対応が難しい」と客を紹介してくるようになった。アシストデスクのメンバーは4人になり、直通の専用電話もできた。

 利用客からは、定年を惜しむ声が上がる。脊髄(せきずい)損傷で車いす生活の松本尚男(ひさお)さん(65)=兵庫県=は2年前、グランドキャニオンのツアーに参加しようとしたが、バスと飛行機のことを考えてあきらめかけた。そこで室井さんは、手だけで運転できる障害者用のレンタカーを手配した。松本さんは自分で運転して大渓谷を堪能し、「度胸がついた」。

 「最後の8年、いい仕事をさせてもらった。ハッピーなサラリーマン人生でした」と室井さん。現在は第二の「就活(しゅうかつ)(就職活動)」中だ。

取手の元生活保護受給者、今年も100万円 市が福祉車購入 /茨城

2009年08月02日 00時35分38秒 | 障害者の自立
 二十一年前に受けた生活保護の恩返しに-と、取手市に現金百万円を寄付した女性(77)が、今度は、リフト付き軽乗用車の購入資金百万円を寄付した。この寄付金で購入した車両が三十一日、障害者の移送サービスをする特定非営利活動法人(NPO法人)「活(い)きる」(染野和成理事長)に寄贈された。 (坂入基之)

 女性は昨年五月、「年金をもらい税金を納める生活ができるのも地域のおかげ。恩返しがしたい」と、生活保護を受けていた当時の同市担当者(54)を捜し出し、寄付した約百万円で車いす二十九台を購入し、市社会福祉協議会に寄贈した。

 女性は当初、リフト付き車両の購入を希望。年金の一部をコツコツとためた貯金全額の約二百万円を寄付しようとした。

 担当者が「通院費もある。気持ちは十分伝わった」と、いったんは思いとどまらせたが、今年四月、「あれから一年たったが、どうしても残り百万円も寄付したい」と申し出があった。

 女性は、デイサービスで利用する同法人を担当者に紹介。四年前にスタートした同法人も、検討していたリフト付き軽乗用車の購入資金として活用することを快諾し、寄付金に自己資金四十万円を加えて車両を購入したという。

 染野理事長は「苦労して生きてきた人に(活動を)理解されてありがたい。重度の人が多いので活用させていただく」と感謝。女性は「全額を寄付できたし、希望通りリフト付きの車も買えたので、これで気が済みました」と話しているという。


わたぼうしコンサート:音楽で伝える障害者の思い--2日、県教育会館で /香川

2009年08月02日 00時33分28秒 | 障害者の自立
 障害を持つ人たちが、日ごろの生活の中で感じたことなどをつづった詩に、アマチュア音楽家らが曲をつけて歌う第33回「わたぼうしコンサート」(同実行委主催、高松ボランティア協会共催)が来月2日、高松市西宝町の県教育会館ミューズホールで開かれる。

 演奏されるのは、県内で応募の18編から選ばれた10編。また、初の取り組みとして、障害者自立支援法や介護保険制度の問題点に迫ったドキュメンタリー「みんな、幸せになれるかな?」も上映。障害を持つ実行委メンバーらが、実話に基づいて作った。

 同協会事務局長の武田佳子さん(53)は「高齢化で、誰もがいずれ障害者になる可能性がある。障害者にとって自立がいかに難しいか、自分のこととして関心を持つきっかけにしてもらいたい」と話す。

 午後1時半開演。当日券は一般1000円▽中高生500円▽小学生400円。問い合わせは同実行委(087・831・1662)。【