詩人 四方健二
先月21日、衆議院が解散された。各政党、候補予定者は、選挙に向けて奔走していることだろう。しかし、衆議院解散のあおりを受け、いくつもの法案が廃案になったことを忘れないでいてほしい。
廃案になった法案の一つに、障害者自立支援法改正法案がある。この法案には、現行の障害者自立支援法に基づく当事者負担を緩める内容も含まれていた。
障害者自立支援法の下では、受けたサービスに対し、当事者である障害者が費用の1割を負担しなくてはいけない。
障害者が生きていくには、なんらかの支援が必要とされる。重度の障害者となれば、あらゆる面での支援や介護が欠かせない。こうした支援や介護など、全てのサービスに自己負担が課せられているのだ。1割負担であっても、その額は大変重いものになっている。
私は入院生活を送っている。収入といえるものは月8万円の障害者年金のみ。負担額を引かれると、2万円しか残らない。この金額では、家族からの持ち出しがなければ生活は成り立たない。
朗読交流会など、私の活動においても、それは影を落としつつある。活動費に年金を充てられないとなれば、その資金までをも家族に依存しなければならない。心苦しい限りだ。
自立支援法では障害者の就職についても唱えてはいるのだが、それが進んでいる様子は見えない。現実には、重度障害者の就職はほぼ皆無だといえるだろう。授産施設の場合、得られる賃金よりも施設利用費が勝るという事態までもが起きている。
障害者自立支援法は、聞こえこそいいものの、その実は魅力的な字面とは正反対の内容になっていると言っても過言ではない。
国の支援が乏しくなることは、障害者にとって死活問題だ。次の政権がどのようなものになるかは分からないが、政治が失った優しさを取り戻してほしいと切に願う。
先月21日、衆議院が解散された。各政党、候補予定者は、選挙に向けて奔走していることだろう。しかし、衆議院解散のあおりを受け、いくつもの法案が廃案になったことを忘れないでいてほしい。
廃案になった法案の一つに、障害者自立支援法改正法案がある。この法案には、現行の障害者自立支援法に基づく当事者負担を緩める内容も含まれていた。
障害者自立支援法の下では、受けたサービスに対し、当事者である障害者が費用の1割を負担しなくてはいけない。
障害者が生きていくには、なんらかの支援が必要とされる。重度の障害者となれば、あらゆる面での支援や介護が欠かせない。こうした支援や介護など、全てのサービスに自己負担が課せられているのだ。1割負担であっても、その額は大変重いものになっている。
私は入院生活を送っている。収入といえるものは月8万円の障害者年金のみ。負担額を引かれると、2万円しか残らない。この金額では、家族からの持ち出しがなければ生活は成り立たない。
朗読交流会など、私の活動においても、それは影を落としつつある。活動費に年金を充てられないとなれば、その資金までをも家族に依存しなければならない。心苦しい限りだ。
自立支援法では障害者の就職についても唱えてはいるのだが、それが進んでいる様子は見えない。現実には、重度障害者の就職はほぼ皆無だといえるだろう。授産施設の場合、得られる賃金よりも施設利用費が勝るという事態までもが起きている。
障害者自立支援法は、聞こえこそいいものの、その実は魅力的な字面とは正反対の内容になっていると言っても過言ではない。
国の支援が乏しくなることは、障害者にとって死活問題だ。次の政権がどのようなものになるかは分からないが、政治が失った優しさを取り戻してほしいと切に願う。