ゴエモンのつぶやき

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障害者自立支援法の問題点3

2009年08月28日 01時24分19秒 | 障害者の自立
障害児入所施設における問題
障害児入所施設においては児童福祉法の改正に合わせ、2006年10月1日より同法の適用となった。それ以前は児童相談所が入所が適当がどうか判定していたのだが
保護者の経済的な理由、家庭の事情(保護者に養育能力がない)
家庭での養育を続けた場合、親子関係の維持が困難になる           
当該児の障害が重い
養育できる(すべき)人がいない
当該児に虐待、ネグレクト(育児放棄・養育放棄)の疑いがある
等の理由のため「家庭での養育が困難」として、入所判定が出た児童は全員「措置入所」という扱いを受け、児童福祉の観点から入所にかかる費用、学校教材費、医療費がほぼ無料であった。しかし、同法適用に伴い、児童相談所の再判定により「措置継続」と「契約利用」に分かれた。契約利用においては成人施設同様、利用料を払っての入所となり、医療費等も原則負担となる(自治体によっては補助、あるいは指定病院は無料という形もある)。同一施設内で同じように暮らしているにもかかわらず、医療費も含め利用料を払わざるを得ない家庭と払わなくてもすむ家庭が混在することに両者の軋轢、職員の予算執行に関わる職務の増大が懸念される。また、デイサービスなど施設利用、あるいは何らかのサービスを受けている在宅障害児においても負担が増えた。
また、措置の基準が厚生労働省より示されているものの明確ではなく、結果、判断する児童相談所の多くが当該児との面会や家庭環境調査等を行わず措置と契約に分けたため施設、保護者の混乱や判定のバラつきが見られる。
そもそも所得がなく、保護者による「保護」が必要な児童全般において、障害児も障害者と同じように利用の際は対価を支払うという自立支援法の枠組みに組み込まれ、「自立」を促されるようになった(2006年10月1日の児童福祉法改正により、児童福祉施設の中で障害児施設のみが入所にかかる実費負担が必要になった)というのは児童福祉の観点から大きく逸脱するものとして関係者から非難の声が上がっている。
虐待、ネグレクトされている疑いのある児童の場合、措置継続になる可能性が高いが、その一方、熱心に保護者が面会・外泊など行い、施設入所させているものの非常によくコンタクトを取る家庭であっても契約利用となっている。子供に対し無関心な親は無料で、真剣に考えている親は有料であることに不公平感が生じるケースもある。こうした問題点から「児童福祉の理念に反している。障害児は児童じゃないのか。」等の声が現場関係者、保護者から挙がっている。
もっとも、入所児童の利用負担に対し、以前は保護者の経済力、家庭の状況に関わりなく利用費、医療費、学費がほぼ無料であったことから、在宅で障害児を看ている家庭からすると負担面で相当優遇されていたことから、(不本意な形とはいえ)ある程度是正されたという見方も出来なくはない。
過齢児の問題
障害児施設は児童福祉施設であり、18歳以上(慣例として高校・高等部卒業まで、通所利用の場合は大抵18歳になった時点で利用出来なくなるケースが多い)の継続入所が原則認められていないのだが、成人施設が見つからない等、次の進路が決まらない場合、暫定的に継続して入所サービスが受けられる。そのような「過齢児」は少なくなく、施設によっては大半を過齢児が占め、児童施設として成り立たないでいる所もある。児童施設では平日日中は学校があるため、職員の配置を薄くしているが、加齢児がいることで児童・加齢児双方の支援体制が十分に取れなくなってしまうケースがある。
同法成立により、入所サービスを受ける基準が厳しくなった為、過齢児の次の進路決定がさらに厳しくなると見られる。その結果、児童施設であるにもかかわらず18歳以上の利用者が残り続け、18歳未満の障害児の利用も困難になっていくという可能性もあり、スムーズに過齢児の次の進路が見つかるような方策が必要と思われる。
また、次の進路が決まった18歳以上の障害者についても、20歳まで障害年金が支給されない為、それまでの経費負担が増大するケースもある。特に就労が困難な障害者の場合は保護者の経済力が頼りとなってしまう。
対象外障害者問題
「障害者自立支援法」と言えども全ての障害者が対象では無く、現段階では三障害(身体・知的・精神)のみである。この三障害に該当しない人達、発達障害・情緒障害等の人達で、単一障害者は支援されないケースが目立つ。三障害以外の人達で重複障害がある人は適用となるが、現在、対象外にも支援の手を差し伸べて欲しいと、障害者団体を通じ国に働き掛けをしている所である。
以上のような問題点がある為、2006年秋の第165回国会には、民主党から、自己負担1割の凍結を柱にした改正案が提出され、地方自治体や地方議会からも、見直しを求める意見書の提出も相次いでいる。更に、法案に賛成した障害者中央5団体も、大幅な見直しを与党に要求するに至っている。これらを受けて、2006年11月下旬には、与党の自民党・公明党が利用者負担の見直しに合意する等、10月の本格施行から2ヶ月を待たずして、障害者自立支援法は大幅な見直しが行われる見通しとなった。 2006年12月1日には自民、公明両党は増大する負担軽減のため、2008年度末まで1200億円の予算請求をすることで合意し、障害者だけではなく経営環境が厳しくなった事業者等の支援にも充てられる。 しかし、両党は障害者自立支援法そのものの見直しを行う気はないとしており、問題点は根本から解決に向かうわけではない。


障害者自立支援法の問題点2

2009年08月28日 01時23分00秒 | 障害者の自立
障害程度区分の研究や準備不足の問題
サービスを受けるための障害程度区分の判定基準は、介護保険制度における高齢者の判定基準をそのまま使用し、障害者での調査や研究は行われていない。この為、脳卒中などとよく似た身体的な障害がある場合には、障害の程度は比較的的確に判定されるが、身体的な障害のない知的障害・精神障害の場合には、障害の程度が重度であるのに、「身辺自立している」として軽度と判定され、必要なサービスが受けられなくなるのではないかと、懸念されている。特に施設入所の場合、6段階の判定で4以上ではないと入所が適当とされておらず、身体的な「介助」よりも精神的な「見守り」が必要な知的・精神障害者の入所は厳しいとの見方がある。2006年現在は判定度が低くても経過措置で継続して入所サービスを受けられるが、経過措置が過ぎるとサービスを受けられなくなってしまう。
障害の程度によって受けられるサービスが異なってしまうため、入所、デイサービスの利用によって自立度が高まると高度のサービスを受けられなくなってしまうジレンマが生じてしまう。特に日常生活のことは自立できているが、社会的な自立が困難な障害者にはその影響が大きい。
これに対しては、介護保険判定における痴呆度の二次判定による修正実績などが既にあるため、対応可能との意見もある。また、千葉県我孫子市では知的・精神的障害者への判定をより的確にするため、3品以上の買い物が自力で出来るか、危険に対しての認知、回避は出来るか等、独自の判定基準を設けている。ただ、サービスを利用しているからこそ状態が安定する障害者や程よい家族関係を保てるケースも有り、そこまで考慮されるかについては悲観的にならざるを得ない。
障害程度区分の判定において、判定度が高いほど高い報酬が施設に支払われる仕組みになっている。その為、入所が適当と判定されても報酬・利用費以上の負担(金銭的・身体的・精神的等)が見込まれる場合は入所を拒まれる等、経営環境が厳しくなる施設側による利用者の選りすぐりが懸念される。同様に、判定度が4の場合入所利用が継続して可能であるが、報酬が少ないため入所を拒まれるケースも想定される。
地方自治体の独自補助とそれによる地域格差の拡大
以上のような障害者自立支援法によってもたらされた障害者福祉の変化を緩和するために、障害者対策に熱心な首長がいる自治体や、財政的に豊かな自治体では、自己負担や施設の経営難に対する独自の補助が開始された。一方こうした補助のない自治体も少なくない。この為、自治体間での格差が発生している。
従前の精神障害者の通院医療費公費負担制度による0.5割の負担について、東京都など一部の自治体では独自の補助によって自己負担分が全額補助されていた。自立支援法施行後の1割負担についても、1割負担分を自治体が独自に補助する地域がある。例えば、大阪府は国民健康保険加入を条件として1割負担分を府が補助する。つまり、自立支援法施行前からあった地域ごとの負担格差が施行後さらに拡大し、自立支援法が掲げる「公平な負担」という目標に逆行すると言う結果となっている。
施設入所している障害児においては利用料は従来どおり無料の「措置」と利用費を払わなければならない「契約」に分かれたが、自治体によっては極力措置継続を残していこうとする自治体と、家庭での養育が困難であることが予見されようとも原則契約利用にする自治体がある(詳しくは後述)。
もっとも、自治体間格差の問題は、地方自治に関する別次元の問題が強く関係する。つまり、この問題の議論の為には、地方の財政状態や財源に関する近時の改革(三位一体改革参照)の行方なども併せて考慮する必要がある。

障害者自立支援法の問題点1

2009年08月28日 01時19分43秒 | 障害者の自立
2006年9月〜現在
障害者自立支援法は、2006年4月から利用者負担の見直しが既に実施されており、2006年10月から新たな施設・事業体系への移行などを含め完全実施されている。しかし、公式に表明されているこの法律の狙いとは異なり、急激な制度変化によって、障害者福祉の現場に問題が発生している。現場では利用者の負担増→障害者の施設利用中止→施設への補助金が減る→サービスの低下、施設の閉鎖→利用者の行き場がなくなる、という悪循環が生じ、同法の理念に逆行するとの批判があり、「障害者自立『阻害』法」、「心中支援法」等と、批判する声もある。そのため、障害者団体から同法の見直し等を求める声がでている。

障害者の急激な自己負担の増加
応能負担(福祉サービスを利用する際に、所得に応じて利用料を負担すること。)から応益負担(福祉サービスを利用する際に、所得とは関係なく一律定率で負担すること。定率負担とも言う。)への移行による障害者の経済的負担増。従来は所得に応じ極めて低い負担で済んだが、介護保険制度と同様の原則1割の自己負担となった。
応益負担の裏付けの為、同法では障害者の就労支援を謳っているものの、就労支援の方は一部企業を除き、遅々として進んでいない。また、多様なサービス(つまり多額の利用費)を要する重度障害者ほど就労など、所得確保の機会が少ない傾向にあり、負担が先行しているのが現状と言える。
通所施設の利用料負担-作業所等の通所施設を利用すると、作業に対する報酬として、平均で見ると月額約1万円程度の「工賃」(厳密には労働に対する賃金とは異なる。)が支給される。従来、通所施設の利用料は一部の施設を除きゼロであった為、支給される工賃を小遣いにすることをはげみに、「働きがい」を感じる通所障害者が多かった。ところが、自立支援法の施行後は、市県民税課税世帯で月約3万円の利用料と食費が請求されることとなり、結果として作業所等で働くために、差引き2万円の自己負担が発生するようになる本末転倒の状況が発生している(一部の施設では、自己負担分を施設の内部留保から持ち出しをしたり、自己負担を免除しているところがある。)
。このことは月額約66,000円(2級の場合。1級の場合は月額約82,000円が2ヶ月毎に入ってくる)の障害年金と作業所からの工賃に収入源が限られている通所障害者にとっては痛手であり、少なくない障害者が「働きがい」を失い、または、自己負担に耐えられないために、通所施設の利用を中止するようになっている。これでは、引きこもり・生活の質の低下に繋がりかねないと懸念されている。

無論、中には障害年金以上の額の工賃を得ることができる作業所もあるが、その多くが軽度の障害者で構成された作業所であり、比較的需要の多い都市部である。作業内容が限られてしまう重度障害者の場合は1万円にも満たない工賃しか得ることができず、大きな問題となっている。これについて政府において暫定的な措置を講じるとしているものの恒久的なものとなっておらず、依然として問題は残っている。
負担増への批判に対しては日本の財政難もあり、伸び続ける福祉の費用を賄い、制度を持続可能なものにして行くには、自己負担は避けられないとの意見もある。
精神障害者の精神疾患に関する通院医療は、以前は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第32条(通院医療費公費負担制度)によって0.5割の負担(一部自治体は異なる。後述)であった。障害者自立支援法によって、世帯所得による上限はあるものの、基本的には1割負担となり負担増となった。
現場の実情から乖離した施設基準による障害者施設の経営困難や廃止
障害者施設はこれまで登録人数に応じて補助金を受けてきた。今回、障害者自立支援法により、報酬単価設定に当たっては利用率94.5%を想定して、金額が設定された。しかし、実際の現場を見ると、精神障害者通所施設では利用率は60%程度が多く、実情と乖離している。この為、収入が減少して、経営困難に陥る所もある。激変緩和措置として、利用率80%とみなして補助金を支払う措置はあるが、それでも不十分な水準であり、施設の経営は困難となっており、施設職員の給与引き下げや人員削減が多く見られている。これに対しては、施設の一層の経営努力や施設間競争も必要ではないかとの意見もある。
また、利用日数に応じて補助金が支払われる仕組みとなった。つまり、帰宅(外泊)や入院をすると施設を利用していないということで施設への報酬が減ってしまう。その為、中には止むを得ず帰宅を減らすように利用者とその家族に協力してもらっている入所施設もある。結果として施設存続の為に利用者が存在し、帰宅もままならなくなるという「自立」とは正反対の実態も浮かび上がっている。一方、日割り計算によって利用者側も帰宅をすることで利用費が抑えられるのだが、帰宅を増やすと施設そのものが無くなってしまうと言う危機感から帰宅を手控える、つまり利用費を負担せざるを得なくなっている。
通所施設の場合も出来高払い(実際の利用者の障害程度と人数×利用日数)で支払われるようになった。利用予定日に利用者が休んだ場合、その分報酬が減ってしまうため、その日の職員の出勤数に対する報酬が少なく、赤字となってしまうことも少なくない。
入所、通所限らず、お盆の時期、年末年始は帰宅、利用を控える場合が多いため、8月、12月〜翌年1月の収入は激減してしまう。また、月単位で同じ利用状況=同じ報酬であったとしても、利用者が別々に一日ずつ利用をしない場合と利用者全員が同じ日に1日利用しない場合とでは職員の配置が大きく変わってしまう。当然、前者のほうが職員の人件費が掛かってしまうが、そういった状況に対する救済措置は現在採られていない。
グループホームの設置基準は、6人規模が標準とされ、それより少人数のグループホームは経営が成り立たなくなった。この為、栃木県佐野市の社会福祉法人「ブローニュの森」が精神障害者のグループホーム4カ所(31人分)を閉鎖する方針を固めるなど、閉鎖する施設が現れている。
利用者による利用料の未納が増え、経営を圧迫するとの指摘もある。しかし、収入が決して多いとはいえない障害者から徴収出来るのか、サービス停止により利用者の行き場がなくなる、更に生活を圧迫させるのではないかと言う視点から、二の足を踏まざるを得ない。
同法第29条及び介護給付費等の請求に関する省令(厚生労働省令第170号)の規定により、2007年10月から市町村が行う事業者への介護給付費や訓練等給付費の支払い業務が全面的に国民健康保険団体連合会に委託された。これにより、事業者は受給者が在住する市町村ごとに請求書(紙)を送付していたものが、インターネットを使用した国民健康保険団体連合会への電子請求へと切り替わることとなった。市町村の請求窓口が一本化されることにより事業者の請求事務の軽減化が図れるはずであったが、国民健康保険団体が作成し事業者に配布した電子請求ソフトやシステムに不備・不具合があり、請求データの送信ができない事業所が多く発生してしまった。また、市町村が入力・管理する受給者台帳や、都道府県が入力・管理する事業者台帳に多くの誤入力があり、正しい請求データを送信できた場合でもエラーとされる事態が続出した。多くの事業所で正しい給付費が支払われない事態が起こっており大混乱となっている。厚生労働省は介護給付費等の請求に関する省令の附則第2条の規定により、電子請求以外の請求方法は原則認めない方針を打ち出しており、この混乱は長期化する恐れがある。

県内障害者期待と不安 小泉政権で成立の自立支援法 廃止から見直しか…

2009年08月28日 01時12分16秒 | 障害者の自立
 政権交代が現実味を帯びる中、小泉政権下で成立した障害者自立支援法の行方に注目が集まっている。衆院選の結果次第では、民主党の公約通り廃止され、新しい制度に取って代わる可能性があるためだ。福祉サービス利用者に課す原則1割の自己負担など、当初から批判が強かったが、その後負担が軽減され、評価する声もあった。県内障害者には、期待と不安が混じり合っている。

 芳賀町の授産施設に通う直井信也さん(55)は、脳性まひで手足の自由はきかない。口にくわえた割りばしでパソコンのキーボードを打つ。月々の工賃は約1万2千円、施設利用料の自己負担は当初の約1万4千円から3千円に軽減されたが、負担があることに変わりない。「見直しではなく、廃止してほしい」と一票を投じるつもりだという。

 一方「制度が始まって2年以上たち、見直しも始まっていることから、廃止は現実的でない」というのは、聴覚障害のある大田原市、磯島都子さん(58)。要約筆記や手話通訳などのコミュニケーション支援は各市町村によって自己負担の有無などが異なる。法は3年ごとの見直し規定があり「私たちの声が届き、見直しが徹底されるように持っていきたい」と願いを込める。

 身体・知的障害分野に比べ立ち遅れていた精神障害者への福祉サービスは、支援法によってようやく体系的に整った。精神障害の息子を持つ日光市、福田篤序さん(62)は「グループホームや作業所をつくって障害者を地域へ出そうという流れは間違っていない。廃止するとしても、いい部分は残してほしい」と次の政権に注文する。

 県車椅子の会の村上八郎会長(63)=真岡市=は、支援法以外にも、衆院解散に伴い廃案になった障害者虐待防止法案や、差別を禁止する障害者権利条約の批准手続きに注目。「9月の国会ですぐにでも通してほしい」と訴えている。


衆院選 点字版公約行き届かず 京都の障害者ら「周知十分でない」

2009年08月28日 01時08分58秒 | 障害者の自立
 目の不自由な人に政策を知ってもらおうと、主要政党はマニフェスト(政権公約)の概要版を点字化した冊子などを配布している。ただ、視覚障害者は気軽に選挙事務所に出向けないなどの理由から、十分に行き届いていないのが現状だ。投票日が30日に迫る中、京都の視覚障害者は「各党の政策を比較検討したいが、点字版の存在や入手先の周知が十分ではない」と指摘する。

 マニフェストは公選法で1種類の発行しか認められていない。このため、各党は概要版を点字化したり、音声にして公開している。

 自民党は党の機関誌の点字版1万部にマニフェストの概要を掲載している。民主党は点字の概要版を1500部、共産党も1万部作成した。社民党は概要版の音声CDを300枚作った。

 各党とも、都道府県ごとの地方組織や候補者の選挙事務所などで配布し、希望者には郵送している。共産党は視覚障害者の支援団体を通じて配り、複数の党が概要版を音声にしてホームページで公開している。

 とはいえ、点字版の配布数は十分とはいえず、まだまだ視覚障害者の手には届きにくい。民主党は有権者の35人に1人に行き渡る割合でマニフェストを印刷しているが、全国約31万人の視覚障害者に対し、点字の概要版は233人に1人しか行き渡らない計算だ。

 京都府視覚障害者協会の田尻彰副会長や視覚障害者支援施設・京都ライトハウスの田中正和事務局次長は「マニフェスト選挙と言われるのに、各党の政策を読み比べられない。選挙事務所に出向くのも大変だし、そもそも点字版がどこで手に入るのかさえ分かりにくい」と問題点を挙げ、「点字版の絶対数が足りない。視覚障害者が集まる施設などで簡単に配れなかったり、電話でマニフェスト全文の音声版を聞けないなど、公選法上の制限の解消も望まれる」と話す。