県盲人協会(小西恭博会長)は4日、福岡市中央区の大濠公園で徒歩訓練を行い、視覚障害者の会員が街角で困った時に周囲に助けを求める「白杖(はくじょう)シグナル」の出し方を練習した。
白杖シグナルは、視覚障害者が外出先で道に迷ったり、バスなどの交通機関に乗れなかったりするなど周りの人のサポートが必要な時に、手にした白杖を頭の上に50センチほど上げ、助けを求める。1970年代に同協会が提唱したが、広がりを欠いていたため、今年9月に同協会が推進を決議、再び普及に乗り出すことにした。
同日は県内の視覚障害者10+ 件と同行・援護者計約80人が参加。NPO法人鴻臚(こうろ)館・福岡城歴史・観光・市民の会メンバーの案内で、体調に合わせて大濠公園の池を一周したり、半周したりするコースに分かれ、園内の散策を楽しみながら、時折立ち止まって白杖を上げて気付いた人に声を掛けてもらう流れを確認した。
19年前に病気のため失明した大野城市白木原の南里英治さん(71)は、1人で人通りが少ない場所を歩く時や、タクシーを止める際に人の助けを必要とすることがあるという。小学校の総合学習の講師として児童たちと接する機会も多く、「これから子どもたちにシグナルのことを話し、積極的に広めていきたい」と話した。
同協会は近くシグナルの啓発ポスターを作製し、県教委を通じて県内の小中学校にも配布する予定。小西会長は「視覚障害者の社会進出を後押しする上でもシグナルの周知は必要。前回の提唱時に広がらなかった反省を踏まえ、立ち消えることなく運動を続けていきたい」と語った。
=2012/11/06付 西日本新聞朝刊=
白杖シグナルは、視覚障害者が外出先で道に迷ったり、バスなどの交通機関に乗れなかったりするなど周りの人のサポートが必要な時に、手にした白杖を頭の上に50センチほど上げ、助けを求める。1970年代に同協会が提唱したが、広がりを欠いていたため、今年9月に同協会が推進を決議、再び普及に乗り出すことにした。
同日は県内の視覚障害者10+ 件と同行・援護者計約80人が参加。NPO法人鴻臚(こうろ)館・福岡城歴史・観光・市民の会メンバーの案内で、体調に合わせて大濠公園の池を一周したり、半周したりするコースに分かれ、園内の散策を楽しみながら、時折立ち止まって白杖を上げて気付いた人に声を掛けてもらう流れを確認した。
19年前に病気のため失明した大野城市白木原の南里英治さん(71)は、1人で人通りが少ない場所を歩く時や、タクシーを止める際に人の助けを必要とすることがあるという。小学校の総合学習の講師として児童たちと接する機会も多く、「これから子どもたちにシグナルのことを話し、積極的に広めていきたい」と話した。
同協会は近くシグナルの啓発ポスターを作製し、県教委を通じて県内の小中学校にも配布する予定。小西会長は「視覚障害者の社会進出を後押しする上でもシグナルの周知は必要。前回の提唱時に広がらなかった反省を踏まえ、立ち消えることなく運動を続けていきたい」と語った。
=2012/11/06付 西日本新聞朝刊=