目の不自由な子どもにも読書の喜びを感じてもらいたい−−。ボランティア団体「大阪YWCA点字子ども図書室」(吹田市)は約30年にわたり、地道に児童書の点訳と貸し出しを続けてきた。蔵書は現在約2700タイトル(約5800冊)に上り、全国の子どもたちに本を貸し出している。
光を感じる程度の視力しかない小3の佐藤慶治郎君(8)=横浜市=は同図書室の常連だ。慶治郎君の母純子さん(45)は「目の見えない子にとって読書は世界を広げるとっても重要なもの」と考え、豊富な蔵書のある同図書室を頻繁に利用する。
同図書室は同YWCA千里センターが国際障害者年の1981年から開いている点字講習会が前身で、修了者らが児童書の点訳を始め、蔵書がたまった83年に図書の貸し出しをスタートさせた。現在、60〜70歳代の女性を中心に約60人のボランティアが、点訳や製本、貸し出し業務を担う。メンバーは自宅で点訳を進め、毎週月曜日に図書室に全員が集まり、読み合わせ作業をする。参加して20年のベテラン、澤井良子さん(64)も日中に自宅のパソコンを開き、点訳作業に打ち込む。ボランティアを続ける理由は「ここで出会った仲間がいるから」という。彼女たちの気負うことのない日々の積み重ねが、視覚障害児らの視野を広げている。【後藤由耶】
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◇メモ
貸し出しは同図書室からブックリストを取り寄せ、借りたい本を請求。本は郵送でやり取りし、すべて無料。問い合わせは、〒565−0874 吹田市古江台3の9の3、電話06・6872・0527、ファクス06・6872・0503。

「点字子ども図書室」の点字絵本は絵がなく、物語のみが点訳されている=横浜市緑区で、
毎日新聞 2012年11月18日 地方版
光を感じる程度の視力しかない小3の佐藤慶治郎君(8)=横浜市=は同図書室の常連だ。慶治郎君の母純子さん(45)は「目の見えない子にとって読書は世界を広げるとっても重要なもの」と考え、豊富な蔵書のある同図書室を頻繁に利用する。
同図書室は同YWCA千里センターが国際障害者年の1981年から開いている点字講習会が前身で、修了者らが児童書の点訳を始め、蔵書がたまった83年に図書の貸し出しをスタートさせた。現在、60〜70歳代の女性を中心に約60人のボランティアが、点訳や製本、貸し出し業務を担う。メンバーは自宅で点訳を進め、毎週月曜日に図書室に全員が集まり、読み合わせ作業をする。参加して20年のベテラン、澤井良子さん(64)も日中に自宅のパソコンを開き、点訳作業に打ち込む。ボランティアを続ける理由は「ここで出会った仲間がいるから」という。彼女たちの気負うことのない日々の積み重ねが、視覚障害児らの視野を広げている。【後藤由耶】
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◇メモ
貸し出しは同図書室からブックリストを取り寄せ、借りたい本を請求。本は郵送でやり取りし、すべて無料。問い合わせは、〒565−0874 吹田市古江台3の9の3、電話06・6872・0527、ファクス06・6872・0503。

「点字子ども図書室」の点字絵本は絵がなく、物語のみが点訳されている=横浜市緑区で、
毎日新聞 2012年11月18日 地方版