視覚障害のある宮城県気仙沼市の整体師、金内光枝さんが東日本大震災の語り部ガイドとしてデビューする。弱視のため文字も色もはっきりとは見えない。それでも「震災で傷付いた古里を観光面で復活させたい」と意欲をみなぎらせる。
1歳3カ月の時にかかったはしかの熱で両目に障害が残った。1種2級の障害者手帳を持つ。
海から700メートルほどの自宅は津波にのみ込まれ、高台の避難所に身を寄せた。洗濯や掃除の順番を知らせる掲示物が読めないなど、避難生活は苦労を強いられた。
ことし1月、改修が終わった自宅に戻った。整体の仕事も3月、自宅で再開した。ただ、周辺の約200軒の住宅は大半が流され、残るのは金内さん宅など数軒だけだ。「街はどうなるのか。住み続けられるのか」。復興の足取りは遅く、不安は尽きない。
10月に気仙沼観光コンベンション協会(気仙沼市)が震災復興ガイドを募集しているのを知った。震災前、市内のホテルで観光客に整体の施術をしたことを思い返した。
「気仙沼は観光で成り立っていた街。ガイドを担うことで、復興を後押ししたい」。すぐに応募し、10月末、31人の市民とともに協会から正式にガイドに任命された。
デビューは14日。栃木県の観光客を案内する。「きれいな気仙沼の海は、心の目でちゃんと見える。自然豊かな街の魅力を全国の人にいっぱい紹介したい」と話す。
視覚障害を抱えながら語り部としてデビューする金内さん
河北新報-2012年11月13日火曜日
1歳3カ月の時にかかったはしかの熱で両目に障害が残った。1種2級の障害者手帳を持つ。
海から700メートルほどの自宅は津波にのみ込まれ、高台の避難所に身を寄せた。洗濯や掃除の順番を知らせる掲示物が読めないなど、避難生活は苦労を強いられた。
ことし1月、改修が終わった自宅に戻った。整体の仕事も3月、自宅で再開した。ただ、周辺の約200軒の住宅は大半が流され、残るのは金内さん宅など数軒だけだ。「街はどうなるのか。住み続けられるのか」。復興の足取りは遅く、不安は尽きない。
10月に気仙沼観光コンベンション協会(気仙沼市)が震災復興ガイドを募集しているのを知った。震災前、市内のホテルで観光客に整体の施術をしたことを思い返した。
「気仙沼は観光で成り立っていた街。ガイドを担うことで、復興を後押ししたい」。すぐに応募し、10月末、31人の市民とともに協会から正式にガイドに任命された。
デビューは14日。栃木県の観光客を案内する。「きれいな気仙沼の海は、心の目でちゃんと見える。自然豊かな街の魅力を全国の人にいっぱい紹介したい」と話す。
視覚障害を抱えながら語り部としてデビューする金内さん
河北新報-2012年11月13日火曜日