ゴエモンのつぶやき

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障害者雇用増へ中小企業連携 姫路の組合、国が認定

2016年06月05日 02時42分48秒 | 障害者の自立

 障害者雇用率の達成を複数企業による合算でも可能とした中小企業向けの「事業協同組合等算定特例」で、兵庫県内の中小企業やNPO法人などでつくる「ひょうご障害者福祉協同組合」(姫路市)が4月、厚生労働省の認定を受けた。全国ではビルメンテナンス関連の3団体が認定を受けているが、異業種が参加した特例認定は全国初。

 1社では障害者の法定雇用率(従業員50人以上の企業で2%)達成が難しい中小企業向けに2009年、特例が創設された。対象は事業協同組合や水産加工業協同組合、商工組合などで、障害者が担いやすい名刺作成や清掃業務などを一括して請け負うことで雇用創出が期待されている。

 ひょうご障害者福祉協同組合は、障害者雇用に積極的な兵庫県内の15社・団体で15年2月に結成。このうち、従業員が50人以上いる福伸電機(福崎町)▽障害者福祉のNPO法人「はりま福祉会」(姫路市)▽岡野食品産業(同)▽オカノべーカリー(同)▽燃料販売のダイネン(同)-の5社・団体で障害者雇用率を合算する。

 現時点の雇用率は、組合事務局員を含めて2・4%。今後、毎月5万円を目安に参加企業が備品を発注し合うなどして仕事量や売上高を増やし、組合として雇用率を高めていく。年内には参加企業を増やす考えで、本條義和理事長は「さらに幅広い雇用を生み出したい」と話す。

 兵庫県内の障害者雇用率は15年6月1日時点で1・97%と全国の1・88%を上回る。ただ、中小企業は1・87%で大手の2・03%より0・16ポイント低い。

■異業種の特性生かし、相互発注へ

 異業種でつくる協同組合として全国で初めて「事業協同組合等算定特例」の認定を受けたひょうご障害者福祉協同組合(姫路市)。同業の組合を含めても4例目で、兵庫県内では初めて。広がらない中小企業の障害者雇用に一石を投じた形だ。

 障害者の法定雇用率は、達成できないと、従業員100人超の企業で1人当たり月4万~5万円の納付金を支払うことになる。

 県内では従業員千人以上の企業は70%がクリア。しかし、100~300人未満は56%、100人未満は48%しか達成していない。

 大手はグループで雇用率を算定できる特例子会社制度をうまく活用する。同制度は1976年に始まり、県内では川崎重工業(神戸市中央区)など12社が利用。制服のクリーニングなどを担う子会社を設け、まとまった雇用を創出している。

 一方、中小企業向けの事業協同組合等算定特例は、活用が進まない。厚生労働省の担当者は「既存の組合では、障害者雇用に対する各社の理解に差があり、足並みがそろわない」と指摘する。

 ひょうご障害者福祉協同組合の誕生は、本條義和理事長=NPO法人「はりま福祉会」理事長=の果たした役割が大きい。障害者雇用に前向きな企業を訪問して幹部らに趣旨を説明し、4年かけて結成にこぎつけた。

 異業種の特性を生かして互いに備品を発注する取り組みは、加盟各社の業務の増加や売り上げアップにつながる。障害者雇用の基盤を整えることになる。

 本條理事長は今後、福祉施設運営のノウハウを活用して、障害者の特性を生かす職場環境づくりなど、労働に関する助言も行う。

 厚労省は「障害者雇用を共通項として異業種が結び付く動きが広がるきっかけになれば」と期待している。

ひょうご障害者福祉協同組合の冊子を手にする事務局スタッフら

2016/6/4  神戸新聞NEXT


障害者 個性生かして<5>真心で接客 聴力カバー

2016年06月05日 02時39分36秒 | 障害者の自立

 東京都葛飾区の女性(35)は、大学生の頃に両耳が聞こえづらくなった。病院で検査し、内耳に生じた障害から音を感じる能力が落ちる「感音性難聴」と診断された。

 卒業後に就職した会社では、電話営業を行う部署に配属された。相手の口の動きが見える対面での会話はできるが、電話は相手の言葉が聞き取れない。成績は伸びず、会社に居づらくなって3カ月で退職した。再就職しようにも、面接で電話応対ができないと告げると断られた。

 そんなとき、「笑顔がいい」と採用されたのが衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングだった。入社後は聴力がさらに落ち、客対応で怒らせてしまうこともあった。悩んで退職を申し出ると、上司は「聞こえないから辞めるのは納得できない。どうしたら仕事をしやすくなるか考えよう」と言ってくれた。

 「耳が不自由です。はっきり口元を見せて話してください。手話わかります」と書いたバッジを胸に着けた。周囲のスタッフも目を配り、支えてくれる。再就職から13年。今では、手話ができる人がいるから、と来店する客もいる。この女性は「好きな接客の仕事が続けられるのは、周囲の人たちのおかげ」と力を込める。

 同社は2001年、「1店舗1名以上」の障害者雇用を目標に掲げ、今では全国で約1250人の障害者が働く。雇用率は5・87%(昨年6月時点)で、法定の2%を大きく上回る。人事部の山崎桜さんは「社会には多様な人がいる。職場でも、多様な人が共に働くのは当たり前のこと」と話す。

 「聴覚障害者は、会話によるコミュニケーションが取りづらい」「接客業は難しい」-。そうした世の中の先入観が「障害」となり、聴覚障害者たちの可能性を狭めてきたのではないだろうか。

 女性のように、職場や本人が工夫を凝らすことで、生き生きと働ける聴覚障害者たちが増えている。スープカフェ「サイン・ウィズ・ミー」(東京)もその一つ。店内は手話が「公用語」で、スタッフ12人は聴覚障害者が中心だ。

 「いらっしゃいませ」の代わりに、スタッフが身ぶりを交えて笑顔で迎える。目配りできるよう、調理場から客席全体が見渡せる造りだ。注文はメニューの指さしや筆談で行う。客の9割は障害のない人たちで、常連客の女性(22)は「言葉はなくても丁寧な接客が伝わる。落ち着いた雰囲気でリラックスできる」と気に入っている。

 男性オーナー(42)はろう者で、障害者の就労支援に携わった経験がある。職場での何げない会話や議論に参加できず、情報共有ができないことで孤立し、能力を発揮できないまま離職していく聴覚障害者を数多く見てきた。こうした現実を変え、当事者のロールモデルを発信しようと、11年に開業した。「周囲から『聴覚障害者に接客は無理』と言われたが、日本語がうまく通じないインド料理店も繁盛している。味はバリアー(障害)をしのぐと思った」

 スタッフ同士の意思疎通は全て手話。店長の女性(39)は「情報が見え、共有できるので働きやすい。聞こえない分、目を配ってお客さまに接している」と話す。4月には都内に2号店を開店した。オーナーは「目指すのは、誰もが『ありがとう』といってもらえる社会。店をたくさんの人に知ってもらい、一歩ずつ社会を変えていきたい」と意気込む。 

=2016/06/04付 西日本新聞朝刊=


障害者就労施設から 物品調達目標2100万円以上に

2016年06月05日 02時36分42秒 | 障害者の自立

 県は、障害者就労施設から物品などを調達する「障害者優先調達推進法」に基づき、本年度の調達目標額を二千百万円以上に設定した。二〇一五年度の実績は二千百三万円と前年度より大幅に伸びたため、さらなる増加を目指す。

 県障害福祉課によると、推進法の施行に伴い、県は一三年度から調達目標額を毎年設定している。一五年度は千四百五十万円以上としたが、印刷物の調達が前年度の二倍以上の九百二十五万円となり、目標額を約六百五十万円上回った。本年度は増額分の維持を優先しつつ、新たな調達の受け皿確保を図るという。

 一五年度の調達実績によると、食品や普及啓発用品などの「物品」が五十二件で計三百七万円、資源回収作業や印刷物などの「役務」が百十六件で計千七百九十六万円だった。本年度も物品、役務を中心に調達する。

2016年6月4日  東京新聞


北見工大冬季スポーツ研究センター本格始動 障害者用シットスキー開発へ

2016年06月05日 02時32分59秒 | 障害者の自立

 4月に北見工業大が新設した「冬季スポーツ科学研究推進センター」が本格的に動き始めた。第1弾として手掛けるのは、日本障害者スキー連盟の強化指定を受けるクロスカントリースキー選手、新田のんのさん(19)=札幌在住=に合わせた競技用シットスキーの開発。道と道内企業などの協力を得て10月をめどに完成させる計画だ。新田さんの競技力向上を後押しし、来年3月の障害者ノルディックスキー・ワールドカップ札幌大会への出場権獲得を目指す。

 2本のスキー板に座席を固定させた「シットスキー」は、下肢に障害のある人がクロスカントリースキーや、射撃とクロスカントリーを組み合わせたバイアスロンで使用する。連盟関係者によると、主に道外企業が製造しており、競技人口が少ないことから女性用は種類が少なく、ほとんどがオーダーメードという。

 新田さんは小児がんなどの影響で生まれつき下半身不随で、これまでは車いすマラソンで活躍してきた。マラソンの練習などで鍛えた心肺機能を生かし、昨年12月からクロスカントリースキーを始めた。各種大会で好成績を挙げたが、使用したシットスキーは連盟から貸与された男性用で、サイズは合っていなかった。

 将来的にパラリンピックで活躍することを期待し、障害者ノルディックスキー日本代表の荒井秀樹監督が、専用のシットスキーの開発を道の関係者に相談。道は、北見工大が冬季スポーツを工学的視点で研究するために設けた「センター」に技術的支援を依頼した。

 開発に向けて話し合いを進め、6月1日にはセンターで、シットスキーで滑る新田さんの動作を調べた。座面や背もたれの角度を変えながら、斜面を滑降する速度や床にかかる圧力、上半身の動き、ストックを使う腕の動きや力の使い方などを細かく測定。新田さんは「背もたれを厚くすることで、力を入れやすくなった」と好感触を口にした。

 センターは計測データを解析し、新田さんが使いやすく、競技力向上につながるシットスキーを作り上げる。鈴木聡一郎センター長は「測定の中で、滑降中は不安定になることがわかった。新田さんが最高の成果を出せる設計を追究していきたい」と話している。

06/04   北海道新聞


筋ジスや脳性まひの5人 障害者の自作CD完成

2016年06月05日 02時24分33秒 | 障害者の自立

日立で収録曲披露

筋ジストロフィーや脳性まひなどで身体に重い障害がある人たちが、制作を進めていたCDが完成した。CDには自ら作詞作曲した歌計10曲を収録。CD制作メンバーらが参加した音楽講座が2日、日立市会瀬町の市社会福祉協議会地域活動支援センター「ゆうあい」であり、収録曲が披露された。CDは希望者に販売し、収益を市社協を通じて熊本地震の被災地に送ることを決めた。

CDを制作したのは桜井敏幸さん、高柿祐二さん、根本尚さん、中嶋久子さん(以上日立市)と、都所健一さん(東海村)の20〜50代の5人。まひなど身体に重い障害があり、言葉をうまく発せない人もいる。都所さんは自宅で、ほかの4人は同センターの音楽講座で、講師の村上邦子さん(68)=同村=から作曲指導を受けている。

作曲はドレミの音階を数字にしたり、一覧表にしたリズム表を使ったりして意思表示し、曲を組み立てる。一小節ごとに村上さんがピアノで再現し、少しずつ曲を完成させた。歌詞には「まだまだ人生80年 この合言葉に助けられ 今の私がいる」など5人の思いが込められている。

完成した歌は、元音楽教諭の野村浩子さん(68)=日立市=が編曲し、野村さんによるピアノの弾き語りで収録した。

2日の音楽講座には、野村さんが訪問し、収録曲を弾き語りで披露した。「楽譜と歌詞からどんな風に歌ってほしいか、想像しながら歌った。皆さんの努力が私の励みになっている」と野村さん。CDが無事に完成し、中嶋さんは「一生の宝物になった」と満足げ。根本さんは「みんなで心を一つにして作ったのでよかった」と笑顔を見せた。

CDは1枚500円。購入希望者は、日立市社協を通じて受け付けている。4日に東海村で開かれる「ふれあい福祉まつり」でも販売する予定。

完成したCDを手にするメンバーたち=日立市会瀬町

2016年6月3日  茨城新聞