子供の障害や病気に悩んだ親が、子供を手にかけてしまう殺人・心中事件が相次いでいる。
読売新聞が2010年から先月までに起きた計50件(未遂含む)を調査・分析したところ、加害者は65歳以上が7割を占め、子供の「ひきこもり」や暴力にもかかわらず、長く周囲から支援を受けられなかった高齢の親が事件を起こしている傾向がわかった。将来への悲観や介護疲れが背景にあり、国などによる実態把握が求められる。
警察発表や裁判資料などで、親が子供のひきこもりや心身の障害、難病などに悩んでいたことが確認できた事件は50件。被害者が18歳未満の事件は、児童虐待など動機や背景が異なるケースが多く、対象から除いた。
50件の動機や背景(重複あり)を分析したところ、「親が亡くなった後などの子供の将来を悲観」が約6割の28件に上った。「子供からの暴力」も20件と目立った。
読売新聞 2017年04月02日