◆大久保昂(あきら)
再建支える体制、不十分
東京電力福島第1原発事故で、福島県内の避難指示が出ていない区域から避難した「自主避難者」への住宅の無償提供が、3月末で打ち切られた。昨秋からこの問題の取材を続けてきたが、困窮し、自立した生活ができる見通しが立たないまま打ち切りを迎えた避難者に数多く出会った。事故から6年。この間の国や福島県、避難先の自治体が避難者の生活再建を支える体制が不十分だったことが、こうした事態を招いたと考えている。
◆大久保昂(あきら)
東京電力福島第1原発事故で、福島県内の避難指示が出ていない区域から避難した「自主避難者」への住宅の無償提供が、3月末で打ち切られた。昨秋からこの問題の取材を続けてきたが、困窮し、自立した生活ができる見通しが立たないまま打ち切りを迎えた避難者に数多く出会った。事故から6年。この間の国や福島県、避難先の自治体が避難者の生活再建を支える体制が不十分だったことが、こうした事態を招いたと考えている。
16年度 震災後初めて減
日本司法支援センター岩手地方事務所(法テラス岩手)は12日、2016年度に受けた無料法律相談の件数を発表した。総数は1万319件で、14年度から3年連続で1万件を超えたが、東日本大震災後、初めて前年度より減少した。法テラス岩手は、震災から6年が経過する中、震災関連の訴訟や土地に関する相談などがピークを越えたとみている。
県内には、盛岡市と宮古市に事務所があるほか、震災後に大槌町と大船渡市に被災地臨時出張所が開設された。無料法律相談のほか、被災者や生活困窮者を対象に弁護士費用の立て替えも行っている。
相談の内訳で最も多いのは、離婚や相続、遺産分割などの「家事」で、4221件と全体の40%を占めた。これに、損害賠償や貸金の請求などの「金銭」2278件(22%)、自己破産や特定調停などの「破産等」1911件(18%)が続いた。
「不動産」は1075件(10%)で、ピークだった13年度の1165件から減少が続いている。当初は、津波により「土地の境界が分からない」「権利書がなくなった」などの相談が寄せられていたが、現在は落ち着いたという。
一方、弁護士費用の立て替えなどを行う代理援助は1183件。このうち震災に起因するものは22件で、12年度の74件から大幅に減った。
代理援助の内訳は、労働上の損害賠償請求や賃金未払い、パワハラなどの「労働」が24件と、前年度の10件から2倍以上に増えた。大手広告会社・電通の過労自殺問題が注目され、労働者の権利意識が高まったとみられる。
法テラス岩手は、外出が困難な高齢者や障害者らを対象にした出張法律相談も行っており、活用を呼びかけている。問い合わせは法テラス岩手(050・3383・5546)へ。受け付けは平日午前9時~午後5時。
高齢者や障害者の介護中であることを周囲に知らせる静岡県発案の「介護マーク」が全国の自治体に広まっている。2017年3月時点で県内を含む509市区町村が配布し、今後も38市区町村が取り組む予定。愛知や佐賀など8県は全県で導入する。“本家”の県内は全35市町が扱うが、16年度の県政インターネットモニター調査では「見たことがあり、意味も知っている」とした人は41%。県は「普及協力事業所」を指定するなど一層の周知に努めている。
介護マークは、外見上は介護の必要性が分かりにくい認知症患者の家族からの要望をきっかけに作られた。「介護中」と周知することで、異性の要介護者のトイレに付き添ったり、下着を買ったりする際に、誤解や偏見を受けないようにする。県内ではこれまで市町の福祉担当窓口などを通じ、計2万3千枚が希望者に無償配布されている。
マークが役割を果たすには、見た人が意味を理解している必要がある。ただ、県政モニター調査から「周知が十分と言えない状況」(県担当者)が判明。一方、「介護マークを使用したいか」との質問に「早速入手したい」「将来、機会があれば使いたい」と回答した人が8割を超え、潜在需要の大きさも分かった。
さらなるPRが求められる中、県が指定する普及協力事業所は、ポスターやチラシといった啓発品の配布、社内研修などを通じて、顧客や社員に介護マークの意味を伝える役割を担う。17年3月で千事業所に達している。
高齢者や障害者の介護中であることを周囲に知らせる静岡県発案の「介護マーク」が全国の自治体に広まっている。2017年3月時点で県内を含む509市区町村が配布し、今後も38市区町村が取り組む予定。愛知や佐賀など8県は全県で導入する。“本家”の県内は全35市町が扱うが、16年度の県政インターネットモニター調査では「見たことがあり、意味も知っている」とした人は41%。県は「普及協力事業所」を指定するなど一層の周知に努めている。
介護マークは、外見上は介護の必要性が分かりにくい認知症患者の家族からの要望をきっかけに作られた。「介護中」と周知することで、異性の要介護者のトイレに付き添ったり、下着を買ったりする際に、誤解や偏見を受けないようにする。県内ではこれまで市町の福祉担当窓口などを通じ、計2万3千枚が希望者に無償配布されている。
マークが役割を果たすには、見た人が意味を理解している必要がある。ただ、県政モニター調査から「周知が十分と言えない状況」(県担当者)が判明。一方、「介護マークを使用したいか」との質問に「早速入手したい」「将来、機会があれば使いたい」と回答した人が8割を超え、潜在需要の大きさも分かった。
さらなるPRが求められる中、県が指定する普及協力事業所は、ポスターやチラシといった啓発品の配布、社内研修などを通じて、顧客や社員に介護マークの意味を伝える役割を担う。17年3月で千事業所に達している。
毎日新聞 2017年4月12日
国土交通省と鉄道各社は、ハンドル型電動車いすで列車に乗る時の条件を緩和し、訪日外国人の乗車を認める方針を決めた。従来は、国内法でハンドル型電動車いすの利用が認められた人しか乗車できず、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた対応の見直しが求められていた。
ハンドル型電動車いすはシニアカーとも呼ばれ、主に下半身が不自由な高齢者が使用している。電動車いす安全普及協会によると、会員企業が2015年度に出荷した電動車いすは1万9449台で、このうちハンドル型が1万3610台で7割を占めた。