独障害者スポーツ連盟役員が視察 [福岡県]
ドイツ障害者スポーツ連盟役員、アンソニー・カールフェルト氏は14日、田川市を訪れ、2020年の東京パラリンピックの事前キャンプに向け、市総合体育館などを視察した。カールフェルト氏は視察後、記者団に「すみずみまで配慮が行き届いていた。車いすバスケット連盟の監督に、車いすバスケのキャンプの有力候補として田川市を推薦したい」と述べた。
田川市はドイツの車いすフェンシングの事前キャンプが内定している。二場公人市長は8月にドイツで開かれる車いすバスケットボール世界大会に出席し、19カ国の車いす競技の関係者が集まるレセプションで、市が進める障害者に優しいまちづくりや市総合体育館のバリアフリー化などを紹介する。
カールフェルト氏は市役所で二場市長と会談。パラリンピックについて「インフラの整備など中長期的に見て障害者の生活水準をあげる重要なイベントだ」と強調。その上で、「東京パラリンピック後も子どもたちやスポーツを通じた交流を続けるなど、(田川市との)長期的な結びつきを模索したい」と話した。
■カールフェルト氏の一問一答
田川市を訪問したドイツ障害者スポーツ連盟役員のアンソニー・カールフェルト氏と記者団の一問一答は次の通り。
-田川市総合体育館を視察した感想は。
トイレには通訳機能があり、シャワールームの広さも十分。不自由のない施設だ。2022年に行われる車いすバスケットボールの世界大会など、障害者競技の国際大会にも対応できると思う。
-体育館では床を触って確かめていた。
床の板と板の間に隙間があると、アスリートは違和感を覚えることがある。床も含め、これ以上望めないくらいの設備が用意されている。
-田川市をドイツ車いすバスケのキャンプ候補地として考えているのか。
最終権限を持っているのは、車いすバスケットナショナルチームのナショナルコーチだが、具体案は出ていない。事前キャンプに向けた動きが活発になるのは来年1、2月ごろだろう。田川市は良いポジションにいると考えている。田川市を有力な候補地として自信を持って推薦したい。
田川市総合体育館を視察するアンソニー・カールフェルト氏(左)。障害者用観覧スペースなどで説明を受けた(市提供)
=2018/05/23付 西日本新聞朝刊=