立て替え払いが必要な県の障害者医療費助成制度の改正を求め、障害者やその家族らでつくる「障害者医療費助成制度をよくする会」が募ってきた署名が1万人を突破した。14日は宮崎市で最後の街頭署名活動を実施。15日に開会する11月定例県議会への請願提出を予定している同会は「予想した以上に多くの人に署名をいただいた。しっかりと県政に届けたい」と感謝している。
2018年11月15日 47NEWS
立て替え払いが必要な県の障害者医療費助成制度の改正を求め、障害者やその家族らでつくる「障害者医療費助成制度をよくする会」が募ってきた署名が1万人を突破した。14日は宮崎市で最後の街頭署名活動を実施。15日に開会する11月定例県議会への請願提出を予定している同会は「予想した以上に多くの人に署名をいただいた。しっかりと県政に届けたい」と感謝している。
2018年11月15日 47NEWS
霞が関の無責任・大甘体質極まれりだ。
中央省庁の障害者雇用水増し問題で、障害者雇用促進を所管する厚生労働省が職員の処分を見送る考えを示したことに続き、国税庁、総務省、経済産業省、法務省も職員を処分しない方針であることが分かった。
国の行政機関のうち水増しが最も多かった国税庁は、処分しない理由について「意図的な数字操作ではなく、事務上のミスのため」だという。総務省は「不正の意図が確認されなかった」、経産省は「組織全体の対応に不備があったためで、職員個人の処分は検討していない」としている。
他も、財務省は「長年続いてきた問題で、特定の誰かの責任を問うのは難しい」、内閣府は「処分よりも反省し、再発防止の取り組みを進める」としており、どこも責任は一切不問のまま幕引きとなりそうだ。
民間は罰金まで取られるのに、役所が処分ナシとは呆れてものが言えない。
2018/11/14 日刊ゲンダイ
重度の障害、あるいは育児や介護のために外で働けない。そんな人たちが「分身」を使って接客するカフェが11月26日から期間限定で、東京都港区の日本財団ビル内にオープンします。分身となるのがロボットの「OriHime(オリヒメ)-D」。自宅にいながら遠隔操作で注文を取ったり、コーヒーを出したりできるロボットです。
開発したオリィ研究所(東京都港区)の吉藤健太朗所長(30)は、自身も幼少期に病気が原因で引きこもりとなった経験を持ちます。「人間の孤独を解消したい 」。そう語る、今話題のロボットコミュニケーター・吉藤さん。彼が描く未来像を探ります。
オリィ研究所の社内には、高さ20センチほどのロボットが数体、置かれています。重度障害などの理由で出勤できない社員がこれを使って“遠隔出社”しているのです。こうしたロボットは「分身ロボット」と呼ばれます。
ロボットの名前は「OriHime」。パソコンやスマートフォンを使って遠隔操作することで、その場にいなくとも参加体験ができることから、現在70社ほどの企業がテレワークに利用しています。
「内臓のカメラ、マイク、スピーカーで会話をするだけでなく、頭や腕を動かせるので自由に視点を変えたり、ジェスチャーで感情を伝えたりすることが可能です」と吉藤さん。製品化した当初は、病気や障害で外出できない人の利用が多かったそうですが、最近では育児や介護などで通勤できない人にも利用されています。
便利そうですが、テレビ電話とは何が違うのでしょうか?
「電話やテレビ電話は用件を伝えるのに適したツールです。けれども、同じ空間にいる感覚は得られません。例えば、仕事とは関係のない雑談が社内の人間関係を円滑にすることがあります。こうしたことから、OriHimeは用件の有無に関わらず、常時接続しながら同じ時間と空間を共有できることを念頭に開発しました」
分身ロボット開発のきっかけは、吉藤さんの幼少期にまで遡ります。小学校5年生のときに体調不良による入院が発端となり、3年半の間、引きこもりの状態に。それは孤独に押しつぶされそうな日々だったと振り返ります。
「引きこもりだった人に『そういう時間があったから、今があるんでしょ』と言う方がいます。私はそれを無神経な発言だと思っています。虐待を受けていた人に同じことが言えますか? 人生をやり直せたとしても、あの時間に戻ることだけは二度とごめんです。誰ともつながりを感じられず、自分は必要のない人間だと思い込んでしまう。私にとって孤独はつらいものでしかありませんでした」
そんな時間を過ごす中、ある思いを抱くようになります。それは体が1つしかないことへの疑問ーー。「教室に行きたくても行けない。それが悔しくて、体がいくつもあればいいのにとずっと考えていました」
2010年に最初のOriHimeが完成した後、世の中に受け入れられるのか不安を抱きながらも、実用化に向けた研究を続けました。そんなとき、ある女性と出会います。
「Yさんは全身の筋肉が徐々に衰えるALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っていました。発症後3~5年で寝たきりになるケースが多く、やがて自発呼吸が困難となり、死へと至る難病です。眼球は最後まで動くことが多いので、目のまわりの筋肉の神経信号を読み取って操作できるシステムを一緒に開発しました。出会った1年後に亡くなられたのですが、『いつか同じ病気の人をマッサージしてあげたい』とおっしゃっていたことが印象的でした」
寝たきりでも誰かの役に立ちたいーー。Yさんのそんな思いが現在のOriHimeの方向性を決定づけることに。
ALSは自発呼吸ができなくなっても、人工呼吸器を装着すれば長期療養が可能です。しかし、実際には呼吸器を装着せずに尊厳死を選ぶ患者が8割におよぶといわれています。
「呼吸器をつけても声を失うことになります。笑うこともできない。感謝の言葉も伝えられない。横を見れば、家族が自分のために排泄の世話をしている。そうした毎日に疲れ、生きることを諦める方が多くいらっしゃいます。『もっと早くにOriHimeを知っていれば、絶望しながら死なないでも済んだかもしれない』とALS患者のご家族に言われることがあり、それがつらい瞬間です」
テクノロジーを利用して障害を取り除き、“できない”を“できる”に変換すること、それを吉藤さんは「サイボーグ化」と呼びます。
「従来の福祉の世界はどれだけ『普通』に近づけられるかが一般的な目標でした。でも、サイボーグ化率が上がれば、障害者が『普通』を飛び越え、健常者以上のことができるようになります。実際に、眼球でOriHimeを操作し、驚くようなイラストを描くALS患者の方がいます。外出できない人でも誰かとつながれる。誰かの役に立てる。それを実現することで自分を肯定し、自分の居場所がつくれる社会を創出したいと考えています」
こうした“サイボーグ化率が高い”社会の実現に向けて実験的に開催されるのが、11月26日~30日、12月3日~7日の期間限定で日本財団ビル(東京都港区)内にオープンする分身ロボットカフェ「DAWN ver.β(ドーン・バージョンベータ)」です。
重度の障害があったり、育児や介護のために外で働けなかったりする人たちが、分身ロボットを使って、自宅にいながら遠隔操作で注文を取ったり、コーヒーを出したりするカフェです。今回使用するのは、高さ20センチメートルのロボット「OriHime」ではなく、移動ができ、簡単な肉体労働もこなせる全長約120センチメートルの新型「OriHime-D」。
「これは公開実験です。いろんな失敗データを集めて、次の成功につなげたいと思っています。そして、働くことを諦めていた方に、こんな働き方もあったのかと気づいてもらえたら嬉しいですね」
来年1月にはOriHimeを題材にした長編映画「あまのがわ」が公開されるなど、現在、さまざまな分野で注目を浴びる吉藤さん。病弱で引きこもりだった少年が、今のように活躍するようになった秘訣を聞くと「人との出会い」という言葉が返ってきました。
「私が引きこもりから抜け出せたのは、ある工業高校の先生との出会いがきっかけでした。そして、起業を勧めてくれた友人やYさんをはじめとする開発に協力してくださった方々。そうした人たちとの出会いが今の私をつくっています」
つまり、それは「運がよかった」ということ?
「それもあるかもしれません。でも、いい出会いを得るために本当に多くの人たちとお会いしました。むしろ、これだけの人と会わなければ『いい出会い』がなかったのかと考えると、運が悪いのかもしれません。ただ、いつも感じるのは、人を苦しめるのは人だけど、孤独から抜け出させてくれたり、人生を豊かにしてくれたりするのも、また人だということ。人は人の営みに参加するために外へと出かけます。人は人に出会うために活動する生き物なんです」
最後に今後の目標を聞くと「高齢者向けのツール開発など、アイデアはめっちゃあります」と自信をのぞかせる吉藤さん。さまざまな理由で外出できない人々がサイボーグ化する世界。そこにはこれまで想像しえなかった、まったく新しい社会参加の可能性が秘められていそうです。
(著者プロフィール)
阿部伸(あべ・しん)
1978年生まれ。建築業界に従事したのち、出版業界へ。紆余曲折を経て、2018年、起業。モノづくりティーンズ応援フリーマガジン「チョイス!」の発行人兼編集長兼ライター兼デザイナーとして奮闘中。
11/15 Yahoo!ニュース 個人
「もうひとつのW杯」と呼ばれる知的障害者サッカーの世界選手権が8月、スウェーデンで開かれた。その日本代表に2人の選手を送り出したのが奈良県にある「奈良クラブバモス」。設立から4年あまり。進化を遂げるクラブチームに迫った。
10月下旬の夜。奈良県大和郡山市のフットサルコートに続々と選手が集まってきた。この日の練習に参加したのは10~20代の13人。ボールを蹴りながら、元気よくコートへかけだした。
リフティングなどで体を温めた後、いよいよ本格的なトレーニングに。一様に真剣な表情になったのは円になってのパス練習だった。ただのボールまわしではない。パスを出した選手は受け手の選手がいた場所に移動する。ボールは同時に三つを使用。さらに2タッチなどの取り決めもある。「この子たちはぼーっと一つのボールを追いがち。視野を広げて、ボールを動かしながら人も動く。それが自然にできるようにしたい」。嶋将平監督(33)が狙いを解説してくれた。
いざ始めてみると、選手同士やボール同士がすぐにぶつかってしまった。「違うよー」。嶋さんの声が響く。練習を止めると、自身で見本を示した。「いいか悪いかをはっきり伝えること。そして視覚的に伝えること」。指導で心がけているポイントだ。
奈良クラブバモスができたきっかけは嶋さんが約10年前に見た映画だった。「プライドinブルー」。2006年に開催された知的障害者サッカーの世界選手権に臨む日本代表選手のドキュメンタリーだ。「こんな勝負をかける世界があるんだ」。衝撃だった。
当時は県リーグ1部の奈良クラブでプレー。そのかたわら中学校の特別支援学級の教壇に立っていた。「この子たちにも何かに夢中になれる環境を作ってあげたい」。11年に奈良県立高等養護学校の教師になるとサッカー部の指導を始めた。最初の部員は3人。だが熱意あふれる嶋さんの存在が知られると、徐々に増えていった。
スタートは苦労の連続だった。自身の経験を基に教えても、なかなか伝わらない。シュートやドリブルなど一つ一つの動きが形になっても、いざ実戦になるとできなかった。「二つのことを同時に処理するのが苦手な子が多い」。ピッチを離れ、テニスボールをラケットの上にのせて平均台を渡らせるといったメニューで脳を鍛えた。
成長の速度もそれぞれ違った。知能指数(IQ)がおおむね70以下だと、知的障害とされるが、選手たちのIQは約50~75まで幅がある。個々に適した指導法を練った。最初の2年間は公式戦で1勝もできなかった。でも、多くの選手が腐らずに続けてくれた。
「卒業後もサッカーがしたい」という生徒の声に応え、14年に学生も社会人も入団できるバモス奈良フットボールクラブ(16年から奈良クラブに合流し、奈良クラブバモスに)を設立。次第に大会でも勝てるようになった。
そして今年は世界選手権代表にDF徳村雄登(21)とMF丸山一喜(19)が選ばれた。嶋さんもコーチとして同行。ついに映画で見た舞台に立った。日本代表は9チーム中6位。丸山は「レベルが違った。判断やパスの精度、技術力をもっと上げたい」。大きな刺激を得たという。
嶋さんにとっては楽しみながら上達していく選手の姿が何よりの喜びだ。「成長は少し遅いかもしれない。でも丁寧にわかりやすく伝えていけば、必ず伸びる」。バモスはスペイン語で「さあ、行こう」の意味。今月は全国大会の切符をかけた関西地区の大会の決勝を控える。目標の日本一に向けて、走り続ける。
練習は週3回。平日は学校や仕事を終えてから参加する選手が多い
asahi.com 2018年11月14日