ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

<とびらを開く>支える側も支援必要 障害者の兄弟姉妹に思いを

2019年10月08日 16時25分39秒 | 障害者の自立

ぱるけが開催した講演会後の記念撮影。米国で「きょうだい支援」を30年以上続けるドナルド・マイヤーさん(中央)が講師を務めた

 文具売り場の一画などに来年の暦が飾られる季節になってきました。ある会員制交流サイト(SNS)に投稿されていたのは「記念日・歳時記カレンダー」。そこで「きょうだいの日(シブリングデ-)」が目に留まりました。

 文具売り場の一画などに来年の暦が飾られる季節になってきました。ある会員制交流サイト(SNS)に投稿されていたのは「記念日・歳時記カレンダー」。そこで「きょうだいの日(シブリングデ-)」が目に留まりました。

 ここで言う「きょうだい」とは、病気や障害のある兄弟姉妹を持つ人のこと。こうした人たちをサポートしているNPO法人しぶたね(大阪府)が、海外の例に倣い、4月10日を「きょうだいの日」と制定。一般社団法人日本記念日協会が今年4月、正式に認定・登録しました。

 きょうだい支援を続ける団体は仙台市にもあります。2002年設立の認定NPO法人アフタースクールぱるけ。市内3カ所で障害のある子どもたちが通う放課後等デイサービス事業所を運営。他にホームヘルパーや相談支援の事業も実施しています。

 こうした活動に加え、05年に始めたのが「あみーごクラブ」。放課後デイサービスなどに通う子どもたちの兄弟姉妹が対象で、調理や工作、外出などで一緒の時間を過ごしています。

 アミーゴは「友だち・仲間」を意味するスペイン語。クラブ名には「きょうだい同士が出会って楽しい経験を共有し、仲間づくりをしてほしい」との願いが込められています。

 代表理事の谷津尚美さんは元養護学校講師。保護者からきょうだいについて聞いて「心配だと思うことが多かった」と言います。

 障害のある兄弟姉妹を持つきょうだいたちは「いい子じゃなくちゃいけない」と思いがち。「こうあるべきだ」という周囲の見方に自分を当てはめようとしてしまいます。悩みが深くなり、大人になってから心や体に変調を来してしまう例もあるといいます。

 親子、きょうだいの関係がぎくしゃくすれば、家族が揺らぐ恐れも。「きょうだいも幸せになることが家族の幸せにつながる」。谷津さんたちはこう考えて活動を続けています。

 障害のある人だけでなく、兄弟姉妹にも思いを寄せる。来年以降の4月10日はそんな日にしませんか。 (特定非営利活動法人せんだい・みやぎNPOセンター 青木ユカリ)

認定NPO法人アフタースクールぱるけ 022(778)8666 https://paruke.com

<関連資料>

◆『あみーごクラブの10年』  きょうだい支援についての活動報告をまとめた冊子(2015年発行、NPO法人アフタースクールぱるけ、1000円)

◆『きょうだいさんのための本 たいせつなあなたへ』  A5判、24ページの小冊子(11年9月発行、NPO法人しぶたね、PDF版のダウンロードはhttp://sibtane.html.xdomain.jp/kyoudaisassi.pdf)

志民の輪       2019年10月07日


知的障害者の自立描く 「道草」19日から小倉昭和館上映 宍戸監督「分け隔てない社会に」

2019年10月08日 16時17分07秒 | 障害者の自立

 重度の知的障害のある人たちが、自立した生活に取り組む姿を追ったドキュメンタリー映画「道草」の上映が19日、小倉北区の老舗映画館「小倉昭和館」で始まる。県内の映画館では初上映。障害者の日常や介護者らの抱える苦悩を赤裸々に伝えており、宍戸大裕監督が2年間追い続けて完成させた。宍戸監督は「障害者と健常者を区分けするのは好きではない。両者が分け隔てなく暮らせる社会の実現に寄与できれば」と話している。

 映画では、家事の援助や外出の付き添いなどの支援を受ける「重度訪問介護」制度を使い、障害のある男性3人が1人暮らしに挑戦する様子をそれぞれ撮影。1人暮らしで表情が明るくなる男性がいる一方、別の男性は暴れたり大声を出したりしてしまい、苦悩する親や支援者の姿も描く。

 重度訪問介護を利用して1人暮らしをする知的障害者は非常に少ないといい、宍戸監督は「制度の周知にもつながれば」と語る。

 相模原市の知的障害者施設殺傷事件で、一時心肺停止に陥った尾野一矢さんが、自立生活を模索する様子なども描かれている。

 知的障害のある女性と家族の35年間を追ったドキュメンタリー映画「やさしくなあに~奈緒ちゃんと家族の35年~」との2本立てで上映。鑑賞料は大人1100円、学生700円。上映は25日まで。

 宍戸監督らが撮影の裏側などを語るシネマカフェ(参加料500円)は、22日午後2時45分から同館で開かれる。問い合わせは小倉昭和館=093(551)4938。

2019/10/8       西日本新聞


パラ競技にトライ! 大分市で12、13日に「スポーツオブハート」

2019年10月08日 16時08分40秒 | 障害者の自立

 障害のある人もない人も一緒にスポーツや音楽を楽しむイベント「スポーツオブハート2019in大分」が12、13の両日、大分市中心部である。大分開催は3回目で、ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会に合わせて企画した。主催団体は「県内外のラグビーファンも含め、多くの人が障害者スポーツに触れる機会にしてほしい」と来場を呼び掛けている。無料。  一般社団法人スポーツオブハート(東京)の主催。パラアスリートの認知度向上などを目的に、2012年からほぼ毎年、東京で開いている。今年は9月27、28の両日に恵比寿ガーデンプレイスなどで実施した。  障害者スポーツの先進県である大分では17年から始まった。アーティストらが参加する駅伝やファッションショーなどを通じて「みんなで共生社会を進めよう」とアピールしている。  4日に大分市役所で会見した同法人名誉理事でプロ車いすランナーの廣道純さん(45)=同市城崎町=は「障害者スポーツを体験し、魅力や難しさ、すごさを知ってほしい」と強調。「来年は東京パラリンピック。イベントを通して興味を持つきっかけになれば」と期待を語った。  12、13の両日はJR大分駅府内中央口広場に、車いすバスケットボールやボッチャ、パワーリフティングなどパラリンピック競技を体験できるコーナーを設ける。12日午後1~4時は中央通りが歩行者天国となり、同2時半からアスリートや芸能人、小学生らが駅伝でたすきをつなぐ。  W杯を盛り上げる仕掛けも。12日夜に祝祭の広場であるライブでは、松任谷由実さんの名曲「ノーサイド」の英語版(同市制作)を歌手のMay J.さんが披露する。  問い合わせは同法人(☎03-5784-3322)。

  大分合同新聞      2019年 10/8


ロボ着てハイキング KNT-CTとアトウン 高齢者向け

2019年10月08日 15時59分17秒 | 障害者の自立

旅行大手KNT-CTホールディングスパナソニックのロボット子会社のATOUN(アトウン、奈良市)はパワーアシストスーツの活用で連携する。歩行に不安を抱える高齢者を対象に、2019年度中にアシストスーツを身に着けてハイキングなどを楽しむツアーを始める。介護や農業分野で使われているアシストスーツは観光分野にも広がってきた。

アトウンが開発した「HIMICO(ヒミコ)」の試作機を使う。本体を腰に巻き付けて両足とワイヤでつなぐ。本体に内蔵したセンサーが腰の動きを感知し、モーターがワイヤを伸縮することで足の動きを助ける仕組み。KNT-CTは傘下に近畿日本ツーリストとクラブツーリズムを持ち、19年度中にヒミコを使った関西出発のツアーを催す。

アシストスーツは工場や倉庫などで腰の曲げ伸ばしを助けるための利用が増えている。今回は高齢者や障害者など誰もが旅行できる「ユニバーサルツーリズム」に力を入れるKNT-CTとアシストスーツの活用例を増やしたいアトウンの思惑が一致した。ヒミコは2~3年内の商品化を目指す。

2019/10/8        日本経済新聞


生体と機械が融合する「Beyond body」の時代へ

2019年10月08日 15時49分20秒 | 障害者の自立

 2020年、東京にてオリンピックが開催される。同時に開催されるのがパラリンピックだ。

 パラリンピック(英語: Paralympic Games)は、国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee、略称:IPC)が主催する、身体障害者を対象とした世界最高峰の障害者スポーツの総合競技大会であり、オリンピックと同じ年に同じ場所で開催される。

パラリンピックの熱気

 年々パラリンピックの参加国は増加しており、盛り上がりを見せている。関心の高まりの背景の一つにあるのが、白熱する記録の進化だ。

 2016年リオ大会の走り幅跳びにおいて、ドイツのマルクス・レーム選手は8m40cmの記録を叩きだした。これは同年のオリンピック参加者である米国のジェフ・ヘンダーソンの記録を2cm上回るものであった。なお、マルクス・レーム選手は、2018年のヨーロッパ選手権においては8m48cmと自身の記録を10 cm伸ばしている。

 マルクス・レーム選手を始めとしたパラリンピック参加者の記録更新の背景には、参加者や周囲の支援者の努力や献身に加えて、義足をはじめとした補助器具やデバイスの技術進化が挙げられる。1980年代のカーボン繊維製の競技用義足の登場は、義足の能力向上の大きな変曲点となった。

 現在パラリンピックで用いられている義足は、かかと部分がカットされていたり、カーブを描いていたり、記録値の向上を目標として大幅な進化を遂げている。パラリンピックにおいて、「福祉」的側面から「競技」的側面への移行が指摘されている所以である。

スポーツを越えて

 さらには、デバイスや技術進展に焦点を当てた競技大会も誕生している。スイス発祥のサイバスロン(CYBATHLON)は、身体に障害を持つ人々が互いに競い合い、最先端の技術支援システムを使用して日常のタスクを完了するユニークな競技大会である。チューリッヒ工科大学においてセンソリモーターシステムを研究するRobert Riener教授は、日常支援システムを開発するためのプラットフォームとなるような場として2013年にサイバスロンを開始した。

 サイバスロンでは、従来型の競技やスポーツの固定観念を越えるような競技種目が現在6種類設定されている(図表1)。

図表1●スポーツの進化
脳科学やバイオ工学の進化に対応した、従来型の競技やスポーツの固定観念を越えた新しい競技体が誕生している(出所:Eidgenössische Technische Hochschule Zürichを基に筆者作成)
 

 例えば、Brain-Computer Interface (BCI) Raceにおいては、BCIを装着した競技者が、ゲーム内のアバターを通じて競技を行う。脊髄損傷、脳卒中、神経疾患やトラウマによって四肢の麻痺を有する競技者が参加資格を有する。参加者は、脳波(EEG)や近赤外線分光法(NIRS)を利用してBCIにより自身の脳のシグナルを読み取る。

 2020年のCYBATHLONにおいてはスクリーン越しの自らのアバターを通じて、4人の「走者」が4分以内の順位を競う。当該レースは、BCI技術の精度と安全性を検証する側面もあり、将来的にはアバターだけでなく、BCIによる車椅子の精緻な動作制御を実現することも目的としている。

 Powered Exoskeleton Raceは、脊髄損傷により脚部が完全麻痺している競技者が参加資格を有するレースだ。現在、Powered exoskeletonは、アクチュエーターや人工筋肉などの動力を用いた外骨格型の装置として、理学療法やリハビリテーションにおいて主に用いられている。

 BCI Raceと同様、4人の競技者が日常生活において想定される6つのタスクの達成度合いと達成時間を競う。当該レースは、車椅子に追加した活動補助器具としてのPowered exoskeletonの技術進化を目的としているものだ。

 パラリンピックと比較すると、競技の「記録値」ではなく、「日常生活の支援」に力点が置かれている点、またその課題を解決するための技術の研究開発と実装支援の場となっている点が特徴的だ。

COLUMN        ヘルスケアの未来地図