2007-0404-yis124
帰りにも寄ると言ったら寄りますわ
ただでは「やましな」なのですものね 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○長い詞書は、和歌の理解の助けになる。「石山に参り侍りける道に、山科といふところにてやすみ侍りけるに、家あるじの、心あるさまに見え侍りければ、いま帰りさまにも、など言ひ侍りしを、よにさしも、と言ひ侍りければ」。石山寺への参詣の往路のこと。京の都を出て郊外の山科で休息(食事? 宿泊?)した。亭主の持成しが気に入ったので、「帰り道も宜しくね」と言ったら、「まさか、そんなことは(お世辞だけでしょう)」と返してきた。そこで一首。このあと一行は逢坂山を越え、琵琶湖畔の打出浜(うちいでのはま)から舟で、大津(どちらも滋賀県)の石山寺へ参詣する。依拠本頭注には、帰途もこの休処へ寄って、こう贈歌したとある。
君ははや 忘れぬらめど 御垣根を
よそにみすてて いかが過ぐべき
¶やましな=「(ただにては)止まじな」「山科(の里)」を懸ける。
□和124:かへるさを まちこころみよ かくながら
よもただにては やましなのさと
□悠124:かえりにも よるといったら よりますわ
ただでは「やましな」 なのですものね
帰りにも寄ると言ったら寄りますわ
ただでは「やましな」なのですものね 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○長い詞書は、和歌の理解の助けになる。「石山に参り侍りける道に、山科といふところにてやすみ侍りけるに、家あるじの、心あるさまに見え侍りければ、いま帰りさまにも、など言ひ侍りしを、よにさしも、と言ひ侍りければ」。石山寺への参詣の往路のこと。京の都を出て郊外の山科で休息(食事? 宿泊?)した。亭主の持成しが気に入ったので、「帰り道も宜しくね」と言ったら、「まさか、そんなことは(お世辞だけでしょう)」と返してきた。そこで一首。このあと一行は逢坂山を越え、琵琶湖畔の打出浜(うちいでのはま)から舟で、大津(どちらも滋賀県)の石山寺へ参詣する。依拠本頭注には、帰途もこの休処へ寄って、こう贈歌したとある。
君ははや 忘れぬらめど 御垣根を
よそにみすてて いかが過ぐべき
¶やましな=「(ただにては)止まじな」「山科(の里)」を懸ける。
□和124:かへるさを まちこころみよ かくながら
よもただにては やましなのさと
□悠124:かえりにも よるといったら よりますわ
ただでは「やましな」 なのですものね