2007-0411-yis131
あなただけ私を恨んでどうするの?
隠し事ならお互いさまよ 悠山人
○和泉式部集、詠む。
○詞書は、「たがひにつつむことある男の、たやすくあはず、とうらみしかば」。
¶つつむ=旺文版『古語辞典』には、見出し語に「つつむ(慎む)」「つつむ(障む・恙む)」「つつむ(包む・裹む)」の、三語が載る。最後者を引くと、「隠す。秘める。」などとある。難語「裹む」について、学研版『漢字源』で、さらに調べた。
「裹」=総画 14、部首 衣、区点 7471、JIS 6A67、シフトJIS E5E5、字音 カ、意読 つつむ・つつみ。用例としては、裹屍(かし)・裹蒸(かじょう)・薬裹(やくか)など。
□和131:おのがみの おのがこころに かなはぬを
おもはばものを おもひしりなん
□悠131:あなただけ わたしをうらんで どうするの?
かくしごとなら おたがいさまよ
2007-0411-yts323
蕾ふき花さきてのち片片と
塵となりては見らるるもなし 悠山人
○短歌写真、詠む。
○花の中の花も、地面に散ったあとは、もう見向きもされない・・・。ところで最近は、悠山人歌の掛言葉もあまり紹介しない。新古今、紫、和泉と付き合って下さる読者には、先刻承知かと。では、今回は? そう、「ひらひら散る」と「塵になる」。
□短写323 つぼみふき はなさきてのち ひらひらと
ちりとなりては みらるるもなし
【写真】月初めの撮影。あれほどの招桜狂騒曲も、フィナーレか。
【memo】to the readers : 源氏歌集(左端、ブックマーク)もなんとか軌道に乗り、巻二帚木に入る。ご高覧賜りたし。またまた、ところで、「帚木」、現代読み(ひらかな)ではどう表記するのか。長い間、「ははきぎ」に疑問も持たなかったが、依拠本に「はわきぎ」と振り仮名があって、ひとり赤面した。日も暮れてなほ道遠し学の道。