悠山人の新古今

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和泉式部集125 捨てられて

2007-04-05 05:00:00 | 和泉式部集

2007-0405-yis125
捨てられて御手洗川に来て見れば
私の魂が蛍火になって…   悠山人

○和泉式部集、詠む。
○「男に忘られて侍りけるころ、貴船に参りて、みたらし川の、ほたるのとび侍りしを見て」。それにしても、忘る、忘らるが赤裸裸。
¶貴船(きふね)=貴船神社(京都市左京区鞍馬)。このあたりで御手洗川(みたらしがわ。現在の通称は明神川)は、貴船川になり、下って鞍馬川になる。下賀茂神社にも同名の御手洗川がある。また、「
御手洗」は神域での禊を意味する。
¶あくが(憧)る=第一義は、「魂が身から離れる。うわの空になる。」 第二義は、「心がひかれて、落ち着かない。思いこがれる。」(旺文版「古語辞典」)で、これが現代に伝わっている。近年話題になった「臨死体験」は、第一義の復活か。ついでに私の、つい最近の体験。ある観光地で、三人連れの四十台と見える日本女性たちが、交代で何回か記念写真を撮っていたので、気軽な気持ちで「一緒に撮ってあげましょうか」と、声をかけた。とたんに彼女らの表情が固まった。その一人の言葉に、こんどは私が耳を疑った。「真ん中の人が、魂を抜かれるから、お断りしますっ!」 
¶たま(魂)=遊離魂思想については、第100歌(2月20日)も参照。

□和125:ものおもへば さはのほたるも わがみより
      あくがれいづる たまかとぞみる

□悠125:すてられて みたらしがわに きてみれば
      わたしのたまが ほたるびになって…