哲ノート

gentle heart!! ヤサシイココロ・オトナノココロ

世界報道写真展2011

2012-07-03 23:20:35 | ちょっとそこまで。
今年も“写美”東京都写真美術館で「世界報道写真展」が開かれています。

世界の至る所では、依然として「民族紛争」「民族間対立」が絶えず、報道写真としてのテーマとして多く出展されていますが、

今年は「アラブの春」「東北の震災」という大きな動きが加わりました。

特に海外の報道カメラマンたちが「震災」をどうとらえたかが、いくつかの作品になっていました。

内容としては「ニュース」「現代社会の問題」「日常生活」「ポートレート」「エンターテイメント」「自然」「スポーツ」と別れていますが、

そこには「おもてのニュース」にあがらない題材であっても、一枚の写真になる事で、見る者に「想像」「感動」「衝撃」を与えることになるものである。

今回の大賞になった作品も、ただその光景を写すものではなく、その周辺、その周囲、その背景、状況、現実までも大いに見る者の情感をゆさぶるものである。

目を覆いたく、直視できない写真も展示されているが、世界では実際起こっていることであり、このような写真展で見ておかなければならない「現実」がある。

特に印象深く、立ち止まってしまった作品は、「“北”の都会に林立するアパート群」

人の気配もなく、あかりもなく、活気もない廃墟同然の高層アパート。

ただ一か所ヒカリが当てられているのは、その“冷たい”アパートの壁面に掲げられている「指導者の肖像画」一点のみ。

無機質で寒々しい光景

この国の実情を見事に表した一枚

さりげない、なにげない被写体も、背景にあるメッセージを深読みすれば、そこには重く、深いものがある。
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