講談を実際聴きだして15・6年、いろんな演目を拝聴させていただきましたが、講談独特の読み方「修羅場読み(ひらばよみ)」は今でも“中身”を理解するよりも
そのリズムとテンポ、声のメリハリを聴いて楽しむって感じになります。
講談演目としては講釈の基本の読み方であり、発声方法、リズムを養う上で前座さんや二ツ目さんがよく演目にしています。
毎月開催されている「講談広小路亭」は協会の演者が勢ぞろいして“顔見世興行”のような定席になります。
ただ多数出演のため、持ち時間が短く、講釈特有の切れ場が多くなって「あ~あ」となっちゃうんですが、多くの演者・演目にふれられるんで、これはこれでなかなかおもしろいです。
開口一番の前座さんがまずは「三方ヶ原戦記 五色備え」を修羅場読みで語りはじめ、この独特の雰囲気からこちらも「講談聴きに来たぞ・・・」と雰囲気を盛り上げていきます。
つづいて次々と「水戸黄門漫遊記 光圀生い立ち」「伊達の鬼夫婦」「ジャンヌダルクからオルレアン入城」「越の海勇蔵」
「太閤記 太閤と曽呂利」「あちらかしら(新作)」「黒田騒動」中入り前の松鯉師匠は「赤穂義士銘々伝から赤垣源蔵 徳利の別れ」
「俵藤太 むかで退治」「は組小町」「鉢の木から佐野源左衛門駆け付け(修羅場読み)」「奴の小万」主任愛山先生「北斎と文晁 茶室の合作」まで。
中入り後の鯉風師匠が修羅場読みで「鉢の木」を講釈しました。前座さんの読み方とは違ってところどころ解説を付けて
しかも大きく違うのは同じ読み方なのにメリハリがあって聴きやすく、そしてテンポ・リズムがある事がとてもよくわかり、やはり芸歴・芸風を重ねての読み方には
これほどまでに違うのかと、とっても感服してしまいました。
なかなかスケジュールもあわなくて、他の話芸寄席・落語・浪曲ほどなかなか聴く機会がないのですが、より奥深さを感じた今回の講談興行でした。
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