今月も浅草・木馬亭で浪曲を楽しみます。
「浪曲定席木馬亭 -木馬亭定席55周年-」
平日の昼間、にぎわう浅草界隈。聴こえてくる声は外国語ばかりで「ここは、どこ?」って感じで、お店の人だけは日本人ですけど、行き交う人は外国人ばかりの浅草。
そんな中浅草・木馬亭はさすがに日本語(日本人)だけの世界。なんで亭内だけは自然となんか落ち着くんですよね。
開口一番は“新鋭”天中軒かおりさんで「名槍日本号と黒田節」(初聴)声も通ってハキハキと、緩急つけての余裕ができれば将来有望です。
髪が長くなった三門凌さんは落語でもおなじみ「中村仲蔵 出世の定九郎」前髪替えた港家小そめさんは快活に「身代わり音頭」ウィットにとんだ玉川奈々福さんは「河内山宗俊 上州屋玄関先」
中入り後、天中軒月子さん思い入れたっぷりに「あゝ横綱玉ノ海の出世」講談「徂徠豆腐」(何度聴いてもいい噺)澤雪絵さん「からかさ櫻」(これもいい噺だ)
そしてトリは天中軒雲月師匠で赤穂義士外伝の多くの演目の中で“いちばんややっこしい噺”(師匠曰く)「忠僕直助」
「誉の刀鍛冶」という別題があるように、赤穂義士に名をのこす岡島八十右衛門の忠僕な家臣である直助が主人の名誉のために刀鍛冶を・・・
まさに義理と人情を一食単に雲月師匠が時にきっぱりと時にほんわかと硬軟つけて啖呵と節で演じ切ります。(ほんと、かっこいい・・・)
春の浅草木馬亭定席は個性ある演者がいろんな演目を聴かせてくれて、最後は雲月師匠がピシッとしめてくれました。