黄金色のイチョウが美しい東京・上野公園。
展覧会が花盛りでした。
東京都美術館。
12月5日。週末とあって、入場30分待ちの行列で賑わっていたのは「モネ展」(9/19~12/13)でしたが…
私が見に来たのは、同時開催中の「第19回総合写真展」。
「第19回総合写真展」。
写真愛好家を対象にした全国公募の写真展です。
会場風景。
自分の展示作品を確認。「優秀賞」でした。
改めて、上手な、というか良い作品を撮る人が全国にはたくさんいるものだと実感します。
私など、まだまだ…
ちなみに、この総合写真展(もう少しカッコいい名前にできないかな~)は平成9年から始まり、アマチュアの初・中級者をはじめ、プロを目指す人まで、全国の写真愛好家を対象に開催(公益財団法人 国際文化カレッジ主催)。
今回は、3,299点の応募作品の中から「入選」以上の2,027点が展示されました。
テーマは「自由」と、今年の規定「わが町」。プリントサイズは全紙または半切。
私は規定テーマ「わが町」(全紙)で出しましたが、自分の街にそれほど誇れる風物があるわけでもなく、身近なテーマにしては案外難しかったですね…
「自由」テーマの人が多かったように思います。
審査員(板見 浩史、川合 麻紀、テラウチマサト、徳光ゆかり、丸林 正則各氏)の賛助作品も展示されていました。
都美術館を出ると、ほかの展覧会の看板が色々。
国立科学博物館の「ワイン展」(10/31~2/21)。
ワイン製造の体験コーナーもあるそうで、面白そう。
国立西洋美術館では「黄金伝説展」(10/16~1/11)。
これも見てみたいけど…
時間がないので、あきらめました。
イチョウの葉が舞い散るなか、盆踊りをするグループ。
ノボリには「あすか会 日本全国盆踊り」と。飛びり参加者もあるみたい…
それはともかく、目的の一つ、ニコンミュージアムを見るため、山手線で品川へ。
品川駅港南口。
通路の両側にずらりと並ぶディスプレーが面白いですね、これは一斉に赤色に変わった瞬間。
品川インターシティ。
品川はリニア新幹線の始発駅になるし、これから活気づくかも。
ニコンは昨年(2014年)11月、本社をそれまでの有楽町から品川インターシティーC棟に移転。
その2階に10月17日、「ニコンミュージアム」をオープンしました。2017年7月に創立100周年を迎えるのを記念したもの。(ニコンのニュースリリース)
ニコン本社2階のエントランス。左が受付(土曜日のためか不在)。
何という広大な空間…
つい“モッタイナイ”と思ってしまいます(貧乏性なので)。
これぐらい広ければイベントでもできそうですね。
ニコンミュージアムの入り口。入館は無料。土曜は開いていますが日曜日、祝日は休館です。
ニコンミュージアムの中。
すぐ目に入るのが、ニコンミュージアムのシンボル、巨大な合成石英ガラスインゴット。タッチOKでした。
光学素材から一貫生産していることがニコンの“自慢”。これは半導体露光装置用に製造されたもので、世界最大級だそうです。
入口近くは、映像作品「ニコンがひらく世界」や創立100周年記念映画など、ニコンをイメージで紹介するコーナー。
創立100周年記念映画「交響組曲ルクス・センチュリエ」を上映。
この近くに「今月の1枚」というコーナーが。第一回として、木村伊兵衛氏の有名な作品「秋田おばこ」(1953年)が展示されていました。
ライカで撮ったものと思っていましたが、ニコンだったんですね。
館内のほとんどが撮影OKの中で、この作品は撮影禁止でした。
次は子どもも楽しめる科学スペース「レンズの実験室」。昔のレンズと比較して、現在のレンズはいかに収差が補正されているかということも実感できます。
戦前のカメラの歴史「ニコンカメラへの道のり」。
「ドイツ人技術者に学ぶ」という言葉があります。
レンズ加工の展示。ここにも「ドイツ人技術者が磨いた原器」(右下)が。
「原器」はレンズの形状の基準となるもので、光学会社の“財産”。
説明によると、『1921(大正10)年、ニコン(当時:日本光学工業)は、技術力向上を目的にドイツより8名の技術者を招聘する。その時の研磨技術者が磨いたとされる原器である。日本に現存するもっとも古い原器と思われる。』
日本の光学技術がここまで進歩したのも、元はドイツ人技術者のおかげ。感謝しないといけないですね。
ニコンが報道カメラの世界的基準になっていったことをアピールする展示。
ニコンのカメラ約450点がずらりと展示されていました。壮観です。
ニコン初の小型カメラ「ニコン I 型」(1948年)。
現在の35mm判カメラ(24×36mm)とは違い、画面サイズは24×32mmと、横幅が少し短い。36枚撮りフィルムで40枚撮影できたとのこと。
「ニコン S2 」(1954年)。画面サイズは24×36mmに。
「ライカ M3 」に刺激を受けて開発され、レンジファインダー機のベストセラーになったそうです。
ニコン初の一眼レフカメラ「ニコン F 」(1959年)。
報道カメラの代名詞。名機として輝いていました。
「ニコン F フォトミック T 」(1965年)。
TTL 露出計付き。取り外しできるファインダー部のデカさが懐かしい。
「ニコン F2 」(1971年)。
この改造版が、植村直己の北極点走破に使われました。(「知られざるニコンの歴史」参照)
一眼レフカメラの美しいデザイン。個人的な妄想としては、「これをそのままデジタル化して売り出したら、受けるだろうなァ」と思います。しかもミラーレスにして(というのは、ミラーがあるままだと、イメージセンサーが加わる分だけボディーが厚くなってしまうんですね。「Df」のように…)。
度肝を抜くような、画角220° 6mm f/2.8の魚眼レンズ(1972年)。学術、工業用です。
これもびっくり。世界最長焦点距離のズームレンズ。 1200-1700mm(1990年)。
甲子園球場センターバックスクリーン横の報道席から、本塁の選手を撮るために開発された特別仕様。
もちろん、最新のデジタルカメラ機器も。蛍石レンズを使用した超望遠レンズ400mm f/2.8(2014年)。カメラは「D4s」。
カメラやレンズ以外にも、「半導体露光装置」や顕微鏡など産業・医療分野の機器が展示されています。
電子回路パターンを焼き付ける基盤(ウェハ)。
良く分からないけど、キラキラしてきれい…
ニコン初の本格的顕微鏡(1925年)。
こちらは最新鋭の超解像顕微鏡(2010年)。
ほかに双眼鏡や望遠鏡、メガネレンズも展示していました。
ミュージアムらしく、グッズも販売。
「ニコンようかん」。何でかわからないけど、前からありますね。
ニコンミュージアムがある 品川インターシティ のビル群と緑地帯をはさんだ反対側には、キヤノンマーケティングジャパンが本社を構えるキヤノン S タワーがあります。
カメラ業界の2 強が同じ場所に。近くに来たついでに、寄ってきました。
2階のショールーム「キヤノンプラザ S」。
「EOS 5Ds」を展示するコーナーはクリスマスムード。
1階のキヤノンギャラリー S では上田義彦氏の写真展。入場無料。
会場でもらったポストカード。
地球上の生命の根源の姿に迫ろうと、風景や海中写真を撮り続けている写真家です。
入ってみるとかなり暗い照明の中で、荒涼たる大自然の光景が浮かび上がる演出。
EOS 5Ds やEOS 5D III のほか大判カメラで撮影したものだそうです。
品川インターシティの夕暮れ。
モノクロでも試してみました。
このあと、恵比寿のイルミネーションを撮りに行きました。
その写真は次回に。
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撮影カメラ・レンズ
キヤノン EOS 6D
EF24-105mm F4L IS USM
ソニーRX100