キヤノンが8月25日に発表した、フルサイズデジタル一眼レフカメラ「EOS 5D Mark IV」(9月8日発売)。(ニュースリリース)
大阪でのスペシャルセミナー(8月28日)には所用で行けなかったので、「キヤノンデジタルハウス梅田」で先行展示されていた実機を触ってきました。
「EOS 5D Mark IV 」(キヤノンデジタルハウス梅田で)。
キットレンズの「EF24-105mm F4L IS II USM」(10月下旬発売予定)がついていました。
新しい定番標準ズームとなる「EF24-105mm F4L IS II USM」。すっきりした外観で「Mark IV 」とのバランスはよさそうです。
「EOS 5D Mark IV 」のボディー自体は、前モデルの「 EOS 5D Mark III 」より60g 軽くなっています。サイズもわずかにコンパクト。個人的には持ちやすいと感じました。
一方、レンズは前モデルの「EF24-105mm F4L IS USM 」より125g 重くなりました。
なので、持ってみると、それなりの重量感はあります。
◆AF、着実な進化
背面。液晶画面の右側に測距エリア選択ボタンが新設されました。
測距エリア選択ボタン(赤丸)(キヤノンのページより)。
ボタンカスタマイズで割り当てることで、測距エリアのダイレクト切り換えが可能になります。
展示機はカスタマイズされない状態だったので、ダイレクトではなく、ボディー右肩のAFフレーム選択ボタン( )を押してから測距エリア選択ボタンを押し、測距エリアを変えるようになっていました。
形は違いますがAPS-C機「EOS 7D Mark II」の測距エリア選択レバーと同じ機能ですね。
ファインダーをのぞきながらエリアを変えられるので便利です。
「EOS 7D Mark II」の測距エリア選択レバー。
下図は測距エリア(キヤノンのページより引用)。
「5D Mark III 」にはなかった「ラージゾーンAF」が新設され、7つに。これらは「EOS 7D Mark II」「EOS-1D X Mark II」と同じです
AFセンサーはフラッグシップの「EOS-1D X Mark II」に搭載されているのとほぼ同じ。61点高密度レティクルAF IIを採用しているとのこと。
測距点が縦に広がったとはいえ61点のままなのは少し残念。もう少し測距点を増やして欲しかった気はしますが、全点がF8 測距に対応、低輝度限界も前モデルのEV -2 からEV -3 に(ライブビュー時はEV -4 に!)なるなど着実な進歩です。
◆軽くソフトなシャッター音
ともかくシャッターを切って試写。7コマ/秒の連写も試してみました。
「5D Mark III 」の連写が「カタカタ」と硬い音なのに対して、軽く柔らかな感じ。
徹底的にカメラショックを抑えた高画素機「5Ds 」に似た、ソフトで良いフィーリングです。
キヤノンによると連写時の連続撮影可能枚数は、記録画質がJPEGラージ/ファインで約110枚、RAWで約17枚、RAW+JPEGラージ/ファインで約13枚。この日、RAW+JPEGラージ/ファインでシャッターを押しっぱなしにしたところ14枚連続で撮れました。
再生画像。
拡大したところ。
いい描写のようですね~
たしかに液晶画面は明るくてきれいですが、「5D Mark III 」の2230万画素から3040万画素になった精細感の違いまでは見分けられません。デ―タ持ち帰りができるようになり、色々なレビューが出るまで待たないと…
高感度性能についても同じ… (出始めたネットのレビューでは、そこそこ好評)
タッチパネルになったので、再生画像を指で簡単に拡大・縮小できます。ピントを確認するのに便利。
もちろん前後のコマ送りも指でOK。
ライブビュー画面にしたところ。
ライブビューではデュアルピクセル CMOS AF の採用によって、スムーズなAFが可能に。
タッチしたところに四角のAFエリアが表示されます。
この状態で普通にシャッターボタンを押してもいいですが…
画面左下のアイコンをタッチすると「タッチシャッター:する / しない」が切り替えられ、タッチだけでシャッターが下りるようにもできます。
メニュー画面のさまざまな設定もタッチ操作でできます。
スマホやミラーレス機では当たり前の機能とはいえ、プロ・ハイアマチュア向けの5D シリーズでタッチシャッターが出来るなんて、「イージー過ぎる」と言う向きがあるかも…
◆ “重い” デュアルピクセルRAW データ
さて、注目を浴びているEOS 5D Mark IV の新しい記録画質「デュアルピクセルRAW(DPRAW)」。
DPRAW で記録した画像は、解像感補正、ボケシフト、ゴースト低減という3つの後処理が可能になるとのこと。(RAW現像ソフトDigital Photo Professional 4で次回ソフトウエアアップデーター公開時に対応予定)
とりわけ解像感がアップするのがうれしいところです。
メニュー画面から設定するようになっており、試みに、このDPRAW で連写してみました。
想像通り、データ量が大きいので連写速度・枚数ともガクンと落ちます。
通常のRAW+JPEG で14枚連続で撮れたものが、DPRAW だとほんの数枚に。さらに書き込み時間もかなりかかります。
これでは、スポーツのような動きものをバシャバシャ撮るには不向きですね。
何が何でもピントで失敗できない、あるいは究極の解像感を求める、というような状況で、満を持して使う機能のように思います。
ただ、こういった“隠し技”のあるカメラは魅力的。
「最後は DPRAW という 強~い味方があるもんね」と自信を持って撮影に臨めそう。
ほかに4K動画対応など、機能満載のEOS 5D Mark IV 。買って損はない、バランスの良いカメラでしょう。
もちろん、フトコロ次第ではありますが…
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撮影カメラ ソニーRX100
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