キヤノンの “万能タイプ” フルサイズ一眼レフ EOS 5D Mark IV (9月 8日発売) 。
キヤノンEOS 5D Mark IV の発表を機に行われた「EOS 5D シリーズ スペシャルセミナー」。
9月10日の大阪会場(追加開催分、TKPガーデンシティ東梅田)を見てきました。
EOS 5D Mark IV のタッチ&トライができるコーナー。
この日のセミナー講師、写真家・前川 貴行氏とGOTO AKI 氏の作品が展示されていました。
いずれもEOS 5D Mark IV を使って撮影されたもの。
熱心なファンが詰めかけていました(手前は前川 氏の作品)。
別室で行われたセミナーは超満員の盛況。
A2 サイズまで大伸ばしできるプロスペックのプリンター「ImagePROGRAF PRO-1000」(顔料12色)のデモも。
さすがに素晴らしい仕上がりのプリントですね~
◆セミナーの内容
前川 貴行氏とGOTO AKI 氏のセミナーは2回ずつ(各回40分)。せっかくきたので、2人とも聞いてきました(セミナーの模様は撮影不可のため、写真はありません)。
前川 貴行氏(写真はキヤノンのページから引用)
全世界をフィールドに活躍する、野生動物が専門の前川氏は北米3か所で、バイソンやクマ、野鳥などを超望遠レンズで撮影。
北米3か所と簡単に言いますが、米・イエロ-ストーン国立公園、カナダ・ニューファンドランド島、米・アラスカと、行動範囲は広大。カメラの新製品試写としては大規模ですね。
おもに600mmの超望遠レンズと1.4~2倍のエクステンダ―を多くの場合手持ち(!)で使用。
ホワイトバランスは温かみのある「雰囲気優先」を選択したそうです。
GOTO AKI 氏(写真はキヤノンのページから引用)
GOTO 氏は、地球的な規模での時の流れを感じさせる風景作品、とくに最近は火山をモチーフに創作を続けているとのこと。
立山、裏磐梯の風景、富士山周辺の滝などを各種ズームレンズで撮った作品の数々。
作品として作り込むまでの過程をスナップ写真で分かりやすく解説。愛車に車のバッテリーを電源として積み、寝泊まりして撮影行を続けているといったウラ舞台も紹介していました。
スマートフォンの専用アプリ「Camera Connect」を駆使し、カメラをリモート操作する撮影方法を解説していたのは、さすが若い世代。
さて、EOS 5D Mark IV は“買い”なのかどうか… 実際に使った2人のプロの印象が、参考になると思います。
ポイントごとにまとめてみました。
● 画素数アップ
「5D IIIの2230万画素から3040万画素 にアップしたことによる精細感は、5D IIIの画質が良かったこともあり、正直言ってこの程度(セミナーのスライド)では分からない。2m以上のような大伸ばしになると、違いが分かるかも」(前川 氏)
● AFについて
「AIサーボAF+ゾーンAF や AIサーボAF+領域拡大AF 、カメラまかせの自動測距点AFを試したが、追随性も良く動物の目にきっちりピントが来ていて、5D IV のポテンシャルの高さを実感。ピントが甘くなりがちなエクステンダ―を使った場合でも、AF精度が良くなった。また暗所でのAF性能はすごく良い。」(前川 氏)
「スナップしながら気付いたのは、AFが良くなりスピードが速くなったこと。暗い所でも ピピッと効く。ミラーショックが低減されているので手ブレにも強いのもありがたい。5Ds ではかなりブレていましたから…」(GOTO 氏)
● 高感度性能、ダイナミックレンジ
「EOS 5D Mark IV の ISO6400 は高感度というより“中感度”。きめの細かさ、ノイズの少なさから見て十分使える。」「(明るい水しぶきを背景に、黒い2匹のクマが争う写真について)背景の白トビもなく、黒いクマのディテールが出ている。ラチチュード(ダイナミックレンジ)の広さを感じた。」(前川 氏)
「(滝を高速シャッターで撮った写真で)常用ISO感度の最高 ISO 32000を試してみた。シャドー部に現れがちな赤や緑のノイズが全くない。常用とは、たとえば印刷に耐えるレベルだと思うが、これは“使える”高感度。」(GOTO 氏)
● 操作性
「5D シリーズでなじんだ操作性を継承していて良い。」(前川 氏)
「レリーズ端子がフロントに独立したのは、ほかの端子に影響しなくなったので良いこと。新しく設けられた測距エリア選択ボタンも便利で気に入っている。」(GOTO 氏)
● スマホとの連携
「高いアングルは三脚や一脚にカメラをのせて掲げ、低いアングルは地面すれすれに、いずれも撮りにくい状況でスマホを使い楽に操作できるようになった。」(GOTO 氏)
● デュアルピクセルRAW
「データ量が大きく、連写が効きにくくなるが、余裕がある場合デュアルピクセルRAWで撮っておけば、あとで変化させられる。」(前川 氏)
「“ボケシフト”が、使えそう。」(GOTO 氏)
以上、セミナーの要約でした。
聞く限り、EOS 5D Mark IV は“買い”以外にない感じですが。
お金がネ…
セミナーのお土産。
下方はEOS 5D Mark IV のパンフレット(写真は前川 貴行氏の作品)。赤い特製手帳はキヤノンフォトサークル会員向けの特典で、野外でのメモに便利な「測量野帳」。キヤノンオンラインショップで使えるクーポンもついていました(40万円以上購入で、3万円割引)。