つれづれ写真ノート

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幻のオオヤマレンゲ

2014年05月31日 | 

これから梅雨にかけての季節は、「森の貴婦人」と呼ばれるオオヤマレンゲ(大山蓮華)が咲くころ。昔から撮りたいと思っている花ですが、なかなか機会に恵まれません。

関東以西の深山に自生するモクレン科の白い花。名前の由来は、奈良県の大峯山から。大峯山のなかでも、弥山(みせん)から八経ケ岳にかけての自生地が国の天然記念物に指定されています。(奈良・天川村のホームページ参照。ほかにこのページにもたくさん写真がありました)

福岡・大分両県にまたがる英彦山(ひこさん)や、大分県の九重連山にも自生しており、この花を見るのが目的の登山者も多いようです。

 

平地ではなかなか見られない花。ところが、大阪・堺市都市緑化センターで先日、よく似た花を見かけました。

 

「オオヤマレンゲ」との表示。

しかしネットで調べたところ、中国・朝鮮半島原産の「オオバオオヤマレンゲ」のようです。雄しべの濃い紅色が特徴。

 

日本に自生する「オオヤマレンゲ」の雄しべは淡いピンク色。

「大峯山に登らなくても、こんな所にあった」と一瞬喜んだのも幻に…

 

とはいえ、この「オオバオオヤマレンゲ」(大葉大山蓮華)も和風の趣があり、美しい花。茶花などに使えそうですね。園芸店で「オオヤマレンゲ」として売られているのは、ほとんどこの花とか。

 

ほかに「ウケザキオオヤマレンゲ」(受咲き大山蓮華 )という花もあります。「オオヤマレンゲ」が下か横を向いて咲くのに対してこちらは上を向いて咲きます。大きな花で強い芳香があり、庭木に使われます。「オオヤマレンゲ」と「ホオノキ」の雑種。

ずいぶん前になりますが、姫路城のそばにある日本庭園「好古園」で「オオヤマレンゲが咲いた」という新聞記事を見て訪ねて行ったところ、この「ウケザキオオヤマレンゲ」で、がっかりしたことがあります。

「ウケザキオオヤマレンゲ」(2002年5月17日、姫路・好古園で)。

「オオヤマレンゲ」が清楚なのと対照的に、雄しべ、雌しべとも猛々しい感じ。

 

本物の「森の貴婦人」は、やはり山に分け入らないと会えないのかもしれません。

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関連記事

 ・『オオヤマレンゲ自生地 』(じゃらん観光ガイド)

 ・『オオヤマレンゲについて』(植田邦彦氏の論文)(抄録で「雄〓」とあるのは「雄しべ」)



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