昨日の新聞記事。
「俳誌(風港)終刊」と。
石川県球州市を拠点に、中川雅雪氏の主宰のもとに刊行されていたが、地震で「風港」発刊の中心となる自宅が被災をし、避難生活を余儀なくされ、俳句活動は難しくなり終刊を決めたらしい。
中心となる編集委員11人の大半も被災にあった。
対象の本質にせまる「写生」の精神を基本に、句会通じて全国300人の同人、会員が研鑽を積んできたが、3月号で終刊に。
断腸の思いだったに違いない。
俳人協会は、地震がきっかけとなり俳誌が無くなった例は「聞いたことが無い」としている。
中川氏は
「人は心豊に生きるために俳句を作る。悲しみや喪失感が落ち着いた時、会員たちはまた俳句を作ってほしい」
と言っている。
その日が一日でも早くおとずれる事にエールを送りたい。
風港に載せた雅雪氏の3月の句
@ 虎落笛なゐの瓦礫の泣くごとく 中川雅雪
@ 激震のあと満天の冬の星
@ 地震(なゐ)の夜の車中の毛布分け合へり
@ 給水を待つ列の子の雪つぶて
切々と臨場感が伝っわてくる。
他にこんな句も
@ 春光を散らし細波走りけり
@ うららかや波が崩るる波の上
@ 春潮の際まで寄りぬ七尾線
@ 沖遥か帰燕の空のくれなゐに
@ 少年の句を添へ届く花の種
@ はだしの子校長室で勉強す
@ 幼子の鼻に擦り傷五月晴
俳句の記事に接すると興味が湧く。
まだ俳句に縁を切っていない自分がゐるみたいだ。