
明日あたり仕上がるだろう。
アッパッパと言えばアッパッパだけれど、サマードレスと言うと、少し綺麗に聞こえる。
何日かけて、ここまで縫った?
生地を買って、截つまでに一週間以上もかかった。
暑いから、ブラウスとパンツより、ワンピース型の服が涼しい。
綿ローンの涼しそうな生地を選んで買った。
簡単なスタイルだけど、試着をしてみたところ、ばっしり。
ミシンを置いてある北むきの窓辺の部屋は午前中は涼しい。
今日は襟ぐりを縫った。
それで午前は終わり。疲れた。
明日は仕上げなければ着る季間が無くなってしまう。
買えば店には沢山商品が並んでいるが、帯に短し襷に長しで、気にいった品は無い。
今年、デパートで買ったワンピース。
家事をするには勿体ない品。
外出用にしている。
最近、このワンピースで出かけたことがあった。
一緒に行っていた、息子が
「お母さん、受付の人が綺麗なお母さんですねと言ってくれたよ」
と、帰りの車の中で言った。
マスクをし、帽子をかぶり重装備をしているから、ちっとも綺麗じゃないので、洋服を褒めてくれたのだろう。
劣等感のある顔だから、せめて馬子にも衣装で七難を隠しているのだ。
老人になると、素顔を晒すのは恥ずかしい。
髪は真っ白、口元はしわくちゃ、目は小さくなり、マスクで顔を隠しているおかげで、老人臭さを退けている。
せめて、洋服だけは、小ましな物を着てお茶を濁している。
少し、努力をしてお洒落を心がけてはいるのだ。
買えばお金が高いから、自分で縫って良い服と見せかている。
まあ、世界に一つしか無い服には違いないが。
しりとり俳句から
@ 夕焼け雲早く下ろう恐山 夕焼け
@ 水鉄砲泉の傍で作りけり 作る
@ 調子良きミシンのリズム朝涼し 涼し
@ 一声のみ犬の遠吠え夏の月 夏の月
@ 平凡な日の始まりぞ髪洗う 洗う
@ ぽつつんと山荘の灯や夜の秋 夜の秋
@ 木の下の猫に尿をかけし蝉 蝉