老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

バロメーター

2023-09-16 22:57:59 | 老人日記
        

猫ポーチを作った。
この二つのポーチを作るのに二日もかかった。

夏の間、何もせず椅子を温めていた。
が、少し手芸に手を出す気になったことは、最後の顔づくりが気にいらないけれども、能動的になれた事は良い傾向だ。
健康のバロメーターだと承知している。

         

遅まきながらベランダのブーゲンビリアが咲いた。
一つだけ、心が晴れた今夏の出来事。よくぞ咲いてくれた。


    👡    不揃ひの籠盛りで売るまくわ瓜



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鈴の鳴りにけり

2023-09-16 03:54:48 | 老人日記
       

目がさえて眠れない。
昼間は、うとうととテレビの前で微睡むから、リズムが狂っているのだろう。

35~6年も前になるだろう。
MHKの松山放送局で「俳句王国」なる番組があった。
後には、全国放送になるのだが、私が初めてテレビに出た時は、俳句王国は始まったばかりで四国地方だけに放映をされていた。

その番組の出演記念に貰った湯吞茶わんが、食器棚の掃除をしていると奥から
出てきた。

いつも行っている句会をテレビでやるだけ。
四国は俳句の盛んな場所。
MHKが集めた四国の俳人が、数名集められた。

最初に「泉」の兼題が出された。
泉の句を何日か前に放送局に送る。
当日は、その句が色紙に書かれ壁に貼りだされる。

その句を互選し、今は亡くなられた鍵和田秞子氏を中心に、いつものような句会が開かれた。

互選にとってもらいほっとした記憶が。

その時の句を、やっと想い出した老化の私。



    🍵    泉掬む帯びゐし鈴の鳴りにけり


まだ睡魔がこない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

らんまん 、、、 土佐紬

2023-09-13 09:32:45 | 老人日記
          

       (土佐紬で作った買い物袋)

大きくて、重い物を持った時はリュックとして使えるように工夫をしている。

       

大きな肩にかける袋。

       

よく買い物に利用をする便利な袋。

         

どれも何十年も前に作った袋。
パッチワークをやるのが第一の楽しみで使用をするより作品として持っているから、これらの袋に痛みは無い。

 「 土佐綿紬は高知県香美郡香我美町周辺で織られる縞柄の木綿織物です。 土佐綿紬はかつては赤岡縞、岸本縞とも呼ばれていました。 文化年間(1804~1818年)頃から土佐藩の奨励で綿花の栽培が盛んになり、織られるようになりました。 明治・大正時代には普段着や野良着として多く着用されました。」
パソコンで、、、調べて記す。

ともあれ

      

台所の雑排を隠す暖簾も。

             

縞模様を選び放題。

エプロン、割烹着、何枚も縫い重宝をした。(現在も)



NHKの朝のドラマ「らんまん」を欠かさずに観ている。

最初は土佐が舞台。
松坂慶子の大店の奥様以外の出演者が着ている着物は土佐紬だと、すぐに気付いた。

土佐から東京に舞台が変わり、長屋の住人達が来ている着物も土佐紬だ。

中年の小母さん、子供、丈夫なこの木綿は誰にでも似合う。役柄に溶け込む優れものの大道具には違いない。 

何十年も前から、土佐紬を愛している私、、、なのである。

高知は、土佐紬。 徳島は、「阿波しじら」 香川は「ぼた織」 愛媛は、「伊予絣」。
四国の木綿織物として、昔から名高いそうだ。

阿波の藍染生地もしかり。これも集めた生地は見て楽しみ、洋服を作り木綿が大好き。

阿波ししら、伊予がすり、勿論さぬきのぼた織、どれも針通が良く縫いやすいから、愛してやまない生地の数々。

作った物は数知れず。
集めた生地も山のようにある。断捨離をするには忍び難い。。。
体力が落ちて手つかず。


    👘    秋袷働き母のちびた下駄 

    👘    木の葉髪大正小町の愁ひ貌   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

椅子

2023-09-11 16:05:55 | 老人日記

     

長年、、26~7年の間、連れ添ってきた椅子。

魔力を持っている椅子で、これに坐るとお尻から根が生え、背中から接着剤が出てきて、椅子から立ち上がれなくなる。

今年の夏は、この椅子で朝から晩までテレビにかぶりつき、うつらうつらと微睡んでいた。
コロナで外に出られぬ日のこの椅子の重宝さ。

昔、半年間近く原因不明の背筋の痛みが続いた。
医院でも病名も付かずひたすらこの椅子で寝ていた。
レントゲンを撮るにも、真直ぐに寝られない痛み。勿論、病院の梯子をやったが、原因は解らずじまい。

歩くのは普通に。
痛みで背をベッドにつけられないのだ。
季節は夏。
この椅子を倒して、半年間寝た。
よく頑張れたものだ。

ハナちゃんが生きていた時は午后9時がくると、ハナちゃんに明け渡す。
ハナちゃんに、冬は低温の電気毛布を敷き寝床を整える。そんな想い出も。

昨日は電気工事をし、ベランダのかたずけ。
今日は昨日の働きすぎが祟って、昼食も取らず、椅子の魔力と闘いもしないで仲よくしている。なにもやる気なしの半病人をかこっている。

雨まぢりの涼しい風が、北窓を打つ。
狭い部屋には少し大きすぎる椅子だけれど、愛着があり、大切な大切な椅子だ。


     💺    秋風や罅のはしれる皮の椅子

     💺      露草の花びら雨粒より小し

     💺    秋の雷下校児かたまり跔みこむ 
                
道草をくっていた子ども、突然の雨と雷に驚いた。  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

睡蓮

2023-09-09 01:37:25 | 老人日記
               

栗林公園の睡蓮を見に行く。
期待どおりに咲いていた。
橋をはさんだ蓮はもう花殻になっていた。

睡蓮を上手に、私の感じた景を詠んでいる先人の句を探しあてて記した。
これも勉強か。
      


       


     🎊  睡蓮の一花一花の真昼かな    上村占魚

今年の炎夏に疲れた、おとなしい色の花ばかり。
が、水に映った花影は踊っているような。
いつもは橙色の花が咲いているのに、、、私の記憶違い?



         
       

     🎊   睡蓮に鰭立ちすすむはぐれ鯉    桂 樟蹊子

固まって咲いている睡蓮が盛り上がりながら左右に揺れる。
目を凝らすと黒い影。葉と葉の間から黒い鯉が泳いでいるのが見える。


      

                   
       🎊   一ならび睡蓮の葉の吹かれ立つ   星野立子


彼女の句は、みんな好ましい。
台所だけじゃない。自然を女性の感性で詠む。
仰々しいところは一切ない。それが好きだ。


        

     
               🎊       わが立てば池はモネの睡蓮となる 山口青邨

蓮畑を潤わし、石橋を潜り流れ、やがて鴨が来る大きな池に通じる小河。
松の枝が垂れ下がり景を落とす。萩も片岸に沿って植えられている。


       


     🎊     睡蓮の隙間の水は雨の文   富安風生

風生さんは花と花が間を開けて咲く水の面の美しさに興じている。
どのような模様が文なされたのだろう。


              

    
    🎊     睡蓮のよき隔たりの花の数    清崎敏郎

風生さんの愛弟子が敏郎さん。
私を俳句に導いて下さった師が、風生さんが次官だった時の秘書で敏郎さんとは句仲間だったと、昔話をよく聞かされた。
今日はこんな事を想い出し、亡き師を偲んだ。


久しぶりに歳時記をじっくりと読んだ。



     💌    蜻蛉のつるむ景落つ水面かな

     💌    睡蓮や熱をおびゐる石の橋

     💌    松手入れ老人パスで入る公園





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする