老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

たもとほる裏屋島

2023-09-06 22:07:19 | 老人日記
     


今日の散歩は屋島の裏測。

ドライブコースは片側は原生林をなしている。
大きな樹は20メートル以上もある。
そして海が見える。

森林浴を兼ねた最高の散歩道。

先日に続いて足慣らしの試歩に。
今日はぶらぶらと20分ほど歩いた。
杖をついていても、足がふらつく。
肩から吊るした頭陀袋のような大きなパッチの袋から、携帯電話を出し入れ。
この袋が重く感じる体力。

携帯を取り出し写真を撮る。
難は花が少ないこと。

今日、倒されていた松の木の直径は一メートルほど。
切り口の三分の一くらいが枯れてえぐられている。

      

屋島に登る径も整備されてはいる。
他の場所は欝蒼としている。
樹々を透かして見える古びたお墓も。
源平合戦で矢折れ命の尽きた兵士の墓だろう想像をする。
菊王丸や佐藤継信や平家一門の墓などは目だった場所にあるが、この樹海にある土に還るような、名も無き小さな兵のお墓には哀れを感ずる。

     🍂     麦の秋無縁の墓に名をとどめ   橋本多佳子

           

道路の側溝にはところどころ猪が掘り返している。
屋島には常に猪が200頭以上もいるらしい。
仕掛けた猪檻を見かけることも。

              

海では浚渫船が何隻か。
うんうんと、唸る音が聞こえる。
時に車と出あう。散歩の人とすれ違う。
トランペットの練習をしている人もいた。

     🍂    病葉の上に病葉の降りにけり

     🍂       空蝉やたもとほる深い森の径            

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さびしい秋です

2023-09-05 19:34:21 | 老人日記
          

中島潔の絵が先か?

俳句が先か。

    🍏  しらじらと貌に貼りつく秋の風    石原八束 

「このしらじらさも、作者がある時見出した秋風の本意だ。一つのことばの本意は、詩人の激しい気迫で見出すべきもの。(山本健吉 評)」

今日も何もやることが無く一日中、無為に過ごす。
手元にあった句集をめくり 秋風の句を読む。

北の窓から秋風が入ってくる。
年齢からくるさみしさがつのる。
頭の中を覗いて見たい、身体を二つに割って、内臓の痛み具合を調べてみたいなぞと愚にもつかない思いをしたり。
物思いに耽る少女が、私の少女時代と重なる。


     🍎     秋の風若きはらから眼にうかぶ


     




  
   
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風の盆

2023-09-03 03:45:37 | 老人日記
      

テレビ中継の 風の盆 を観た。
34~5年前に句会の仲間と越中富山まで、この風の盆に訪れた事を思い出しながら観た。

   
       

そのころ、宿を予約するのに困難を極めた事も思い出した。
私は元気だった。

昼間の八尾は花街の面影の残る町で、家々の前を流れる溝川の涼しい音が聞こえる甃の美しい町だった。

三方に山が迫り、山に月がかかる頃、踊が始まった。

宿で夕食をとっていると、庭に踊子が来てくれた。

家々の軒に吊る雪洞の明かりだけの町並みはうす暗い。
その中を地方の音楽にのって踊り子達が静かに来る。
女性は編み笠を被り、指の先まで神経を張り詰めた優雅な踊りを舞う。

     @    踊らんと顔を包めばうつくしき    後藤夜半

         
      (この踊り子は中学生)

男性は腰を少し落とし、静かに片足を長く伸ばし、手を先を深く上、下に折り舞い進む。

      
 
踊り子には年齢制限があり、25歳くらいまで踊り子として参加ができるそうな。

       

恋人同士のような踊リ子が月を観ながら絡む(?)演出。
息をのむような美しい二人。
衣装も青色で裾に雲がわく模様。女盛りの粋な姿だけれど、25歳?なの。

35年前は真に豊饒の秋の神事に近い盆の祭をしみじみと味わったような、、、
凝った演出も無く、狭い通りを行く踊り子をま近に見、三味と笛と胡弓の調べに酔い満足をした。

今は、阿波踊りと同様にショー化をし、そして凄まじい人の波、波で、今の私はこの見物の混雑にまぎれて見物をするには耐えられぬだろうなと思いつ、テレビにかじりつき 風の盆を楽しんだ。

踊が果て、胡弓を鳴らしながら家路に戻って行く、甃を歩く足音が、旅寝の枕元に届く。
踊も、さりながら風の盆の想い出は、枕で聴いた胡弓と秋の風の音。
と、哀愁をおびた越中おわら節の唄。

      

おわら節の節まわしは難しい。

「 恋の礫か窓打つ霰 開けりゃ身にしむ オワラ 夜半の月 」

艶っぽい歌詞に哀感も交じる、雪国の炬燵で雪見酒でも飲みながらね~。

なぜだか眠れぬ夜。
布団を出てブログを書く、乱れたリズムの日々。

行ける時には行く!35年前の元気が欲しい。
明日も平穏でありますように❕

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