大阪水曜ほっと集談会一世です。
若い時は心が傷つき立ち直れないように思うことも多かった。
そのような時代が長くあった。
くよくよする自分が嫌で嫌で仕方がなかった。
しかし傷つくことは、不必要なことなのか?
以前にアコヤガイ(別名真珠貝)は、海の中の虫や砂なる異物を取り込むことで異物を包み込みあの美しい真珠を生み出すと聞いたことがあった。
ああそうなのか!
人もまた外部から与えられる心の傷を取り込み包み込むことで人として完結するのかもしれない。
自分と違う者、自分を否定するものを受け入れることは辛い。
しかし時には、排除するのではなく包み込むのだ。
私は、プライドが傷つくという若者が嫌いだ。
そんな小さなプライドなんかさっさと捨てちまえ!
もっと若者らしいひたむきさや一途な思いがあっても良いではないか。
人からどう思われるか?
そんな小賢しいことより馬鹿みたいに突っ走って傷ついたっていいじゃないか!
結果として毎日、毎日くよくよ思い悩んでもいいじゃないか。
これはかつて、失敗を恐れて石橋をたたいて叩き割って進まなかった私への怒りのメッセージである。
人は失うことがあれば、必ず新しい出会いに恵まれる。
知らず知らずのうちに面の皮が分厚くなって傷つくことが減った。
傷つくことも感性のひとつかもしれない。
58年間生きてきてそう思う。
時々あなたは、強い人ですね。
と言われることがある。
強いも弱いもない。
傷を少し早く癒す老獪さが身についただけである。
しいて言えばただ、自分の人生を引き受けようと決めただけである。
2021・2・17 一世