~ 恩師の「心行の解説」下巻より ~
講演 十九
「心行」の解説を私なりに、ここ二年半に亙ってさせてもらいました。
今日をもって「心行」の解説を終わらせていただきます。
いよいよ最終回でございます。
神仏の光明を得ることは、正法の生活の実践の中にあります。
正法の生活とは、調和された日々の生活ですね。
この生活実践の中に神仏の光明を頂くことができます。
迷いの岸である此岸から、迷いのない川の向こうの岸、
彼岸へ到達することを悟りの世界へ至るといっています。
向こう岸へ至るためには何も厳しい行をしたり
お経を唱えたり特定の修行をしなくても、
調和された正法の生活をすれば到達できるのです。
神仏の光明が与えられます。
正法の生活とはどういうことか、と追求させてもらいますと、
やはり、自分の心を波立たせないこと、
貪欲によって心を曇らせないこと、愚痴から離れることです。
愚痴によって正しいものを間違いと思う愚かな智慧から離れることです。
ぐちぐちと嫌なことをいうのが愚痴だと思いますが、ほんとうの意味は
「愚かな智慧」ということです。
この愚痴からから離れない限り「本物」を知ることができません。
間違ったものを間違っていると認識しない限り、
ほんとうの正しいものには巡り遭えないということです。