~ 恩師の「心行の解説」下巻より ~
講演 十七
「正しく定に入るべし」
正しく定に入るとは、自分の心をよく見つめて
「反省」をしたあと、一時の安らぎの時間を
持つことです。
今日は「反省」について学びたいと思います。
反省とは、自分が生まれてから今日までの間に
どれだけの過ちを犯してきたか、それは、思いの中で、
言葉の上で、
また行いの上でどうであったかと徹底的に自分を見詰め
自己反省をすることです。
幼い頃の反省に入りますと、必ずお母さんが出てきます。
もし友達と喧嘩して、友達に傷をつけたり
友達を泣かしたりした時、
お母さんはわんぱく坊主に代わってお詫びに行って
下さいます。
また何か悪いことをして見つかった場合や
他の物を盗んだ時には、
やはりお母さんが謝りに行って下さいます。
私が幼い頃を反省した時の話をもう一度今日させて
いただこうと思います。
私が小学校一年生の時ですから、
七歳ぐらいの頃のことです。
友達は百姓の子もあればサラリーマンの子もあり、
お店をしている家の子もいました。
そういう子供たちは全部遊んでいます。
私の場合は水呑百姓ですから学校から帰って
鞄を置くなり、
「今日はどこの畑へ来なさい」と言われて、
すぐ鎌か鍬を持って畑へ行くのです。
そして畑の側で遊んでいる友達を見ては、
「ああ僕もいっしょに遊びたいなあ、
羨ましいなあ」と、常に友達と自分を比べて、
皆は遊んでいるのにどうして僕だけ畑へ
行かなくてはいけないのかと、
自分の運命を思ったものでした。