浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「御垂訓」

2020-02-11 00:12:27 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

~ 恩師の「心行の解説」下巻より ~


                 講演 十七

「正しく定に入るべし」

先の続き・・・

行きたい、行きたいと思うのです。
ところが、そこへどうしても行けない。
稲束を渡す役目をしなかったら怒られますから、
その場から逃げることができないのです。

これと同じようにどうすることもできないことが
十代であれば十代においてあり、或いは二十代であれば二十代で、
同じように柵の中で涙を流しながら精一杯生きている己の姿を
この目に見せられました。

その時、あまりにも哀れな自分の姿を、
短い間に全部見せていただいたのです。
私はこんな可哀相な環境の中で柵にくくられた中で
必死になって生きている
己の姿を見て、思わず「可哀相だったなあ」と、
自分に対してもう涙がとめどなく流れてきて、
こういう厳しい中でよく生きてきたなあという思いが溢れてきました。

その時、私は思ったのです。
「反省みたいなもの、できてもできなくてもいい、
心に法灯みたいなもの、頂いても頂かなくてもいい、
そんなものは関係ない。
とにかく私自身を許してあげよう。
これほど精一杯生きた己自身に対して許しを与えよう。

己に優しく、
人に厳しくという生き方ならば法に背くけどそうではなかったのだ。
もう法も何もない、とにかく私は私自身を許すことだ」と思って、
自分を許そうと決めた時、心がふわっと軽くなったのです。
ほんとうに心がふわっと広くなり、光り輝いた己その時自覚しました。
自分を許した時、
どれほど自分が楽であるかということを悟らせていただいたのです。


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