
ミナミコメツキガニです。石垣でも西表でも干潟に大群をなして生息していました。
この子たちは干潟を生活の場としているので、潮が満ちている間は穴を掘って、その中で過ごします。
そのために水の底にある泥をせっせと掘るわけです。

掘り起こした泥は穴の外へとかき出されます。そうすることで、泥が耕され、酸素が混ざり、有機物でいっぱいの干潟の泥がヘドロ化するのを知らず知らずに防いでくれているのです。
それに、巣穴を掘る時だけでなく、餌を食べる時にも、泥を丸めていきます。

ミナミコメツキガニは泥を両手でもって、有機物をこしとって栄養を摂取します。食べるって表現より、摂取っていう方がぴったりな感じ。
その時に泥が球形に丸められるのです。
ガイドさんが、「裸足で歩いてみると気持ちいいよ」と教えてくれました。

なんだかシュワシュワとします。分かりますか?足跡以外、小さな泥の団子です。ちなみにモデルはHさんです。ご協力感謝。
干潟一面が泥団子で埋め尽くされていますが、ひとたび潮が満ちれば全て流されてしまいます。そして再び潮が引くと、カニたちは地表に現れ、泥団子を作ります。
果てしない作業です。
そして、この果てしない作業のおかげで干潟のバランスが保たれているのです。
もちろんミナミコメツキガニだけでなく、ジャコやエビの仲間など、干潟を掘り返す生き物たちはたくさんいます。
そして、それらを餌とする生き物。
これはミナミトビハゼの巣↓

口を使って器用に穴を掘ります。目が大きくて、魚のくせに干潟の泥の上を跳ねるように移動するため、現地では「とんとんみー」と呼ばれています。
絶妙のバランスを保ちながらつくられてきた生態系。それぞれの生き物たちは、本能に忠実に、そして貪欲に従っているだけにすぎないのに、いつの間にか、それぞれが支え合っているという不思議。
カニたちが耕した土壌に根を下ろすマングローブたち。マングローブとは、マレー語で潮間帯に生育する樹木の総称を表すmangi-mangi(マンギ・マンギ)に由来します。世界には100種類くらいのマングローブ植物があると言われています。
海水と淡水が入り混じり、しかも水に浸かったり、乾いたりする潮間帯。そんな厳しい場所に生えるために、マングローブ植物たちは様々な知恵をもっています。

例えば根っこ。
普通根は地下に伸びます。根は水を吸う器官ですが、空気も吸っています。マングローブ林の土壌は酸素も少なく、水中に潜ることもあるため、マングローブ植物たちは根を地上に出して生活しています。
まっすぐなやつとか、まがったやつとか…、種によって形状も様々。
オヒルギの気根は途中から曲がって膝を折ったような形になることから膝根と呼ばれますを

ちょうど曲がっている途中の根っこ↑
それから塩を体外に出す仕組み。
例えばヒルギダマシは、過剰に吸収した塩分を葉から排泄するための塩腺と呼ばれる器官を葉の裏側に持っています。


だから舐めると塩辛い。でも表側は特に塩辛くはありませんでした。
他にも1枚の葉に塩分を集め、塩がたまると落としてしまうものもあります。その葉っぱはキバウミニナという貝の好物らしいです。
基本的にマングローブ林は熱帯から亜熱帯の海水に浸る土地に成立するわけで、日本でマングローブが見られる地域はかぎられています。西表島には日本に生えるマングローブ9種のうち、7種が生えてると言われています。
オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキマヤプシキ、ニッパヤシ
これが日本最大のマングローブ林↓

干潟のカニたちが支えている広大な森です。
八重山と出会って7年、行く度に同じようなことを書いている気もしますが、時間がたつと忘れちゃうんですよね…^^;
ガイドさんにもいつも似たような質問をしてしまいます。そして、その度に少しずつですが理解が深まっていく気がします。
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