YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

カカオ豆からチョコレート(チョコのお話②)

2020-02-12 18:00:00 | 食べもの


カカオ(アオイ科)
原産地:熱帯アメリカ/花は周年(日本では8月)

前回のお話


カカオの苗木が収穫できるまでには3〜5年の月日がかかります。収穫された後も一つ一つ実を割り、種を取り出し、発酵、乾燥…。そうしてようやく日本に届いたカカオ豆。





これをローストして皮を取り除いたものは、カカオニブと呼ばれます。



皮をむいた分一回り小さくなったカカオニブ。




驚いたのはチョコレートっていうのは、このカカオニブを砕いて攪拌することでできちゃうんです。




火は使わないんです。

カカオ豆の40~50%は油脂でできているため、摩擦熱でこの油脂が溶け出し、ペースト状になります。

ただし、カカオニブのペーストは…





苦い。ただひたすらに苦いのです。

古来カカオはスイーツではなくエナジーフードだったそうですが、これを飲んでいたらしいということで納得です。




砂糖を混ぜて、初めてチョコレートになるのです。だから昔は高級品。

南米からヨーロッパに渡ったことで今のチョコレートが誕生。

南米ではモレソースなど、カカオを使った肉料理に合うソースや飲み物としての食文化が育ったようです。


攪拌すること10分。
油脂が溶け出したことでツヤもでてきました。

これを型に移し冷やします





そして出来上がったチョコレート♪





ちなみに通常食べている舌触りの良いチョコと違い、この手作りチョコは豆の粒が残っていてざらつく感じがありました。それをなくすためには、コンチングという「練り」の工程が必要らしいのですが、その手法を確立したのが、スイスチョコ老舗の創立者、リンツさんだそうです。

ここから先の工程はクッ○パッドなどお料理ページでどうぞ(笑)








ちなみに、カカオニブをすり潰し、ドロドロ溶けたものは「カカオリカー」、そしてそれを固めたものは「カカオマス」と呼ばれます。

そしてカカオリカーから分離された油分は「カカオバター」その残りが「ココアパウダー」。


ココアパタ@大船フラワーセンター

ココアは、この油分のないココアパウダーを溶かしたもの。そしてホットショコラ(ホットチョコレート)は油分のあるチョコレートを溶かしたもの。実はそんな違いがあったのです。




カカオ豆を焙煎する温度や時間、発酵のさせ方、そしてカカオそのものの品種によって、チョコレートの味はかなり変わってきます。



もちろん、カカオと砂糖の割合や他の添加物によっても味は千差万別。
コーヒーやワインのようにチョコレートの世界も奥が深い、深い…。

いずれにしても、自然との関わりの中で食文化が生まれたんだと思うと、改めて食の世界もおもしろいなぁと…。




もぜひご覧ください。



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カカオの木からカカオ豆(チョコの話①)

2020-02-12 07:00:00 | 食べもの


カカオ(アオイ科)
原産地:熱帯アメリカ/花は周年(日本では8月)


ただいま大船フラワーセンター温室にてカカオからチョコレートになるまでのプロセスが展示されています。(2020.2)



カカオは「神々の食べ物」という意味のテオ(神)ブロマ(食べ物)属。

直径3cmほどの花は、幹から直接咲く「幹生花」。1本の木に1万もの花を咲かせるんだとか。



もちろんすべてが実になるわけではなく、無事受粉できた花だけが実となります。さらに病気や虫などから回避できたものだけが、美しいカカオポッド(実)となるのです。




成熟したカカオポッドを割ると、中には白い綿状の果肉(カカオパルプ)に包まれた種子(カカオ豆)が確認できます。





この種子(カカオ豆)がお馴染みのチョコレートになります。




ちなみにカカオパルプは、ライチやリンゴのような香りと酸味があり、現地では食用されます。最近は日本でもチョコレート専門店などで飲むことができます。


機会があれば、是非お試しください。「これがカカオ?」という驚きの味です。

さて、チョコレート作りに話を戻すと、まずは成熟したカカオポッドから種子を取り出す作業。


2015年に参加したWSの展示写真より

カボチャのように硬い果皮を持つので、現地では一つ一つナタで割るようです。

続いて発酵の工程に入りますが、その際、基本的にカカオパルプは取り除かずに一緒に発酵させるとのこと、発酵させ乾燥させると、自然にとれるため、あえて取り除くという手間はかけないようです。





発酵の方法としては、バナナの葉が手に入る地域ではそれに包み、それが手に入らない地域では木箱に入れるのが一般的なんだとか。



2018年に参加したWSの展示写真より

藁に納豆菌がいるように、バナナの葉にもカカオを発酵させる菌がいるそう。

1週間ほどで発酵は完了。その際、カカオパルプが発酵した「カカオ酒」なるものができるらしく、これは現地に行かねば飲めないとのこと。いつか飲んでみたいものです。

乾燥は基本天日干し。再発酵しないよう水分が6%以下になるまでよく乾かします。
2015年に参加したWSの展示写真より

ここまでの作業は、基本的に原産地で行われます。そして、厳しい基準に合格したカカオ豆だけが、日本へと輸入されてきます。



この麻袋1杯でだいたい60kg

このカカオ豆からいよいよチョコレート作りに突入するわけです。



そちらのお話は、
でご覧ください。




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