YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

啓蟄

2020-03-04 19:36:00 | 二十四節気



啓蟄 3月5日頃〜

大地があたたまり。冬眠していた虫が穴から這い出す頃。成虫のまま冬越ししていた昆虫たちも活動が盛んになり始めます。

テントウムシは早くも産卵開始


柳の若芽が芽吹き。蕗の薹の花が咲く頃とも言われています。



もちろん地域によっては蕗の薹すら雪の下だったり…。

雨水の頃にはまだ開いていないヤナギの芽↓


啓蟄になってこれが開くと、なんとも言えない緑色に♪
春先に草が芽吹く様子を「草萌え」というそうでが、私はこのヤナギの芽が出ることを勝手に「ヤナギ萌え」って呼んでいます
(*´꒳`*)


啓蟄の頃になると海の様子も一気に春めいてきます。


こうして季節は休むことなく、刻々と移ろい回っているのです。

【七十二候のページ】
初候→蟄虫啓戸 
次候→桃始笑
末候→菜虫化蝶




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ハクモクレンの受粉システム

2020-03-04 07:00:00 | 樹木


ハクモクレン(モクレン科)
原産地:中国/3〜4月に開花

ハクモクレンの真っ白な花があちらこちらで見られます。モクレンの仲間は日当たりを好むそうで、森の中では日当たりの良い高い枝にだけ咲いていることも多いです。

コブシもそうですが、林の中に点々と灯るように咲く純白の花。いいですよね。
「春が来たー」って感じ。


ふと足元を見ると、ハクモクレンの花がまるまる一つ落ちていました。



まだ綺麗な花。なんで落ちてしまったのでしょう?

桜の花をスズメが落とすようにまさか鳥が…。いえいえこんなに大きな花ですからスズメには無理そうです。もしや、ヒヨドリとかカラス?とも思ったのですが、真偽のほどは分かりません。周りを探してみましが、落ちていたのはこれの他は茶色くなりかけた花びらばかり…

ともあれ、せっかくのチャンスなので中を観察してみることに。



立派なめしべとおしべです。ハクモクレンの仲間は虫媒花らしいのですが、なんの虫が花粉を運んでくれているのかについて書かれた文献が見つけられませんでした。まだ寒い時期に咲き始めるし、ハエの類でしょうか?



真ん中の緑の部分が雌しべの集合体。柱頭がいくつもあることがわかります。下側が雄しべ。雌蕊先熟らしく自家受粉はできないようです。

花の香りに誘われて潜り込んだ虫が出口を求めてバタバタするうちに花粉を身につけるパターンっぽいですよね。

で、見事受粉できた雌しべは実をつけます。



花は優雅なのに、実はなんだかエグいですね(^^;;

どうやら上の写真の個体は一部の雌しべしか受粉できなかったようです。しっかり熟すと果皮が割れて中から赤い実が出てきます。



やがて本体から飛び出した赤い実は糸状の粘着物質で果皮につながり、ぶらぶらと風に揺れて鳥たちにアピールして食べてもらいます。もちろん種を遠くに運んでもらうためです。

人生ギブアンドテイク。生き抜くためには協力し合い、同時に駆け引きし合うことが大切っていうことなんだと思います。

ハクモクレンの優雅な花からは想像できないシビアな駆け引き。自然の美しさと厳しさを知ること、これぞ自然観察なのかもしれません。



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