YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

ツクシだれの子スギナの子〜胞子を飛ばすシダ植物〜

2022-03-03 06:00:00 | 草花


3月になると土手や道端、畦道などにひょっこりと顔を出すツクシたち。よくよく見るとなんだか変わった形。ツクシは植物名ではなく、シダ植物であるスギナの胞子茎としての姿なのです。



スギナ(トクサ科)
原産地:北半球の暖温帯/3〜4月に胞子を出す

春先に胞子茎が地表に現れ、胞子を飛ばします。この胞子茎を「土筆(ツクシ)」と呼ぶのは、土から筆が生えているように見えるからとか、スギナにくっついて出てくるので「付く子」から命名されたと言われています。



というわけで、胞子で増えるツクシ(スギナ)は種子植物ではなくシダ植物です。

クローズアップして見ると




先端に並ぶ六角形の茶色いタイルのようなものは胞子嚢床。そこからでている白いひらひらは、胞子を飛ばした後の胞子嚢。

この塊全体を胞子嚢穂というようです。




で、緑色の粉が胞子です。まだ若いツクシを触ると手につくアレです。

1本のツクシは150〜200万の胞子を飛ばすんだとか…




土からかおをのぞかせたツクシはニョキニョキと背を伸ばし、そして、胞子を放出。



ここからは胞子を飛ばすと見られる右から2番目の子に協力してもらい、中の様子を見ることに




白い胞子嚢は、袋状になっていて、胞子嚢床の中に格納されていました。その袋の中にはもちろん胞子が入っています。

抹茶みたいですけどね(笑)

輪切りにしたもの。



胞子嚢が袋状ということがよくわかります(特に右側)。

たくさん胞子が出てきました


この胞子を顕微鏡で見てみると…



なんというか…
かわいい感じ♪

正確には1つの胞子から4本の弾糸が出ているらしいのですが、湿気があるとすぐに丸まってしまいます。  

つまり湿った日は胞子と胞子が絡み合って、胞子嚢から出ていくことを減らし、晴れてカラッとした日になると、それぞれが弾糸をを広げてバラバラになり飛んでいくという仕組み。

弾糸を広げることで空気抵抗も増し、より遠くはへ飛べるようになります。




賢いヤツめ…。

そうやって増えていくんだろうな…。



実際、花壇に生えられるとどんどん根を張り、胞子を飛ばし、それはそれは駆除するのが厄介です。

しかし、雑草として片付けてはもったいない効能もあるんだとか。調べてみるとスギナ茶やスギナチンキなんてものもあるらしいので、機会があれば試してみたいです。




最後に「つくしだれの子 すぎなの子」という昔母から聞いたこのフレーズについて。

どうやら歌の歌詞のようです。
わりと新しいものみたいで

曲名:つくし
作詞 /五十野惇、作曲 /早川史郎

1.つくしだれのこすぎなのこ
2.つくしはるですあそぼうよ

2番まであるのにやたらシンプル!
情報も少なくメロディーはわかりませんでしたが、日本音楽著作権協会に登録されていることは突き止めました。

作詞の五十野惇氏は、NHKの幼児番組制作を手掛けてこられたようで現在83歳。

季節や生き物をテーマにたくさんの童謡、子どもの歌を作ってこられたようです。

それにしても、シンプルはなのに(シンプルだから?)、心に残ります。

つくしだれのこすぎなのこ
つくしはるですあそぼうよ

自然への温かな眼差し…。
わたしもそんな風に自然観察を続けていきたいです。



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梅染め〜梅の小枝で草木染め〜

2022-03-02 06:00:00 | クラフト



梅の季節もそろそろ終盤。飾っていた花が散り始めたので、片付けようと枝を折ると、なんと樹皮の下は花と同じ赤!ひょっとすると草木染めに使えるのかと実験したところ、ピンクがかった茶色に染まりました。



こちらがこちらが梅の枝。ゴミ箱に入れるために切ったり、折ったりしていたら、この色にびっくり。

早速細かく切って、クラフト用の鍋に投入。



やりたい気持ちが先走り、洗いもせずに煮始めてしまったのですが、ちゃんと洗って汚れを落とす方が良かったのかな?

緑の枝も入れ、1時間ほど煮詰めてみました。出てきた色は赤みがかった茶色?



桜染めを調べた時に、最初の液には黄色や茶色などが出やすいとあったので、残った枝でもう一度。



けっこう赤みがあって期待が膨らみます。

が、こちらも同じような色合い。



あくのようなものも出てきましたが、特に処理せず(^^;;

2日かけてこれを4回繰り返し、こうなりました。



色が変わったというより、明らかに色素が減ってきている感じ。

桜染めについて調べた時に、空気と混ぜると赤みが増すとあったので、ふってみたらものすごく泡立ち、泡が消えなくなりました(^^;;

サポニンが含まれているのかと調べてみましたが、特にそういう情報は見つからず、泡の正体は不明。

半年くらい煮炊きを繰り返し、熟成する赤みが増すとの情報もありますが、目の前にあるものを早く試したい!!

後ろからライトを当ててみたところ2番液が一番赤みが強かったので、これを使ってストールを染めることに。



ストールはこちらの格安品を使用



染液が少なかったので水で薄めて火にかけました。15分くらい煮たものがこちら。



おお〜。美しいピンク???

みょうばんでアルカリ媒染したところ、オレンジがかった茶色に落ち着きました。



こうなるともっと濃く染めたくなり、結局1番液から4番液まで全て使い(分けた意味なしw)、染めと媒染を繰り返しました。



完全な茶色ではなく、オレンジといえばオレンジ。ピンクといえばピンクがかっているような…。

この微妙な色合いが草木染めらしくていいのかな?



ストール自体がシルクと綿の混紡のため、染まり具合が違うのもいい感じなのかなと思います。面倒だったので精錬作業を省いたため、綿の部分は染まりが悪い(^^;;

光の加減で、写真ではリアルな色が伝わりにくいのが残念。

それにしても切り花を楽しんだ後に、さらに染め物を楽しめるなんて、お得な体験でした!!




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桃の節句〜雛祭り〜

2022-03-01 06:00:00 | 歳時記


3月になりました。
黒色のコートは少し重たく感じられ、春用のコートに衣替え。まだまだ寒い日もあるでしょうが、春の訪れに気持ちも明るくなります。さてさて、明後日は桃の節句。季節の節目です。



桃の節句(雛祭り)

節句(せっく)は、古代中国に伝わる陰陽五行説に由来する季節の節目。

人日(じんじつ)ー七草
上巳(じょうし)ー桃の節句
端午(たんご)ー端午の節句
七夕(しちせき)ー七夕(たなばた)
重陽(ちょうよう)ー菊の節句

日本では桃の節句ともひな祭りとも呼ばれ、女の子の健やかな成長を祝う年中行事となっています。



本来、節句とは邪気の入りやすい季節の変わり目の厄払いという意味があります。

上巳の節句では、川で身を清めたということですが、日本では紙で作った人形(ひとがた)に穢れをうつして川に流すようになったそうです。この習慣が「流し雛」のルーツとされています。




雛人形が飾られるようになったのは室町時代とも江戸時代とも…。

そして、江戸時代にはひな人形が手に入らない一部の農村地域で、ちりめんで作る「吊るしび雛」を飾る風習も生まれました。

ひな祭りには、ひし餅やひなあられを飾り、ちらし寿司にハマグリのお吸い物なんかを食べたりします。



ハマグリは旬の食材。5月くらいから始まる産卵に向け、この季節は栄養をたっぷりと蓄えているそうです。



さて、ひな祭りは「桃の節句」ということですが、本来モモの花が咲くのは4月上旬です。

梅、桃、桜というように、梅と桜の間に咲くのが桃!!


もともとひな祭りは旧暦の行事だったのですが、日付だけが残ってしまったために季節にズレが生じたようです。

さてさて我が家のひな祭り



年々簡素化(^^;;

そして、子どもの頃に歌ったひな祭りの歌を懐かしく口ずさんでみたり…
4番の歌詞が好きなんですよね

「着物をきがえて 帯しめて
今日はわたしも はれ姿
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひな祭り 」




「春のやよいの このよき日」ってところ、なんだかいいと思いませんか?





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