自国(フィンランド)で初めて世界タイトルをかけて戦うプロボクサー、恋するオリマキさん。
実在する方だそうです。
↑ポスターの構図も面白いよね、主人公が背中向けてる。
ボクシングと恋愛の話と言えば、エイドリア~~ン!! ロッキーをを思い出すけど、
あちらが「イタリアの種馬」ならば、こちらは「パンやの息子」、、漂うほのぼの感。
劇中、盛り上がる音楽など一切登場しません、静かな映画でした。
いや、でもオリマキさんは人生の一大事を乗り切った。
世界タイトル戦の場に立つまでは激しい練習を積んだはずだし、勝ち抜いたんだし、
試合前の辛い辛い減量をクリアし、
全国民の注目の中試合をし、
何より最愛の彼女にプロポーズをして将来を誓ったんですから!
(そのプロポーズも、いいの?って言いたくなるくらい淡々としてましたけど)
だけど、きっと感情が外に出ないタイプなのね、うん。
ド緊張の世界タイトル戦なのに、会場で歩きながらハンバーガーを食べる彼女に思わずおいおいっ!って突っ込みましたわ。
あんたたち、似たもの夫婦できっと幸せになるよって思ったもんね。
並ぶと彼女のほうがちょっとだけ背が高くてボリュームもあって、それもまたお似合いです。
アマチュアスポーツの祭典だったはずのオリンピックでさえ興行化商業化している昨今、
プロボクシングとはいえ、ただボクシングがしたい彼の姿勢は間違いではないはずだし、
自分にとって何が一番の幸せかをちゃんと知ってるオリマキさんは素敵ね。
飄々とした、とても愛らしい作品でした。
第69回カンヌ映画祭「ある視点」部門グランプリ作品、同年に「淵に立つ」も受賞したけど、
ある視点という受賞基準が面白くていいなぁ、「淵に立つ」も独特な作品で面白かったですよ →→→ 淵に立つ
オリ・マキの人生で最も幸せな日(原題:Hymyileva mies) 2016年 ☆☆☆☆
監督:ユホ・クオスマネン
出演:ヤルッコ・ラフティ、オーナ・アイロラ、エーロ・ミロノフ
1962年夏、フィンランドのヘルシンキ。パン屋の息子でボクサーのオリ・マキ(ヤルッコ・ラフティ)は、世界タイトル戦でアメリカ人のチャンピオンと戦うことになる。試合に向けて準備を進め、減量に取り組む彼に国中の期待が集まる中、オリはライヤ(オーナ・アイロラ)という女性に恋をする。