きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

マリッジ・ストーリー

2020年01月31日 | アメリカ・イギリス



マリッジストーリー
結婚の物語なのに、息子の親権を争いながら離婚に向かう夫婦の物語だった。
そうなんだけど観終わって思ったのは、やっぱり結婚の話でした。

ものすごい会話劇、誰かと誰かがずっと会話してた。

愛情が完全に消えたわけでもなく、息子を愛しているし、責任も果たしたいと思ってる。
お互いにやりたい仕事を持ち、円満に離婚したいと思っているのに、弁護士を立てて話し合っているうちに望まない方向に進んでいってしまう。

このままでは違うと感じた二人は、話し合って解決しようとするんだけど、
でも結果として主張はすれ違いで口論になってしまう。
10分くらいの長回しのシーンは迫力があって秀逸でした
ちょっと泣けた。
言っちゃいけないことまで言っちゃった、でも吐き出すことも必要だったんだと思う。
主役のお二人の演技が素晴らしかったです。

キャラクタの描き方が細かくて面白かった。
たぶん最初の場面のお互いの良いところは実際にその通りで、夫は几帳面で現実主義、妻は直感的で感覚的な人なんだろう。

ランチのメニューを決めかねるチャーリーにニコールが選んであげたり、
伸びた髪を切ってあげたり、
10年の年月で積み重ねてきた夫婦のあうんの何かが残ってるところが微笑ましくてね、
離婚に向かう夫婦の話だけど、どこか軽妙でユーモアがあるところがいいなぁって思った。
憎んでるわけじゃないもんね、お互い認め合ってもいる。

ニコールのほうが進みたい先が明確で離婚に向けて決心がついてて、
チャーリーができることなら元に戻りたいという、よく聞くようなパターンですね。
それぞれの場面で歌を歌うシーンが対照的で面白かった。

会って2秒で恋に落ちた

ラストにこれを持ってくるところがおしゃれ。
恋愛して結婚して子供をなすことは幸せなことなんだもん。
結果が離婚であろうとも、そこには幸せなマリッジストーリは確かにあるんだよな。




マリッジ・ストーリー  2019年  ☆☆☆☆☆
監督:ノア・バームバック
出演:スカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライヴァー、ローラ・ダーン

女優のニコール(スカーレット・ヨハンソン)と監督兼脚本家のチャーリー(アダム・ドライヴァー)は、かわいい息子がいる仲のいい家庭を築いていたが、夫婦の関係は少しずつ悪化していき、離婚を決める。円満な協議離婚を望んでいたが、ため込んできた相手への怒りを爆発させ、負けず嫌いの二人は離婚弁護士を雇って争う。

ソン・ガンホ

2020年01月19日 | 俳優
ブローカー  2021年
非常宣言  2020年
わが国の語音  2019年
パラサイト 半地下の家族  2019年  ☆☆☆☆☆
麻薬王  2018年
タクシー運転手 約束は海を越えて  2017年 
密偵  2016年
王の運命 -歴史を変えた八日間- The Throne  2015年
弁護人  2013年  ☆☆☆☆
観相師 -かんそうし-  2013年  ☆☆☆☆☆
スノーピアサー Snowpiercer 2013年
凍える牙 2012年
青い塩  2011年
義兄弟 SECRET REUNION  2010年
渇き  2009年  ☆☆☆☆
グッド・バッド・ウィアード 2008年
シークレット・サンシャイン  2007年  ☆☆☆☆☆
優雅な世界  2007年
グエムル-漢江の怪物 2006年  ☆☆☆☆☆
親切なクムジャさん  2005年  ☆☆☆☆
南極日誌  2005年
大統領の理髪師  2004年  ☆☆☆☆☆
殺人の追憶  2003年  ☆☆☆☆☆
爆裂野球団! YMCA  2002年
復讐者に憐れみを  2001年  ☆☆☆☆
JSA  2000年  ☆☆☆☆☆
反則王  1999年
シュリ  1999年
クワイエット・ファミリー  1998年
ナンバー・スリー 1997年
バッドムービー 1997年
グリーン・フィッシュ 1997年  ☆☆☆☆
豚が井戸に落ちた日  1996年


ポン・ジュノ 監督

2020年01月18日 | 監督
ポン・ジュノ(1969年9月14日生)


☆作品

パラサイト 半地下の家族  2019年  ☆☆☆☆☆
オクジャ  2017年
海にかかる霧(制作)  2015年  ☆☆☆☆☆
スノーピアサー 2014年
3.11 A Sense of Home Films  2012年
母なる証明  2009年  ☆☆☆☆☆
TOKYO!  2008年
グエムル 漢江の怪物  2006年  ☆☆☆☆☆
南極日誌(脚本)  2005年
三人三色  2004年
殺人の追憶  2004年  ☆☆☆☆☆
ほえる犬は噛まない  2003年  ☆☆☆☆☆


わたしは、ダニエル・ブレイク

2020年01月18日 | アメリカ・イギリス



ケン・ローチ監督作品、続いて拝見しました、2016年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品。

「家族を想うとき」は主人公がまだ若く、家族もいるので辛くても希望を感じられたけど、
今回は奥さんに先立たれた独り身の初老の男性(同年代なんですよねぇ)で、心臓が悪くて働けない状況で国からの支援も打ち切られる、さらに辛かった。

引退を表明していたケンローチ監督が弱者が切り捨てられる現状に怒って今作を作ったということが十分理解できる。

心臓病でドクターストップがかかったダニエルは決して福祉に頼って生きようとしているのではない。40年大工として働き、税金もきちんと納めてきた。
そんな彼がここまで苦しい立場になる福祉政策ってなんだろうと、怒りがこみ上げる、
他人事ではないですからね。
理不尽な役所のやり方に、途中でわーーって叫びたい気持ちになりました。
もうすぐ年金生活者になろとしている我が身としては、そこが切り捨てられたら生きていけないもんなぁ。

閉塞感半端ないなか、彼がとった行動にはちょっとカタルシス感じました。
まあでも、結果として何も良くなることはないんだけど。

ラストもね、あぁそうならないで欲しいって思った通りに終わったなぁ、、
すごくストレートな、伝いたいことを伝えるという作品でした。

でも、ただ辛いだけで終わらなかったのは、ダニエルが正しく真っ当な人で、幼い子供を必死で育てるケイティに救いの手を差し伸べる優しい人だから。
ほんと、こういう人が普通に幸せに暮らせないなんて許せない。

ちなみに、寝室税とはなにかと思ったら、援助を受けている場合のみだそうですが、カップルに一部屋以上の寝室がある場合は残りの部屋に税金が課せられるだそうな。




わたしは、ダニエル・ブレイク(原作:I, DANIEL BLAKE )  2016年  ☆☆☆☆☆ 
監督:ケン・ローチ
出演:デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ

59歳のダニエル(デイヴ・ジョーンズ)は、イギリス・ニューカッスルで大工の仕事に就いていたが、心臓の病でドクターストップがかかる。失職した彼は国の援助の手続きを進めようとするが、あまりにもややこしい制度を前に途方に暮れる。そんな中、ダニエルは二人の子供を持つシングルマザーのケイティと出会う。

家族を想うとき

2020年01月12日 | アメリカ・イギリス


新年初回に観るにしてはちょっと重い映画でしたけど、いい映画でした。

10年前に起きた金融危機で、それまで払っていた住宅ローンが無になり借家住まいが続いている一家。
お父さんはいろんな仕事をしながら一家を支えてきた、どこにでもいる我が家となんら変わらない普通の家庭なんですよね。
マイホームを持とうと一生懸命に働いているだけなのに、ぎりぎりの生活から抜け出せないどころか、どんどん身動きが取れなくなってくる毎日。
あぁ、こんなに生きるのってしんどいの?
働き者のお父さんと、介護ヘルパーとして働く優しいお母さんと、息子と娘がいて、なんでこんなにギューギューと苦しくなるの?

ひたすらそういう映画です。

お父さんは新規一転、フランチャイズの権利を買い、宅配ドライバー業を始めるんだけど、
個人事業です、あなたの頑張りで仕事も大きく展開できます、という契約だったのに、
実際はノルマに縛られ、搾取され、休むこともできずに、家族がバラバラになってく。

親がぎりぎりでいると子供も影響されるんですよね。
なんかもう、そこが身につまされて辛くて堪らなかった。
父親は好きだけど、人生のロールモデルとしてそういうあんなふうになりたくないって思うのは、そんなこと言われる親も辛いけど、子供だってさらに辛い。
でもさ、お母さんがひたすら優しい人で、あんな優しいお母さんを悲しませたりしたくないよね、ほんと。

ケンローチ監督、御年83才、お名前は聞いたことあったけど初見です。
労働者階級や移民や、弱い立場の方たちの暮らしを一貫して描いてきた監督さんだそうです。

原題は「Sorry we missed you」
宅配の不在票に書かれた「お届けにうかがいましたがご不在でした」という慣用句的な表現だそうです。
と、同時に「あなた方を見逃していてごめんなさい」という意味もあって、
必死に生きている市井の人々を見逃してはいけないということなのかな。

素敵なタイトルだけど、そのまま邦題に使いにくかったんでしょうね。

あなたたち、家族そろって天中殺なの?ってくらいに悲惨なことばかりが起きるんですけど、
でも根底にあるのが家族を愛していることで、子供たちを愛している両親がいるので
重いけど、でもあったかい気持ちで観てました。

最後も行く先を明確に示してはくれてないけれど、
そうやって家族で助け合っていけば、きっと将来はいいことがあるはず!!!
、、と信じたいラストでした。

ケンローチ監督の「わたしはダニエル・ブレイク」「麦の穂をゆらす風」 是非是非観たいと思います。




家族を想うとき(原題:Sorry we missed you)  2019年  ☆☆☆☆☆
監督:ケン・ローチ
出演:クリス・ヒッチェン、デビー・ハニーウッド、リス・ストーン、ケイティ・プロクター

マイホームを持ちたいと考えている父のリッキーは、フランチャイズの宅配ドライバーとして独立する。母のアビーは、介護士として働いていた。夫婦は家族の幸せのために働く一方で子供たちと一緒に居る時間は少なくなり、高校生のセブと小学生のライザ・ジェーンはさみしさを募らせていた。ある日、リッキーが事件に巻き込まれる。