きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

ファーザー

2022年02月12日 | アメリカ・イギリス

 

ネタバレしないようにしていたけれど、なんとなくの内容はわかっちゃってたからなぁ。
未知の状態で観たならば、これはかなり驚いたと思う。

痴呆が始まった高齢のひとり暮らしの父を心配する娘の話。
物語の入り口としては他人事ではない、いつか我が身に起こるかもしれない話なんだけど、娘が突然が違う人として現れたところから、何が起きたのかと私も一緒に混乱しました。

知らない人が自分の家にいる。怖いよね、いったい何が起きているんだと混乱する。アンソニーは心細かったろうな。
演出はホラーサスペンス風になっていて、何が現実なのか何が虚像なのか判断できない恐怖さえある日常。
痴呆症になっていくアンソニーの視点で描かれていて、まるで追体験するようだった。

フラットと呼ばれる自宅。広々とした間取りで素敵なお家よね。家具も調度品もどっしりと風格があって、彼のこれまでの暮らしを想像する。
ひとりで暮らすには広い家だなぁっていう最初の印象だったけれど、間取りやキッチンのカタチが同じようでいて少しずつ変化していることに気付く(ホラーだよね)
奇妙だけど、そこからくる情報が多くて否応なしに集中しました。

エンジニアとして生きてきたアンソニーの人生や、若くして亡くなった妹や、アンと父との関係性。そこに思いを馳せる奥深さがあって、誰にでも訪れる人生の終焉について考えてしまう奥深い作品でした。

介護される身となったとしても幼い子供のように扱われることは嫌だと常々感じていたので、インテリを自負しているアンソニーの反発には納得したけれど、そんな彼が最後に母を求めて子供のように泣く姿は心が痛くて辛かった。ママに迎えに来て欲しいと、、
木々の緑を観ながら我がことのように胸が締め付けられました。
アンソニー・ホプキンスの名演技でした。
オリヴィア・コールマンも素晴らしかった。

 

 

ファーザー  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:フローリアン・ゼレール
出演:アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン

ロンドンで独りで暮らす81歳のアンソニー(アンソニー・ホプキンス)は、少しずつ記憶が曖昧になってきていたが、娘のアン(オリヴィア・コールマン)が頼んだ介護人を断る。そんな折、アンが新しい恋人とパリで暮らすと言い出して彼はぼう然とする。だがさらに、アンと結婚して10年になるという見知らぬ男がアンソニーの自宅に突然現れたことで、彼の混乱は深まる。

 

No.4


アイアンマン

2021年08月25日 | アメリカ・イギリス

 

ずっと気になってたマーベルに、足を踏み入れようと急に思い立ちまして、、ここにきてマーベル入門です。
全作を網羅できるか、のんびり行くことにして、まずは一作品目。

被弾した爆弾の欠片を電磁波で心臓に向かわない様子する装置が、胸で3分間ピコピコするウルトラマンを連想しちゃう、
子供の頃にみた怪獣と闘うヒーローを応援する懐かしいわくわく感あるよね。

軍需産業の経営者である主人公が自ら開発した兵器の悪用をくい止めるために立ち向かうというテーマ性もあるけれど、
シンプルにエンターテイメントとして楽しいんですよね。
(アメリカが撤退した18年後の今の現実のアフガンの状況を鑑みると複雑な気持ちにはなるけれども)

ここからたくさんのヒーローが登場してアベンジャーズになるんでしょ(あってます?)
楽しもうと思います。

 

 

アイアンマン  2008年 
監督:ジョン・ファヴロー
出演:ロバート・ダウニー・Jr、ジェフ・ブリッジス、テレンス・ハワード、グウィネス・パルトロー

億万長者で発明家の軍需産業会社社長トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、視察に訪れた軍のキャンプでテロリストの奇襲に遭い、胸を負傷してしまう。やがて自分の会社の兵器がテロリストに悪用されている衝撃の事実を知ったトニーは、自ら戦闘用のスーツを作り、“アイアンマン”となってテロリストに闘いを挑む。

 

24本目


ノマドランド

2021年04月03日 | アメリカ・イギリス

 

同年代なので、我が事のように受け止めながら没入しました。
自分はできるのかと。
そもそも絶対無理だということは承知の上で想像はしてみる。
身体は若い頃のように動かないし、いつ病気になってうごけなくなるかわからない、漂流する高齢労働者たち、というフレーズが重い。

アメリカでノマドがサブカルチャーとして存在し、車上生活を選択する人も増えているらしいけれど、今作は高齢労働者なんですよね、60代以上。
年金が少なすぎて家賃や住宅ローンが払えずに車上生活を選ぶ人が多いらしい。

企業倒産で暮らしていた街ごと消失し(郵便番号がなくなる)、夫を亡くし車上生活を選択した。ファーンも家があり、そこで暮らせるのならば旅にはでなかったはず。
ノマド初心者だったファーンが、クリスマスの時期はアマゾン配送センターで、夏は広大な国立公園での清掃、レストランでの調理、季節労働者として暮らしながらノマドの人たちと出会って変化していく。

正直なところ、車上生活を選択するしかない、ホームレスに近いイメージを持って観始めたんだけど、観ているうちに違うことを知らされた。
そもそも根本から違った。
どう生きるかという話であって、貧困や格差を描いた話ではなかった。

一緒に暮らそうと願う家族(妹)や友人はいるんですよね、最初は夫を亡くして天涯孤独な人だと思って辛かったんだけど、頼れる人がいないわけではない。でも彼女はノマドの暮らしを選択した。
思い出に囚われ、モノに囚われた人生から自由になる道を選んだ。

登場するノマドの人たちは実際の車上生活者だそうです。
自分語りをする場面があったので、もしやと思ったけれど上手に演じていて驚きです。

雄大な風景のなかを道を移動しながら生きていく。
すべて自己責任でひとりで生きていく。
しがらみに縛られず自由に誇りをもって生きることに感銘を受けつつ、
同時にリスクを抱えたノマドの暮らしを選択せざるえない人の現状も描いているところが稀有な作品だなと思ったのでした。

 

 

ノマドランド  2021年   ☆☆☆☆☆
監督:クロエ・ジャオ
出演:フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン、リンダ・メイ、ボブ・ウェルズ
原作:ノマド 漂流する高齢労働者たち

アメリカ・ネバダ州に暮らす60代の女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)は、リーマンショックによる企業の倒産で住み慣れた家を失ってしまう。彼女はキャンピングカーに荷物を積み込み、車上生活をしながら過酷な季節労働の現場を渡り歩くことを余儀なくされる。現代の「ノマド(遊牧民)」として一日一日を必死に乗り越え、その過程で出会うノマドたちと苦楽を共にし、ファーンは広大な西部をさすらう。


ミナリ

2021年03月20日 | アメリカ・イギリス
韓国映画は面白い、主演3人の代表的な過去作を振り返ってそれだけでも楽しい。

『ハウスメイド』のユン・ヨジョン
強烈でキレキレな作品、ユン・ヨジョンさんの「家政婦は見た」版、好きですよ私は。    
『海にかかる霧』のハン・イェリ
ずっしり重い作品でハン・イェリちゃん可愛かった。
『バーニング 劇場版』のスティーブン・ユァン 
何気に今作とリンクして終盤ちょっと驚きました。



アカデミー賞最有力という最強なパワーワードを眺めつつ、数々の韓国映画作品の先にこういう事象(評価)に辿り着いたんだなぁなどと、勝手にいろいろ思ったりしております(超個人的感想)
でも、これは韓国映画ではない、アメリカ映画なんですよ、ややこしい。

ミナリ(芹)は韓国でよく食べられる食材で、田んぼの畔で逞しく生息する植物。
移住した先で逞しく根を張って生きた家族の話、移民した一家の話。

家族の話であり、移民の話でもあり、宗教の話でもあり、ラストはダウンジングで水脈を探す場面で終わったってことは、いろんなことを受け入れてその土地で生きていこうと決めたんだ、という話なんですよね、きっと。
実感として受け入れられない部分も感じつつだけど、総じて面白い作品でありました。

リー・アイザック・チョン監督の自伝的物語で、息子のデビッドが監督ということなんだよね。
一番の見どころはおばあちゃんの存在ですよね、おばあちゃんが登場したことで物語が俄然面白くなってくる。
クッキーも焼けない韓国の匂いのする花札をするおばあちゃんを嫌がっていたのだけれど、体の弱い自分を「ストロングボーイ」だと励ましてくれるおばあちゃんと心を通わせていく。
理屈じゃないんだよね、おばあちゃんと暮らすことで自身のアイデンティティを見つけるような話だった。
ユン・ヨジョンさんが素晴らしくて、「すべてのおばあちゃんに捧ぐ」で納得だなぁって、思ったのでした。

日々の暮らしを丁寧描いた作品。夫婦のぶつかり合いがリアルで喧嘩ばかりしてたけど、大きな災難に対しては家族は一致団結して乗り越えていくんだよね。




ミナリ(原題:미나리)  2021年
監督:リー・アイザック・チョン
出演:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、ユン・ヨジョン

1980年代、農業で成功したいと意気込む韓国系移民のジェイコブ(スティーヴン・ユァン)は、アメリカ・アーカンソー州に家族と共に移住。広大な荒地とおんぼろのトレーラーハウスを見た妻は、夫の無謀な冒険に危うさを感じる。一方、しっかり者の長女アンと好奇心豊かな弟デビッドは新天地に希望を見いだし、デビッドは口の悪い破天荒な祖母とも風変わりな絆を育む。しかし、干ばつなどのために窮地に立たされた一家をさらなる試練が襲う。

ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから

2021年02月24日 | アメリカ・イギリス

Netflixオリジナル映画
評判が良かったので観たけれど、配信じゃないと出会えなかったかもしれない
とても良い作品でした

 

「話はまだ半分だけ、面白いのはこれから」

不思議なタイトルだなぁって思うけど、観終わったら、人生はまさにこれから!って超納得の青春映画。

LGBTQとかアジア人差別とかテーマとしてはあるんだけど、そこがメインじゃないんですよね。
ポールはアスターが好きで、途中からエリーにも好意を感じて、エリーは同性のアスターが好きで、、お互いが好きという三角関係。

恋愛ものではない。
望みが叶う話でもない。
まさにその通り。

冒頭に、哲学者・プラトンの「片割れ」(ハーフ・オブ・イット)についての引用があって、
人間の身体はゼウスによって二つに分けられたため一人では不完全であり、自ら片割れ(愛)を探し求めているのだと、、

ほぉ、ロマンティック☆
でも本当に運命の片割れと結ばれた人って何パーセントいるのかしらんなどと、おばちゃんとしては正直に思ったんだけど
やっぱりそういう話じゃないのよね。

彼女たちが見つけたのは、自分の片割れや愛じゃないのよ。
何かに縛られるのではなく、本当の自分を知ること。
だから本当にラストが爽やかだった。

ポールがいい奴なんすよ。
博士号を持ってるけど英語ができなくて孤立しているお父さんと、会話が成り立たなくても料理を通して仲良くなるところ、好きだったな。
からかわれたエリーを守ってくれる。運動はできるけど口下手で、文科系じゃないけど、好きな人と会話したくて、彼女の読む本を必死に読んで理解しようとする。

ラストの場面が無茶無茶良かった。
まさかそのシーンを再現してくれるなんてね、、、余韻がとてもいいです。

余談ですけど、ヤクルト飲むのね(笑)

 

⇒⇒ 「ハーフ・オブ・イット」に登場する本と映画

 

 

ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから(原作:THE HALF OF IT)  2020年
監督:アリス・ウー
出演:リーア・ルイ、ダニエル・ディーマー、アレクシス・レミール

アメリカの小さな田舎町。シャイで内気な中国系の女子高生エリー・チュウの高校最後の年。成績優秀な彼女は、同級生の多くからレポートの代筆を有料で引き受けていた。ある日、彼女はアメリカン・フットボール部のポールからラブレターの代筆を依頼される。だが、その手紙の相手は彼女が密かに思いを寄せている美少女アスターだった。エリーが自分の気持ちを込めてラブレターを書き、さらにメールで援護射撃したことで、ポールはアスターと急接近していくが、エリーの心は複雑だった


ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

2021年02月20日 | アメリカ・イギリス

Booksmart -本を読み知識はあるが世間知らずな様-



はい、完全アップデートされた青春映画と認知したうえで観ました。
高校を卒業するエイミーとモリーの卒業式前夜の物語。

いわゆる1軍・2軍・3軍のような学校生活で語られるヒエラルキーってなんなん、、ってばかばかしくなるくらいに自由で、それぞれが自己肯定して生きていこうよって世界。
いじめなんて、、ちょっと何言ってるのかわからない、、って感じよね。
トイレも男女で分かれてないのよ、もちろん人種も年齢もいろいろで、見た目や体形で判断はしない、金持ちだからってちやほやされない、LGBTQはそもそも問題にしない。

環境のリベラルさが素晴らしいですよ。
わかっているんだけど、改めてうん、なるほど、という気持ちになったのでした。

なんてお堅い話じゃなくて、みんなちょっと変で、下ネタ満載で、テンポいいし、ドタバタコメディ映画。

勉強ばかりしてきた二人は卒業パーティの会場を知らず(そもそも誘われてないからね)、迷いながらも苦労してたどり着くんだけど、そこだけでも珍道中。
やっと参加したパーティではそれぞれの好きな人と近づこうと頑張るけど、、、、
ちょっとね、圧倒され気味な感じで観ましたけれど、面白かった。

幻覚症状でバービー人形になったかのような時の感想が、女性に向けられる差別的な視線を面白おかしく表現してて笑っちゃいました。

エイミーとモリーのバディものでもあるのよね。
高校時代の友達って大事よね、ラストの明るい二人の関係性がとてもキュートなのでした。

悪い人が一人もいないってのが楽しい。
トリプルAって言われてるあだ名の意味、わかんなくて調べちゃった(笑)



ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(原題:BOOKSMART)  2019年 
監督:オリヴィア・ワイルド
出演:ケイトリン・デヴァー、ビーニー・フェルドスタイン

親友同士で成績優秀な女子高生エイミー(ケイトリン・デヴァー)とモリー(ビーニー・フェルドスタイン)は、卒業式前日、遊び放題だったクラスメートがレベルの高い進路を決めていることを知って衝撃を受ける。二人は勉強一筋で青春を犠牲にしてきたことを後悔し、残り少ない学園生活を謳歌すべく卒業パーティーに繰り出すことを決意。そんな二人の波乱の一夜が幕を開ける。

きみに読む物語 

2021年01月23日 | アメリカ・イギリス



裕福な家の娘と、貧しい青年の恋愛物語。
どストレートな純愛ものが観たい、そんな気分にぴったりでした。
冒頭の、夕焼けにそまった真っ赤な風景をゆっくりボートが進んでいくシーン好きです。
そこからすっかり物語に没頭しちゃいました。

時代は1940年、材木置場で働く貧しい青年ノアは17歳のアリーに一目惚れ、
「運命の恋」とか「身分違い」とか、懐かしささえ感じる言葉が浮かんできます。
そして、アリーの両親は二人の仲を認めず、遠く離れ離れに、、ノアが1年間毎日出した手紙も届かず音信不通に、
今ならSNSであっさり連絡とれちゃいますからねぇ。

道端で寝っ転がって信号機を見上げたり、ボートで雨にびしょぬれになりながら大笑いする二人の姿に、
好きな人といて幸せってこういうことだよなぁって、惹かれあうってこういうことだよなぁって素直に思ったし、
そうやって思える自分で良かった(なにそれ、笑)

命がけでひとりの女性を愛した。
出会った瞬間から迷いなく、音信不通になっても彼女と約束した家を建てることに没頭して、
そして人生をまさに終える瞬間まで彼女のことだけを考えて生きた人生。
こんなことある?
いや、あるんですよ!
だからこの物語は美しいんです。

ゴズリングさんが一躍有名になった作品。
決して二枚目俳優ではないんだけど、彼の美しさが際立ってましたね。
アリーもとても魅力的な女性で、一途に愛してもらえる女性なんだと思わせる可愛らしさと素直さがあった。

現実的な話、純愛ということではなく、
あんな風に終わりを迎えられたらいいかもです。



きみに読む物語(原題:THE NOTEBOOK)  2004年 
監督:ニック・カサヴェテス
出演:ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジーナ・ローランズ、ジェームズ・ガーナー、ジョーン・アレン

家族とひと夏を過ごすためにノース・カロライナにやって来た良家の子女アリー(レイチェル・マクアダムス)は、地元の青年ノア(ライアン・ゴズリング)から熱烈なアプローチを受け、やがて愛し合うようになる。

TENET テネット

2020年11月10日 | アメリカ・イギリス



もうちょっと前に観たんだけど、感想がまとまらないわけで←

難解だけど面白い、、という評判に行こうかどうしようかしばらく迷って、
とりあえず今こういう大きなスケールの作品が上映されているということに敬意を払おうと(大げさー)思い、
エントロピーの法則とはなにかを調べてから観てまいりました。

しょっぱなから置いてかれてる感半端ない。
そもそもクリストファー・ノーラン監督は観客にわかりやすく理解させるつもりはないらしい、というのを知ったうえで参戦したので、わからなくてもストレスゼロ(笑)

次第に世界観に慣れてきて、
あ、さっきのひっくり返った車のなかに実は主人公がいたんだ、、とか
あそこで主人公どうしが絡み合ってたんだ、、とか
うっすらとわかってきて、難解だけどなんか面白い、っていう前評判通りの状態に無事落ち着きました。

でももうちょっと人の感情の機微みたいなものをしっかり感じられたら、さらに面白かったかもしれないと思ったり。

過去に戻ったり先に進むタイムトラベルの話はよくあるけれど、これは逆行するんだよね。
ということは1年前からやってきた人は1年間逆行し続けるわけ??なんて思い始めると、もうそこで思考停止っす。
でも観終わった後に、たくさんの考察を調べて、へー、、ほー、、と感じる楽しさは満載でした。




TENET テネット  2020年 
監督:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、ディンプル・カパディア

ウクライナでテロ事件が勃発。出動した特殊部隊員の男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、捕らえられて毒を飲まされる。しかし、毒はなぜか鎮静剤にすり替えられていた。その後、未来から「時間の逆行」と呼ばれる装置でやって来た敵と戦うミッションと、未来を変えるという謎のキーワード「TENET(テネット)」を与えられた彼は、第3次世界大戦開戦の阻止に立ち上がる。

レディ・バード

2020年07月04日 | アメリカ・イギリス



「感謝してる」 
そんなつもりじゃなかったのに、
エンドロールが流れた瞬間に涙が溢れて驚くっていう初めての経験しました。
なんて表現すればいいんだろうこの気持ち。
あぁ、瑞々しい。
地元を離れてるからさらに感じるのかもだし、
かつての自分を思い出して、あまりの瑞々しさに涙したのか、なんてね。

共感を持って観る人かなり多いんじゃないですかね。
高校時代なんて閉塞感だらけ、
でも何者かになりたい願望は強くて、
感謝していることは間違いないけど、親を否定したい気持ちが勝りがちで、
経験する痛みもあって、
凹んで、
若いってほんっと不自由なんだもん。
そう、年を取るって便利なのよ、困らないのよ、
自分のことで悩まないし←(自分のことは何とかなる、笑)

でも、忘れてたこの感じ、
あぁそうだった!!っていうこの感じ。

なんか、ひたすら感情論だけで感想終わりそーだ。
とっても好きな作品です。

「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」があまりにも好きな作品になったので
グレタ・ガーウィグ監督作をもっと知りたいと思ったのですが、観てよかった。

羽ばたけ、自分  
  あぁ眩しい、、、




レディ・バード(原題:LADY BIRD)  2017年 ☆☆☆☆☆
監督:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン、ローリー・メトカーフ、トレイシー・レッツ、ルーカス・ヘッジ、ティモシー・シャラメ

レディ・バードと名乗り、周囲にもそう呼ばせているクリスティン(シアーシャ・ローナン)。高校生最後の年に看護師の母マリオン(ローリー・メトカーフ)と進学先を決めるために大学見学に行くが、帰りの車中で地元のカリフォルニア州サクラメントから離れて都市部の大学に進みたいと言ったことから大げんかになる。それ以来、母と衝突を重ねる一方、親友のジュリー(ビーニー・フェルドスタイン)とも疎遠になってしまう。

ミッドサマー

2020年06月26日 | アメリカ・イギリス



覚悟が必要であることは知ってましたからね、そのつもりで臨みました、はい。
摩訶不思議な作品でしたが、ジャンルはホラーかな? でもホラー的な恐怖は感じなかった。

避けられない運命に向かって走る車、天地がひっくりかえって、さあここからですよーって入り口はくらくらしました。

村での最初の洗礼は「姥捨て山」を思い出した。
日本では口減らしの意味があるけど、ここでは輪廻転生という意味なんだね。
いろんな地域でそういう土着信仰(昔話)はあるんだろうなって思う。だからこれは全体としてホラーと感じなかった。
まあでも、何をされるかわからないから不気味ではありました。

親近相姦を避けるために男性を歓迎して、ことが済んだらハイ終わり、ってことなのかな。
ってことはこの村にいる男性はこの村で生まれた人だけ?
それは怖いなー。

家族を失って精神も病んで、恋人も支えになってくれなくて不安ばかりのダニー。
彼氏のあの場面を目撃して泣いていた時に、彼女を取り囲んで村人が一緒に我がことのようにヒーヒーフーって泣いてくれて、笑っちゃったけど彼女にとっては安らいだのかもしれない。
ペニーも両親が火事で死んだけど、村人が家族だったって言ってたから彼にとってもここは安らぎだったはず。
そとから来た人は怖くてたまらないけど、村人視点だとみんな平和な満ち足りた顔してるからね、
ことの善悪とか、何が幸せかとか、わかんなくなる。

アリ・アスター監督は顔を潰すのが好きなんですかね。。。
残酷な場面はあるけれどカラッとしてるんですよね、日本独特の湿気のようなものがないし、人が傷ついても痛みを感じない描写なので、わーって思うけれど、笑える感じもあって独特です。

監督は恋人たちの物語でもあるから、カップルで観てほしいって言ってるんだって、
ラストのダニーの笑顔はなんだったのか、、、
アリ・アスター監督の経験からくる私信みたいなとこあるらしいですよ。
でも私はカップルでは観たくないですわ。



ミッドサマー  2019年
監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ウィル・ポールター、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ヴィルヘルム・ブロムグレン

思いがけない事故で家族を亡くした大学生のダニー(フローレンス・ピュー)は、人里離れた土地で90年に1度行われる祝祭に参加するため、恋人や友人ら5人でスウェーデンに行く。太陽が沈まない村では色とりどりの花が咲き誇り、明るく歌い踊る村人たちはとても親切だった。

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

2020年06月23日 | アメリカ・イギリス



もっと古典的な話なのかと思ったの、日曜の夜観ていたアニメの名作劇場、
4人姉妹のいる家族愛の物語。
だけでなく、さらに全くもって今に通じる、自分の人生を生きていく普遍的な女性の物語だった。

作家を目指す次女のジョーがニューヨークの舗道を全力で走るシーンから始まるの。
嬉しそうに全力で駆けていくジョーの姿そのままに、疾走感のあるテンポのいい作品でした。

アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞しただけあって衣装は観ていて楽しかったけど、
ウエストをきゅっと締めた長いスカートにフープにペチコートをつけている時代、動きにくいったらない、南北戦争って「風と共に去りぬ」の時代でしょ。
あの時代に、結婚ではなく経済的自立を求めて男のように金を稼ぐってすごいことだったはずよね。

でもジョーの自立した生き方だけを賛美しているわけではなくて、
4姉妹がそれぞれ違って、自分の人生を選択していってるところが、不朽の名作といわれる所以なんでしょうね。

しかしあの時代、マーチ家はずいぶんリベラルな精神をもってらっしゃったんだなぁ、お母様もお父様も素敵でした。

ラストが秀逸でしたね。

物語のラストは、女性は結婚して幸せになること、結婚しないなら死んで終わる。
そうじゃないと価値観として受け入れられない、、って凄いねー。
そこを入れ子方式みたいにして、難題を綺麗にクリアしちゃうところ、うなっちゃいました。うまい!って。

2020年に鮮やかに蘇った「若草物語」
すごく面白かった。



ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
  (原題: LITTLE WOMEN)  2019年    ☆☆☆☆☆
監督:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、フローレンス・ピュー、エリザ・スカンレン、ローラ・ダーン、ティモシー・シャラメ

19世紀、アメリカ、マサチューセッツ州ボストン。マーチ家の四姉妹メグ、ジョー、ベス、エイミー。情熱家で、⾃分を曲げられないため周りとぶつかってばかりの次⼥ジョーは、⼩説家を⽬指し執筆に励む⽇々。⾃分とは正反対の控えめで美しい姉メグが⼤好きで、病弱な妹ベスを我が⼦のように溺愛するが、オシャレにしか興味がない美⼈の妹エイミーとはケンカが絶えない。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

2020年05月24日 | アメリカ・イギリス



むかしむかし、、あるところ、、いやハリウッドで、、、
というお伽話と受け取ったらよろしいすか?(笑)
懐かしくてお洒落な映画ね、この時代のファッションや車はカッコよろしいです。
サイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」なんかが流れたらそりゃぁもー、懐かしくて涙ちょちょぎれる(古っ!)

自分は旬を過ぎたと感じている落ち目の俳優と、彼の付き人兼専用スタントマン兼親友の二人の話。
前半は悠長な雰囲気で、のんびりと楽しいのよね、先のストーリーは読めない、でも華やかで憧れる映画、ドラマ制作の世界。
入れ子方式に撮影風景があって、セリフを忘れて自己嫌悪に陥るディカプリオが笑えたりね、
何よりブラピが超かっこよくて、ともかく楽しんで観ておりました。

スパーン映画牧場という突然異空間に迷い込んで、ヒッピーが登場して不穏な雰囲気。
後半はいよいよどうなっちゃうのかわからない展開でさらに想像もつかない出来事が、、、
ラストはびっくりでしたよね、かなり謎!!でどうしてこうなるの??と、
でもそれなりに面白かったという不思議な映画という印象でした。

お隣さんの女優さんがキュートで、自分の映画を見に行く場面が可愛らしいんだけど、
そもそも彼女と映画監督はどうして隣に引っ越してきて、あの惨劇の後に初めて挨拶を交わして、その場面がなぜエンディングなのか、意味ありそうだよね、絶対に調べるよね、そりゃ。
ブラピが助演男優賞を受賞した、という程度の知識のみで観たのですけど、調べてみて、そうなのかと激しく納得!!!

シャロンテート事件をはじめとした史実や時代背景、チャールズ・マンソンとヒッピー等々、タランティーノ監督のインタビューを読んでなるほどなぁと、
その予備知識を持ってもう一度鑑賞すると、さらに面白さが倍増でした。
映画人による映画人のための映画、って評にすごく納得しました。
ディカプリオとブラピが斜陽のスターと消えゆくスタントマンを演じ、シャロンステートのお隣さんとして映画の世界で彼女のかたき討ちをしたんですね。優しい。

事前知識がなくても面白かったけど、知ったうえで観返すと、さらに面白さが増す、観れば観るほど好きになる映画でございました。




ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
   (原題:ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD)  2019年  ☆☆☆☆☆
監督: クエンティン・タランティーノ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー

人気が落ちてきたドラマ俳優、リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は、映画俳優への転身に苦心している。彼に雇われた付き人兼スタントマンで親友のクリフ・ブース(ブラッド・ピット)は、そんなリックをサポートしてきた。ある時、映画監督のロマン・ポランスキーとその妻で女優のシャロン・テート(マーゴット・ロビー)がリックの家の隣に引っ越してくる。

ドライブ

2020年05月06日 | アメリカ・イギリス



ライアン・ゴズリング寡黙でクールでカッコよかったわー。
「シェ~~ン、カンバーーック!」 を思い出した。無料の金曜レイトショーで先日観たばかりだったので。

冒頭、強盗を逃すための運転は息をのむ迫力で、つかみはオッケーな始まりだったけど、
え??まじ!
って途中からいきなりのバイオレンスぶりで、ちょっちょっと待って、、
それならそーと言ってくれれば心構えして観ますよって感じで、体制を整え直しましたわ。

静かなのに暴力的。
恋をした男の孤高の戦いは最高に渋くて素敵だけど、
あまりに女性が受け身で、ただ守られるだけっていうのも正直どうなんだろって感じ、否めない。
なんて考えながら観る人はこの作品は楽しめないんだろなー、とも思ったりもして。

ちょっと私には手に負えない感じがあって、おしゃれで美しい作品。
観てよかったゴズリングさんでした。




ドライブ(原題:DRIVE)  2011年 
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン

天才的なドライブテクを武器に、昼は映画のカースタント、夜は強盗逃し専門の運転手をしているドライバー(ライアン・ゴズリング)。ドライバーはアイリーン(キャリー・マリガン)にひそかに思いを寄せていたが、彼女には服役中の夫スタンダード(オスカー・アイザック)がいた。

ブルーバレンタイン

2020年05月05日 | アメリカ・イギリス



年齢や経験、環境、観る人によって感じることや言いたいことが違いそうだなぁ。

男女が添い遂げるっていろいろあるからね、浮いて沈んで、近づいて離れて、
ぜんぜん他人事じゃない、理解できる心情がたくさんあった
出会った頃のキラキラした二人と、どこにも向かえない行き止まりの今が、交互に描かれる手法は容赦なくて切ない。
それにしてもミシェル・ウィリアムズの初々しい女の子ぶりと、疲れ切った妻の対比が素晴らしくて見惚れちゃいました。

車の中での気まずい雰囲気、、どうしても修正できないのよ。あるよねーそういう時ある。
そしてラブホでの喧嘩、生々しくて迫力あって、どっちの味方でもないけど、もっと理性的に話し合えないの?なんでだろうって辛かった。
同じ二人なのに何が違うんだろと思うけど
たぶん違わないんだろな、二人の本質は出会った頃とそんなに変わってない。
良い旦那さんだと思うのよ、子供を可愛がってるし、ちゃんと働いて彼なりに家族を守ろうとしてる。
でも奥さんにしてみると、そーじゃないんだよねぇ、もっと違う生き方をしてほしい。向上心とかさ。意欲とかさ。

まぁ、よくある価値観の違いってことですかね。
でも価値観なんてなんかかんかずれてますよ、一致しなくてあたりまえ。
ちょっとした何かで乗り越えられそうな気もするけど、
ラブホで拒否るって、、、強烈よね、そーなったら無理なもんは無理なんだろなー。理屈じゃなく。

結婚を考えてるカップルが観にいっちゃダメかもね、
怖くなっちゃいそう。

眩しくてキュンキュンする出会いと同時に、
別れもまた切なくて美しいですよ、私はそう思う。
しんどくても、これもまた人生って思える美しい映画でした。




ブルーバレンタイン(原題:BLUE VALENTINE)  2010年  ☆☆☆☆
監督: デレク・シアンフランス
出演:ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ、フェイス・ワディッカ

結婚7年目を迎え、娘と共に3人で暮らすディーン(ライアン・ゴズリング)とシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)夫妻。努力の末に資格を取って忙しく働く妻シンディに対し、夫ディーンの仕事は順調ではない。お互い相手に不満を募らせながらも、平穏な家庭生活を何とか守ろうとする2人だったが、かつては夢中で愛し合った時期があった。

ジョーカー

2020年02月11日 | アメリカ・イギリス



観に行きたくて何回も迷ったんだけどメンタル自信なくてねぇ、、
苦手意識はないんだけど、これに関してはなぜだか気持ち引きずられそうで、
結局映画館には行けないままだったんだけど、
今回アカデミー主演男優賞受賞したということで、ホアキン・フェニックスの怪演を観てみようと思いやっと鑑賞に至りました。

やっぱり重かった。
希望がひとつもない。
そんな人生を喜劇だ って言ってしまう人生は辛すぎる。

緊張する場面で笑ってしまう病気。
自分でコントロールできないものを持っている人はたぶん私が思ってる以上にたくさんいるのかもしれないと、この年になってやっと理解してきてる。
それが許容できる社会だったら、そうじゃない人にとっても楽なのにと思う。

スタンドアップコメディショーに出演するシーンで自ら死んじゃうんじゃないかとドキドキしながら観てたけど、そーいえばこれはジョーカー誕生の物語だった。
そもそもアメコミを全く知らないのでジョーカーの概念もないんですよ、私。
死んじゃったらダメじゃんね、すっかり忘れてマジで悲観しながら観てました。

悪のヒーロー誕生の物語と思えば、もう少し違う気持ちで観られるのかもしれない。
人を殺した瞬間からアーサーの表情がふっきれたもんなぁ。
好んで観るタイプの作品ではなかったけど、ホアキン・フェニックスさんは間違いなく怪演されてて最高でした。



ジョーカー  2019年
監督:トッド・フィリップス
出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ

孤独で心の優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)は、母の「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を心に刻みコメディアンを目指す。ピエロのメイクをして大道芸を披露しながら母を助ける彼は、同じアパートの住人ソフィーにひそかに思いを寄せていた。そして、笑いのある人生は素晴らしいと信じ、底辺からの脱出を試みる。