きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

ほとりの朔子

2015年06月18日 | 日本



高校を卒業して、勉強しようと進んだ道を早々と挫折し、就職してないし、どこにも所属してなくて、まだ何者でもない、社会のなかで自分だけ浮いているような時期って、自分にも確かにあった。
そっか、まさに朔子の年齢だぁって、
ちょっとだけ思い出しました。(いったい何年前の話なんだ)

大学受験に失敗して将来の展望も持てない18才の朔子が過ごす夏の日々の話。
特別なことなんて起きない、いろんな人と出会うけど特別なことなんてない。
だけど、なんて魅力あふれる映画なんだと思う。

朔子と叔母さんは、実は血は繋がってない。
朔子の母と姉妹の叔母さんが同級生でなぜ同じ名前なのか(字は違う)、そこから複雑だけどそんなに入り組んでない人間関係が始まってる。
登場する人たちと朔子の関係(距離感)が面白い。
踏み込まないけど垣間見える人生というか、朔子の視線から見た登場人物の特別じゃない感が、自分の周りにもいそうなんだよね。

若い子とコトを繰り返す偉い人らしいエロ親父。先日ニュースに出てませんでした?
海外渡航してまるでコレクションするみたいにやってた元校長先生。(タガが外れる感覚が忘れられなかったって言ってたヒト)

原発被災者を演じさせられる話もね、そういう面もあるって話でしょ。
(福島に住んでる友達から関連した話をたまたま聞いたことあります)
決して批判しているわけではないと思うんですよ。

叔母さんと兎吉さんとの関係も面白くて、インドネシア語の翻訳をしているインテリな叔母さんは「ダメな人を好きになっちゃう」んだね。
自転車で二人で違う道を行ったとき、どんな話をしてたんだろ。
そこを見せないところが憎いです。
近所の人からゴロツキと噂される兎吉は、娘を大学に入れてちゃんと暮してるよ。
違法すれすれのホテルの支配人だけどね。
疑問を言い始めた孝史にクビを言い渡して「お前は卒業だ」って言うあたりが清濁併せ呑んだ感じで、私なんかはちょっとぐっときちゃうんだけど。

叔母さんと腐れ縁らしい大学の先生(西田)との関係も、「大人って汚いよなーって」言いたくなるけど(大人なお前が言うなって)
これもある種の恋愛で、大人になるとキラキラした恋愛なんてないんだよ、たぶん。経験ないからわかんないけど←

そういう、いろんなたくさんのことを、声高に言ったりしてなくて、
朔子を通して見る距離感がすごく面白かった。

孝史役の太賀くんが良かったなー。

そして、二階堂ふみちゃんが毎回来てる服が可愛くて、あぁ肩だし服が似合うの二十歳だよなぁって思ったし、水着姿がたまらなく可愛かったです。
若いってなにものにも代えられない魅力なんですよ。
なんつー、おばさんの感想になってしまった。
凄みを封印した二階堂ふみは可愛い☆



ほとりの朔子  2013年
監督:深田晃司
出演:二階堂ふみ、鶴田真由、太賀、古舘寛治

浪人生の朔子(二階堂ふみ)は叔母の海希江(鶴田真由)の提案で、旅に出た伯母(渡辺真起子)の家で2週間過ごすことに。彼女は海希江の幼なじみの兎吉(古舘寛治)やその娘の辰子(杉野希妃)、福島から避難してきたおいの孝史(太賀)らと出会う。のどかな場所で、朔子は仕事に集中する叔母をよそに短い夏休みを満喫していた。

予告犯

2015年06月12日 | 日本
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「人は誰かのためになると思えば動く」
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シンブンシを被った匿名男がネット上で犯罪予告をする、、となると、今どきのサスペンスかとおもいきや、
派遣社員やブラック企業、ワーキングプア、etc.
厳しい現実を突きつけられて、
なんでこんな社会なの?
少しレールから外れたらやり直しはできないっていうの?
働きたい若者を受け入れられない社会ってナニ?
ゲイツ君が職を失った理由を知ったら可哀想で、ラストで泣けるっていうけど、真ん中へんあたりから泣いてしまいました。

キャスティングもすごく良かったし、ひょろ君のエピソードも最後に納得させる話だった。
そうなんだけど、ラストはもっと明るくて希望に向かって行けるものにして欲しかった。
殺人の動機づけも弱い気がするし(原作は知らないですけど)、そのあたりから、結末はハッピーではないなと、、、

あのIT会社、ちょっと悔しくないですか。
あそこにちょっとでいいから制裁があれば良かったのにぃ。
なんてことを言いだすと、某TV局のスカッとジャパンみたいで単純過ぎてあかんですかね(笑)

吉野絵里香という刑事のインパクト少な目ですかね。
重要な役どころではあったんだけど、ちょっと上滑り←
戸田恵梨香ちゃんは好きなんだけど、仕事できるやり手の感じとか、
孤独に育ったゲイツくんとのエピソードが繋がらない。
だから最後のシーンに感情が揺れないの。なんで?って思うばかりで。

海岸でのエンディングの余韻は、辛いことばかりだったけどだから知り合えた仲間がいるっていう、ほのぼのとした雰囲気なのに、、なんでゲイツ君はそれを選択したの?って思うじゃない。

現実が厳しければ厳しいほど、若い君たちには頑張って欲しい。
おばちゃんは心からそう思ったのでした。

ノビタくんの返すに返せない傘が浮いてました(笑)

全体としては面白かった。
好きなんですよね、とーま君。
私的には、とーま君の作品は外れなしです。
次は11月の映画「グラスホッパー」ね☆




予告犯 2015年
監督:中村義洋
出演:生田斗真、戸田恵梨香、鈴木亮平、濱田岳、荒川良々、福山康平

インターネット上に、新聞紙製の頭巾にTシャツの男(生田斗真)が登場する動画が投稿され始める。彼は動画の中で、集団食中毒を起こしながらも誠意を見せない食品加工会社への放火を予告する。警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香)が捜査に着手するが、彼の予告通りに食品加工会社の工場に火が放たれる。それを契機に、予告犯=シンブンシによる予告動画の投稿とその内容の実行が繰り返される。やがて模倣犯が出没し、政治家殺害予告までもが飛び出すようになる。


あん

2015年06月08日 | 日本
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黄色い電車に乗って映画を観に行きました。映画の中でも黄色い電車が何度も出てきました。このローカル感、、落ち着く(笑)
公開初日にこのローカルな映画館で監督や主演俳優を迎えて舞台挨拶があったそうで、
来たかったなぁ~、残念ながらその日は仕事で来られませんでした。

始まりは千太郎の後ろ姿。
ほんの少しだけ右肩が下がり、足を引きずるクセのある歩き方。
屋上で煙草を吸うその姿は孤独で、間違いなく人生なんて楽しんでない。
こういうのは理屈じゃなくて感覚の問題なんだけど、
あぁこの映画好きだなぁ、、、そう思いました。

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徳江が患っていたハンセン病は病気が進むと容姿が変形することと、政府が患者を隔離したことから間違った認識のため差別に拍車がかかった悲しい歴史を持つ病気。患者同士でしか結婚できなかったし子孫を残すことも許されなかった。
ハンセン病の話を聞くたびに、なぜかいつもごめんなさい、、という気持ちになる。
「無知」
「無関心」
心に無意識にあるそういうものが差別を引き起こすから。

ワカナの年齢くらいで療養所にやってきた徳江は、家族と引き離され、自分は何のために生まれてきたんだろうと悩んだはず。
でも、たくさんの自由を制限されて生きてきたからこそ心は誰よりも自由で、だから小豆の言葉に耳をすますことができる。
あぁ、なんて素敵な人なんでしょう。

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「ねえ、店長さん。私たちはこの世を見るために、聞くために生まれてきた。だとすれば、何かになれなくても、私たちは生きる意味があるのよ。」

だめだ、
もーこの台詞で涙腺が決壊しました、わたくし。

樹木希林さん。
原作を書いている時から徳江は樹木さんをイメージしていたそうです。本当に素晴らしい存在感のある方。
いて下さるだけで嬉しい、そういう俳優さんですよね。

そして、さらに良かったのが千太郎役の永瀬正敏。
良い役者だなーって思う。

無口でやるせなくて、、、
お酒で失敗した人生だから、真逆のあんこの仕事したんだね(千太郎の話)
なんかそれ可愛いじゃん←
最後の桜の花の下のシーンが良かったなぁ、晴れ晴れしてて。



あん  2015年  ☆☆☆☆☆
監督:河瀬直美
出演:樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅
原作:ドリアン助川

刑務所から出所したのち、どら焼き屋「どら春」の雇われ店長となった千太郎の店に、徳江(樹木希林)という女性がやって来る。その店で働くことを強く希望した徳江を千太郎は採用。徳江が作る粒あんが評判となり、店は大繁盛。そんな中徳江は、つぶれたどら焼きをもらいに来ていた女子中学生のワカナと親しくなる。ところがある日、かつて徳江がハンセン病を患っていたことが近所に知れ渡る。

ゴーン・ガール

2015年06月03日 | アメリカ・イギリス
ひゅ~~~~~
終わった後にモヤモヤモヤモヤする。
女って怖い。いや女だからってみんなこんなことできません。そんなに頭良くないしキレてない。
思わず息子に、ちょっと抜けてるくらいの人と結婚しなさいって言っちゃいましたわ。

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結婚5年目の妻がいなくなった。
事件かと思うよね、やがて夫に疑いの目が向けられる。
でも途中からあらぬ方向に進んで行って、途中から全く予測不能。
どんなふうに収束するのか全くわからなくなってくる。
149分ですよ、そこそこ長いのに全くダレずにラストに突入します。

終わってみたら、、あれ?これってただの〇〇喧嘩なの?(笑)
スケールでかーーー(笑)
こわーーーい(笑)

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デヴィッド・フィンチャー監督は息子がファンなんですよ。
ファイトクラブが超おすすめらしくて、レンタルじゃなくて購入したDVDがずっと前から手元にある。
スッキリとチャンちゃんって終わるより、余韻の残る作品がお好みかしらん。
意外と母似にじゃねーか(笑)

・セブン (1995)
・ファイト・クラブ (1999)
・ゾディアック(2006)
・ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (2008)
・ドラゴン・タトゥーの女 (2011)

このあたりをまずは見てみましょうかねー。




ゴーン・ガール(原題:GONE GIRL )  2014年
監督:デヴィッド・フィンチャー
俳優:ベン・アフレック、ロザムンド・パイク

ニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)は誰もがうらやむ夫婦のはずだったが、結婚5周年の記念日に突然エイミーが行方をくらましてしまう。警察に嫌疑を掛けられ、日々続報を流すため取材を続けるメディアによって、ニックが話す幸せに満ちあふれた結婚生活にほころびが生じていく。うそをつき理解不能な行動を続けるニックに、次第に世間はエイミー殺害疑惑の目を向ける。