きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

淵に立つ

2019年08月17日 | 日本



怖い 怖い 怖い 怖い 怖い

怖かった~~ホラーよりよっぽどぞわっとしました。

お互いの目も見てないような日常生活。
仲が悪い家族ではないのよ、どこにでもいるごく普通の家族。
そんな家族に現れた夫の昔の古い知り合い。
浅野忠信さん、怪しい。ほんっとこういう役上手いんですよね。
急に赤いTシャツ着ててひょ~~怖かった。

何が始まるのか全く想像できなかったけど、不穏な空気が漂いまくってて、ざわざわした。

この夫婦、悪い人たちじゃないはずなんです。
でも人は必ずしも正しいことだけをするわけじゃない、我が身を振り返るとそうよね。
だからこその怖さなのかな。(いや、殺人も不倫もしてませんけどね)

お互いの後ろめたさで均衡を保っているような夫婦関係って息が詰まるわ。
罪と罰の話をしてたけど、
ありえないでしょ、子供に罰がいったなんて考え方、ありえない!

傑作ですよね。
だからこそ観るんじゃなかった、、みたいな気さえする作品でした。


深田晃司監督の作品は「ほとりの朔子」が好きで、
そこで太賀(仲野太賀)くんを初めて知って、いい俳優さんだなって思ったんですけど、
いい人そうなんだけど得体のしれない感じ、今回もいい味出してました。(彼も赤いリュックだったし、ひょ~~)



淵に立つ  2016年  ☆☆☆☆☆
監督:深田晃司
出演:浅野忠信、筒井真理子、仲野太賀、三浦貴大

鈴岡家は郊外で小さな金属加工工場を営み、夫の利雄(古舘寛治)と妻の章江(筒井真理子)、10歳の娘・蛍(篠川桃音)は穏やかに暮らしていた。ある日、利雄の古い知り合いで、最近出所したばかりの草太郎(浅野忠信)がやってくる。利雄は妻に何の相談もなく彼に職を与え、自宅の空室を提供する。

アルキメデスの大戦

2019年08月16日 | 日本


上映時間130分
そんなに長いと思わなかったから集中して楽しく観られたってことですかね。

しょっぱなからの戦艦大和が海中に沈む場面。
山崎貴監督お得意のVFXを使ったド迫力の映像で超スペクタクルは流石で、
甲板に血が混じった海水が流れて、たくさんの人が海に落ちていく悲惨さ。
うお~さすがの戦艦大和の話だなぁって思ったんだけど、
終わってみたら、130分、ほとんど菅田くんのお顔を観てた気がするよ。
戦争モノだけど重さはなくエンタメとして楽しめる作品でした。

櫂直(菅田くん)は超天才数学者、なんでも巻き尺で測り数値化して物事を考える人。
部下として戦艦大和計画阻止に奔走すのが海軍少尉・田中正二郎(柄本佑)。
この作品はこのふたりのバディものでもありますね。

最初は櫂くんに不信感を持っていたけれど、仕事を見ているうちに本物であることを認めて信頼していく。
おーそうか!彼が認めたのならば櫂くんは本物の天才数学者だ!と思わせる技が彼にはある、そういうことにしておこう(柄本くんを褒めてます)



日露戦争の栄光のもと保守派が計画する大型戦艦(大和)を造船するか、航空戦こそが戦争の主体と踏んで空母を造船するか、
国の明暗を決める新造計画軍事会議がクライマックスなんですが、
この会議、今まで見たなかの戦争モノの中で、いちばん軽くて胡散臭。
あんな感じで会議が進みますの?
そもそもそこにいるメンツがなんかちょっと笑えません?あえてそういうキャスティングとか(大臣が小林克也さんだよ←)

国民の命がかかってるんですけどーーー!!

天才数学者じゃなくても、誰が考えてもその予算の数字はおかしくないですか?
財閥(企業)と結託して、抱き合わせで受注して予算をやりくりとか、
そういえば新国立競技場の時も当初の予算と全然違う数字が出てきたりとか、、カケイなんたらとか、、
戦争映画というより、現在を風刺する作品なんだろう、、という印象です。



「だからどうした」
本当に本当のこの作品の肝はそのあとにやってくるのであります。
そうきたか、、と、ラストでまとめましたね。

わかりやすく、楽しく観られる作品でした。




アルキメデスの大戦  2019年
監督:山崎貴
出演:菅田将暉、舘ひろし、柄本佑、浜辺美波

昭和8年(1933年)、第2次世界大戦開戦前の日本。日本帝国海軍の上層部は世界に威厳を示すための超大型戦艦大和の建造に意欲を見せるが、海軍少将の山本五十六は今後の海戦には航空母艦の方が必要だと主張する。進言を無視する軍上層部の動きに危険を感じた山本は、天才数学者・櫂直(菅田将暉)を軍に招き入れる。その狙いは、彼の卓越した数学的能力をもって大和建造にかかる高額の費用を試算し、計画の裏でうごめく軍部の陰謀を暴くことだった。

運び屋

2019年08月16日 | アメリカ・イギリス



最高のおじいちゃん映画でした。

90才になっても仕事してるって素晴らしい!
ましてや今までやったことない仕事するなんて凄い!
さらに言うと危険な(違法な)仕事なんてすご、、あ、いいぇいえ。

仕事が仕事なのでそこは手放しで凄いって言えないところなんですが、飄々と鼻歌交じりに運転している姿は微笑ましい。
家庭を顧みることなく仕事ばっかしてきた人生で、家族から恨まれていたとしても、
なんかもー自由に生きてください、、って言いたい気分になっちゃう。

反省してるって言ってるけど、一から始めたらきっとまた同じ人生送るんでしょアール爺さん。そんな気がする。

家族を顧みず仕事ばかりしてきた自身の人生を重ねた作品だって言われてるけど、
結婚式に来てくれなかったと父を恨んでる娘役の女優さんは、実際にクリントン氏の娘さんなんだそうで、
ほらぁ、本当に幸せな人生だったじゃないですかん☆

アール爺さんとクリントン氏がごっちゃになってます(笑)

軽やかな作品だったですね。
人生はいろんなことがあるけど、前を向いて歩けばなんとかなる。そんな気になりました。



「ただそこに落っこちてる宝物を拾ってパズルのようにしたらひとつの映画になるんだ、それが映画。だから僕は映画は宝物なんだ」
ニノちゃんがクリント氏に言われたという言葉を思い出した。

宝物、また見せていただきたいです。




運び屋  2018年
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ブラッドリー・クーパー

90歳のアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は、家族を二の次にして仕事一筋に生きてきたが、商売に失敗した果てに自宅を差し押さえられそうになる。そのとき彼は、車で荷物を運ぶだけの仕事を持ち掛けられる。それを引き受け、何の疑いも抱かずに積み荷を受け取っては運搬するアールだったが、荷物の中身は麻薬だった。

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

2019年08月14日 | 香港・台湾・中国
私の推しの一人であります、シゲが(加藤シゲアキさんね)面白かったと教えてくれたのでチャレンジしてみました。
3時間56分!!
流石に長い~~!
なかなかの歯ごたえのある骨太な作品でした。
まさに映画は経験。

映画館で観たかったけど、実際に初見で観るときつかったかもしれない。
時代背景も詳しくないし、登場人物が多くて名前と顔を把握するのが難しかった。
友情、恋愛、家族愛、政治、歴史、抗争、あらゆる要素が詰まってる。
さらに、、、これは中学生の話よね、、、と何度も確認しましたわ。
スケールの大きな作品でした。



いろんな事件が起きるんですよ。
中学生だよね(何度も言うけど)、いやもう私が生きてる世界とは違いすぎます。

かつて日本の植民地であったため、小四の家族は古い日本家屋に住んでいて、
日本刀や拳銃が子供たちの日常にあり、遊び道具のようにあるバイオレンスな環境。
今私たちはいかに守られた、危険なものから遠ざけられた暮らしなのかと思う。

ビリヤード場を襲撃した台風の日、敵ボスの死に際を懐中電灯で照らす場面は強烈だった。

上海から渡ってきた小四の父はインテリであり、共産党思考ではないかと尋問を受ける。
最後は身を寄せ合って守りあうのは家族なんだよなぁ。

ラスト数十分、予定調和が完全に覆って、まじかーーーーー!という結末を迎える。
この長い長い映画を観終わってから、なんとも言えない複雑な余韻が残るのは、驚愕のラストだったからで、
何故こうなったんだろうと、それまでの出来事を我が身のように振り返ってしまう。

いやややや、これってもしかして愛の不条理を描く作品だったの?
いや世の中の不条理だよね。
しかし中学生だよ(しつこく言うけど)

小明が魔性の女で驚くけど、彼女も時代の波の中で病弱な母を守りながら、誰の支配も受けずに生きようとしてるんだろう。


「この世界はぼくが照らしてみせる」

中学生にこんなセリフを言われたら切ないよなぁ。


羽田圭介さんと又吉直樹さんが芥川賞を受賞したときの直木賞作品が東山彰良さんの「流」で、台湾出身の作者が家族のルーツと向き合った青春小説が絶賛されてたのを思い出すんだけど、時代背景はこの本を読むととても分かりやすいそうです。
チャレンジしてみる、、か、、(知らんけど)




牯嶺街少年殺人事件(英題:A BRIGHTER SUMMER DAY )  1991年  ☆☆☆☆☆
監督:エドワード・ヤン
出演:チャン・チェン(小四)、リサ・ヤン(小明)、ワン・チーザン(小猫王)


1960年代初頭の台北。建国高校昼間部の受験に失敗して夜間部に通う小四は不良グループ「小公園」に属する王茂や飛機といつもつるんでいた。小四はある日、怪我をした小明という少女と保健室で知り合う。彼女は小公園のボス、ハニーの女で、ハニーは対立するグループ「217」のボスと小明の奪いあいをして、殺して姿を消していた。ハニーの不在で統制力を失った小公園は、今では中山堂を管理する父親の権力をかさに着た滑頭が幅を利かせている。小明への淡い恋心を抱く小四だったが、ハニーが突然戻ってきたことをきっかけにグループ同士の対立は激しさを増し小四たちを巻き込んでいく。

ザ・ファブル

2019年08月13日 | 日本



なりゆきで、、3回観てしまった、、(なんでだ)

1回目はヤスケンファン(正確には大泉洋&TEAM NACSファン)の映画友と一緒に。
感想は、思った以上にヤスケンが重要な役どころで、今まで見たことないくらいにカッコよかった(ビジュアル含む)
そして、柳楽優弥はなんか知らんがやっぱり凄い!!!

2回目は夫と。
彼はモデルガン、エアガンの類が好きで、いまだにそういうのを買い求めてニヤニヤする人でして、私が映画の説明をするとぜひ観たいと。
感想としては、ガン好きとしても楽しめたし、ストーリー的にも面白かった、とのこと。

そして3回目は、原作の漫画ファンである息子と。
感想としては、原作とのシンクロ率の高さに驚いてました。
木村文乃が演じるヨウコに関しては、漫画からそのまま飛び足してきたようなそっくりさだったそうです。
デザイン事務所の盗撮までやるもんなぁって驚いてました(本当に原作に忠実なのね)




なんっつーっても、岡田くんのアクションが凄いです。

ごみ処理場への潜入時に(3階、4階?)まで音もなくするするっとよじ登ったときは、驚いて声出しそうでした。地味だけど凄すぎないっすか!
後半の怒涛のアクションは問答無用に楽しめて最高だったし、
時々混ざるお笑いの場面もあって(笑えるかどうかは別として←)、全体としてはずーっと楽しめる内容でした。

そう、楽しかったんです、楽しめる作品なんだけど、
ヨウコってさなんで一緒に大阪に来たのかな、っつかナニモノ?、、とか
なんでアキラは家で全裸なの?、、とか
ボス(佐藤浩市)との関係性も謎だし、、

箱スカのGT-Rはなんか意味あるのかなぁ、、とか
真黒組の若頭・海老原が大事にしている車で、原作ではこの後も彼とは関係性があると息子が教えてくれました。

実写化には成功してるし、原作を知らなくても楽しめたんだけど、
原作ありきで、映画単体としての力は弱いのかもしれない。





最近の岡田くん、話題作には出てるけど食指が動かなというか、なんか面白くなくて、
そういう意味では久々楽しいなーって思える作品だったので良かったのでした。




ザ・ファブル  2019年
監督:江口カン
出演:岡田准一、木村文乃、山本美月、柳楽優弥、安田顕、佐藤浩市

標的を6秒以内に仕留める圧倒的な腕前から裏社会で恐れられる殺し屋、通称ファブル(岡田准一)は、ボス(佐藤浩市)から「殺し屋を1年間休業し、大阪で一般人として普通の生活を送る」というミッションを命じられる。1人でも殺したら処分されるという条件のもと、佐藤アキラという偽名を使い相棒のヨウコ(木村文乃)と兄と妹という設定で、生まれて初めて普通の生活をすることになる。

凪待ち

2019年08月10日 | 日本



白石監督は「彼女がその名を知らない鳥たち」がとても良かったんですよね。
その後「孤狼の血」「凶悪」を観たけれど、骨太な作品を作る今勢いのある監督だと思っていて、香取慎吾くんとの組み合わせは是非観たいと思ってました。
上映館が近くにないこともあって、もたもたしてるうちに終わっちゃいそうで焦りました。

観たのは6/28にオープンしたばかりの立川のKino Cinema、高島屋の8階にあります。
オープニング上映作品だったんですね(配給がキノフィルムズだもんね)

「誰が殺したのか」がキャッチコピーになっていて、サスペンスものかと思いがちだけど全然違っていて、鑑賞後にいろいろなことを考えた。

一番のテーマは郁男が依存症であり、そこから抜け出せずにもがき苦しむということ。
自分でも呟いてたけど本当にくずなの、人間のくず。
壮絶でしたね、その金を使う?って怒りを感じたし、最低最悪!人間じゃない!って思った。
ホントに足掻いでました。
慎吾くん、大きがガタイががさらに不器用な人、うまく生きられない人という印象だったし、
どうしようもなくギャンブルにのめりこんでいく危うさが本当に危なくて危なくて(3回言った)、クズ過ぎて泣けました。

そこで重要な存在だったのが恋人のお父さん。
お父さんは津波で奥さんを亡くして失意の日々を送ってて、自身も病気で余命いくばくもない。
若いころに荒んだ生き方をしていたのを奥さんと出会うことで救われたお父さんは、郁男に自分を重ねてたのかもね。

喪失と再生

津波ですべてを失ったけど、海によって生まれ変われることを知っていて
(それしか生きる方法がなくて)
だから癌になっても今までと変わりなくお父さんは漁に出る生活をし続けている。
(津波ですべてを失ったけど、海も生まれ変わった、ということを言ってましたよね)
人は簡単には変われないことを知っているけれど、生まれ変われることも知ってる。

さいごね、郁男が泣きじゃくる様は、私も一緒になって泣きました。

郁男の生い立ちは語られてないけど、
あの時、ありのままの自分自身を受け入れてもらって、初めてあんなに泣けたんじゃないかな、子供のように泣いてた。

ラストも秀逸でしたね。
静かな凪の海の底に、津波で奪われた人々の生活の残骸が沈んでた。

そうやって人は悲しみを乗り越えて生きていくんだと、
苦しさと同時に希望や救いを感じました。




凪待ち  2019年  ☆☆☆☆☆ 
監督:白石和彌
出演:香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、吉澤健、音尾琢真、リリー・フランキー

木野本郁男(香取慎吾)はギャンブルをやめ、恋人の亜弓(西田尚美)と亜弓の娘の美波(恒松祐里)と共に亜弓の故郷である宮城県の石巻に移住し、印刷会社で働き始める。ある日、亜弓とけんかした美波が家に帰らず、亜弓はパニックになる。亜弓を落ち着かせようとした郁男は亜弓に激しく非難され、彼女を突き放してしまう。その夜、亜弓が殺される。