きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

きみはいい子

2018年04月24日 | 日本



「そこのみにて光輝く」の呉美保監督。
上映中に迷いながら行きそびれてた作品でございました。

いじめ、モンスターペアレント、子供の貧困、虐待、育児放棄、痴呆症、障害

誰かが悪人ってわけじゃないんだけど、、生きづらいです、、、大人も子供も。

昔ね、2年間くらい授業の補助で小学校で仕事したことあったんですよ。
いやぁ、小学校の先生はほんっとに大変、
先生によってクラスの雰囲気も全然違うんですよね。
ここはジャングルかと思ったもん(マジで)
子供に向き合うことを生涯の仕事とする先生を素直に尊敬しております。

新米教師の岡野先生が、そんな現実に対していかにもな新米ぶりだったので、
当初イライラしちゃいましたけどね。
さらに仕事で忙しい彼女といる時ののほほん感、
こいつホントになんもわかっちゃないじゃん!って
でも気持ちが優しくて素直な人だってことが、
先生としての一番大事なことなのかもしれない。

岡野先生のクラスの話と、
雅美の娘との話と、
一人暮らしのおばあちゃんと自閉症の男の子との話が、
重なることなく進んでくんだけど、
でもどこかでつながっていて、
その先にはきっと道は開けてる(開けていてほしい)

たぶんですけど、池脇千鶴と高橋和也って(役名わかんない)、たぶん夫婦よね。
きっとそうだ、そうでなくちゃ(笑)


戦争で亡くなった弟さんにキャラメルを食べさせてあげられなかったことを悔やんでるおばあちゃんが、
弟と弘也くんを重ねてキャラメルを上げるシーンは良かったですね。
幸せの定義を自閉症の弘也くんが教えてくれた。

終わり方も好き。
いろんなことあると思うけど、岡野先生はきっと良い先生になるよね。


坂道にあって、その先に観覧車と海が見える家。
小樽だったのね(今知りました)
おばあちゃんの家のロケーションが好きでした。




きみはいい子  2014年
監督:呉美保
出演:高良健吾、尾野真千子、池脇千鶴、喜多道枝、高橋和也、富田靖子

新米教師の岡野(高良健吾)は、ひたむきだが優柔不断で、問題があっても目を背け、子供たちから信用されていない。雅美(尾野真千子)は夫の単身赴任で3歳の娘と2人で生活し、娘に暴力を振るってしまうことがあった。一人暮らしの老人あきこ(喜多道枝)はスーパーで支払いを忘れ、認知症を心配するようになる。彼らは同じ町で暮らしいた。


大統領の陰謀

2018年04月21日 | アメリカ・イギリス
ウォーターゲートビルのドアに奇妙なテープが貼られているのを警備員が見つける。

「ペンタゴン・ペーパーズ」のラストのシーンがこの映画の始まり。
2017年の映画の続編が1976年の作品だなんて面白くないですか。





PCもインターネットもメールもない時代。
当たり前だけどスマホもない。
連絡はダイヤル式の黒電話。
資料は国会図書館で探す。
そしてタイプライターで作成する。

余談ですけど、わたくし高校時代は英文タイプ部で、
さらに余談ですけど、就職したのち文書作成は和文タイプでした。
ガッチャンガッチャンって、すんごい原始的(笑)
あぁ、懐かしい、今の方はきっと見たことないよね。

作品中カタカタと響くタイプライターの音が印象的でございました。





1972年に起きたウォーターゲート事件の4年後の上映作品なので、
誰もが知っているという前提で物語が進むんですよね。
なので少し学習しないとわかりにくい部分があるのかもしれないけど、
でも、面白かったですね。

ともかく地味なんです、地道なんです。
派手さなし。
新人の新聞記者がひたすら真実を求める物語。

しかもラストは大統領が再選のニュースが流れる中、
カタカタとタイプを打つ場面で終わり、
大統領の陰謀を突き止める直前で終わる、
カタルシスのない終わり方。

ま、それが逆に面白かったですけどね。

その後のことは誰でもが知ってるでしょ、、ということなのね。





ディープスロートの存在は秘密だったけど、
当時のFBI副長官マーク・フェルトであったと、2005年に自ら正体を明かされたそうです。
今年の2月に公開された映画「シークレットマン」はその人の視点で描かれているそうで、
いつかチャンスがあったら観てみよう。


ボブ(ロバート・レッドフォード)が、小切手の振り込みの件でダールバーグ氏とマグレガー氏に2台の電話を使ってで話す場面。
6分くらいのシーンは長回しで一気に撮ったらしいんだけど、
最後に相手の名前を間違えたのは本当に間違えたらしく(ちょっと笑ってたよね)
それがそのまま採用されたんだって。


原題は「ALL THE PRESIDENT'S MEN」

All the king's horses, And all the king's men,
Couldn't put Humpty together again.
王様のすべての家来や馬でも
ハンプティーは元に戻せない

マザーグースのハンプティ・ダンプティの歌詞で、 
all the king's menをもじったタイトルだそうです。

「大統領のすべての部下が取り掛かっても元には戻せない」という意味。
洒落てます。






大統領の陰謀(原題:ALL THE PRESIDENT'S MEN)  1976年  ☆☆☆☆☆
監督:アラン・J・パクラ
出演:ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマン、ジェイソン・ロバーズ

1972年6月17日土曜日の午前2時30分。ワシントンのウォーターゲート・オフィス・ビルの5階にある民主党全国委員会本部に5人の男たちが侵入した。彼らは来るべき秋の大統領選挙にそなえて必勝を期する民主党のキャンペーンを攪乱するために、秘かに雇われた者たちだった。この5人は元CIAの情報部員と大統領再選本部の現役の対策員で固められていた。仕事は手抜かりなくおこなわれる筈であったが、ビルの警備員に見咎められ、たちまち警察に通報された。そして不法侵入の現行犯で逮捕された。まだ入社して9カ月になったばかりのワシントン・ポスト紙の記者ボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は、ウォーターゲート事件が起きてから7時間後に、上司のハワード・ローゼンフェルド(ジャック・ウォーデン)に呼ばれた。一方、同じポスト紙のベテラン記者カール・バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)も、この事件に興味を示していた。

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

2018年04月13日 | アメリカ・イギリス
政府が嘘をついてきた日々を終わらせなければいけない

報道は統治者のためにあるのではない 国民のためにあるのだ




これね、奇跡体験!アンビリバボーでキャサリン・グラハムの話としてやってましたよね。
たまたまその番組を観ていて、あら、ペンタゴンペーパーズの話だわって思って、
観に行くつもりだったから予習がてら観たんですけどね、
あれ?もしかしてこれは
完全なネタバレではないですかって思ったのですよね。
それなりに面白く観て、、
いや、史実として有名な話なんだから、いいのかなって思ったり。

で、実際に観てどうだったかと言いますと、アンビリバボーとほぼ一緒の情報量でした。
そりゃそうよね、実際にワシントンポストで起きた話なんだから、
登場する人も、起きることも、結果もすべて同じじゃなきゃ逆におかしい(笑)

ネタバレ状態で観たわけですけどね、
でもね、これがまた面白かったのです!!

メリル・ストリープとトム・ハンクスが演じるとこんなにも魅入っちゃうんですね。
堂々のエンターテイメント作品。

活版印刷で新聞を刷る場面が興味深くて、
当時の上流階級の暮らしや、服装や髪形を観るのも楽しかった。

当時は女性の社主は珍しかっただろうし、
40半ばで新聞社を経営する立場になったキャサリンの状況は今とは比べられない。
ましてや報道や政治の世界では発言も決断することも難しかった。
自分が愛し大切にしてきた人が悪だとわかったとき正義と倫理と貫けるのか、
辛い決断であったはず。
潔い。




都合の悪い報道をフェイクニュースだと言い放つトランプに対する解毒剤だと言うスピルバーグも、
それに呼応してオスカー俳優の二人が出演するってカッコよくないですか。
小気味良さがあって、上品でてらいのない正々堂々の作品。

今のアメリカにとって必要だけど、まさに今の日本の話でもあるってことです。

エンディングががウォータゲート事件に繋がる終わり方だったのでね、
これは次に繋がる作品を観るべきなんだなって思いました。
そうやって知識が繋がっていくのも映画の楽しさですね。







ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(原題:The Post)  2017年  ☆☆☆☆☆
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:メリル・ストリープ、トム・ハンクス

ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に疑問や反戦の気運が高まっていた1971年、政府がひた隠す真実を明らかにすべく奔走した人物たちの姿を描いた。リチャード・ニクソン大統領政権下の71年、ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在をニューヨーク・タイムズがスクープし、政府の欺瞞が明らかにされる。ライバル紙でもあるワシントン・ポスト紙は、亡き夫に代わり発行人・社主に就任していた女性キャサリン・グラハムのもと、編集主幹のベン・ブラッドリーらが文書の入手に奔走。なんとか文書を手に入れることに成功するが、ニクソン政権は記事を書いたニューヨーク・タイムズの差し止めを要求。新たに記事を掲載すれば、ワシントン・ポストも同じ目にあうことが危惧された。記事の掲載を巡り会社の経営陣とブラッドリーら記者たちの意見は対立し、キャサリンは経営か報道の自由かの間で難しい判断を迫られる。