きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

鳥肌

2009年05月21日 | 韓国
鳥肌(原題:소름 )  2001年  ☆☆ヽ(*^ω^*)ノ
監督:ユン・ジョンチャン
出演:キム・ミョンミン、チャン・ジニョン





タクシー運転手のヨンヒョン(キム・ミョンミン)は取り壊し寸前のアパートの504号室に引っ越してくる。彼は同じアパートに住むコンビニでアルバイトをするソニョン(チャン・ジニョン)が気になる。ある日ソニョンが血だらけになって現れる、暴力をふるう夫を偶発的に殺してしまったのだ。そしてヨンヒョンは、505号室に住む作家のイ(キ・ジュボン)から504号室で起こった不気味な事件の数々を聞かされる。


興行的にいまひとつだったけど作品の評価は良かったとは聞いてましたが
びっくりです、ものすごく面白かった
映画とドラマって面白さが違うから
そういう意味では今までに見たキム・ミョンミンとは全然違う面白さでした



ミョンミンさんは役になりきるために実際に1ヶ月タクシー運転手の仕事をしたそうです
演じることに対するそういう姿勢は若い頃からだったのね
平凡さと異常さをあわせもつキャラクターを演じるために専門書で心理的な演技を研究し、5kgの減量をしてギリシャ彫刻のような身体を披露(お尻に見惚れました、キュッですキュッ、照)
おまけにちょっと(かなり、笑)色っぽいシーンもありです

主演二人の抑制の効いた確かな演技が素晴らしかった
ジニョンさんはたくさんの主演女優賞を取ったんですね
ミョンミンさんも第2回(2001)釜山映画評論家協会賞 新人男優賞を取ってます



最初はこれはホラーなのか、、と思いながらずっと観てました
どこに向かっていくのかまったく予測がつかなかったけど
ラスト数分でホラー映画だと納得
ドキドキしながら、えっ?えっ?って思いながら
下手すると映画が終わって、ゆっくり考えてから怖い~~~~って気がつく人もいるかも

私は怖さと同時に狂気を帯びたヨンヒョンが切なくて、息が詰まるような思いで観てました
殺人者を愛おしみながら怖がるって初体験(笑)



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↓ここから先はネタバレ
徹底的なネタバレです
これから映画を観る人は絶対に絶対にネタバレは見ない方がいいと思います
30年前、504号室で殺されたのはヨンヒョンのお母さんで
置き去りにされたのはヨンヒョン自身だったってことですね
(お尻のヤケドのあとで納得)
お母さんの霊は長い時間をかけてヨンヒョンを自分の住んでいたアパートに呼び戻した
また一緒に暮らすために、、、(泣ける)
そして、ヨンヒョンが殺してしまったソンヨンは母を殺して駆け落ちした父の子供なわけで
要するにヨンヒョンとは腹違いの妹
きゃ~~~!
今映画を観終わったばかりなので、こうして考えをまとめてるだけでざわざわする~~
ヨンヒョンがソンヨンを殺したのは母親の霊がさせたと言えるの?
っていうか、ソンヨンの子供が死んだのもそうなの?

最後にヨンヒョンが古いアパートを見上げた時の顔が狂気の表情なのに
母親を見上げるような悲しい顔にも見えて
どうしようもない感情のなかで映画が終わったって感じです
こんなにドキドキしながら映画が終わったのは初めてだわ

最初の頃のヨンヒョンは世の中を諦めているというか、冷めた目で見ているような青年だったのに
終盤は不器用に母の愛を求めるようなところがあって
ソンヨンを殺す時も母に甘えるようなそぶりがあって、それが切なかったんだけど
その感情が映画の結末そのものだったことに、、、

いや~~~、おっとけ~~
こんなにこの映画を感動してる人って、もしかして私だけ??

DVDのパッケージの母親と赤ちゃんの手の意味がやっとわかったわ(ざわざわ~~~)

鏡の中へ

2009年05月17日 | 韓国
Mirror鏡の中(原題:거울 속으로 ) 2003年 
監督:キム・ソンホ
出演:ユ・ジテ、キム・ミョンミン



オープン準備中のデパートを舞台に奇怪な連続殺人事件が起きる
デパートの保安室長のウ・ヨンミン(ユ・ジテ)は刑事時代に鏡に映った犯人を誤認して同僚を失った過去を持つ
ヨンミンは鏡の前で起きたこれらの殺人事件が非現実的で奇異な死の形態であることから、人の犯行でないということを直感する
事件の担当刑事になったハ・ヒョンス(キム・ミョンミン)
ヨンミンのミスで亡くなった同僚は彼の親友だった

ともかく私はホラーっていうジャンルは観たことないんです
ジェイソンみたいにひたすら襲ってくるのは疲れるだけでシロ~~
貞子みたいにぞわ~って怖がらせるのもアンドェ~~
でも「鏡の中へ」はそういうのとちょっと違う
怖さもほどほどでそして、あらら(笑)てとこもたくさんあったけど
でも面白かった

最初にこの予告編を観た時に怖いっ!!て思いました
鏡の中の自分が意思をもって違う動きをしたら、、、
怖すぎるでしょ!

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鏡の中の誰かが(幽霊だよね)が殺人するわけですからホラーなんだけど途中でサスペンス物に変わってきた
犯人がいて謎解きみたいになってくるから

でも最後はやっぱり幽霊が怨念を晴らして、怨念を晴らすシーンはすごい無理やり感(笑)
おどろおどろしい死に方をするのでホラーなのに笑ってしまった

なんといってもタイトルが「鏡の中へ」ですから
鏡が重要なキーワードで、それがこの映画の面白さよね

「精神的ショックによる自己嫌悪が精神を分離し鏡の中と外の世界を作る」

人格を分裂させた人は現実の世界と鏡の中の世界のふたつの人格を持つのでしょうか
同僚を自分のミスで死なせたことで苦しんでいたヨンミンは、チェ部長を撃つときに弱さを克服して自分の片方の人格も殺したのね
それは鏡の外の自分だったのかな
そのあたりの恐怖心がもっと深く描かれるとムチャクチャ怖い映画になったかもしれない
楳図かずおの世界だわ☆☆
幽霊や怨念の怖さより鏡が怖いほうがもっと強烈よね
だって周りに鏡はたくさんあるから
ラストは鏡の中の人間になってしまったヨンミン
ハングルが逆になった世界を見たときにちょっと驚きました

主人公は脚本では中年に近い歳の設定だったらしいですが
監督さんが日本に留学しているジテさんに依頼して決まったそうです
当時はミョンミンさんはそれほどメジャーな俳優さんではなかったですけど「鳥肌」をみていい演技をしていたからキャスティングしたと言ってました
刑事役のミョンミンさんカッコよかった
(でも今のミョンミンさんの存在感に比べると控えめだわ、笑)

シネマコリア キム・ソンホ監督インタビュー


それから、これはあくまでルピ的楽しみ方なわけですが
ヒョンス刑事が煙草を吸うシーンが何度かあるんですけどね
ミョンミンさんが綺麗な指で煙草を持つわけです
それがすごい先っちょの方で煙草を持って吸うのです
萌え
ファンはそんなところを密かに楽しみつつ映画観るよね(なははー)






チェイサー(追撃者)

2009年05月14日 | 韓国
追撃者(原題:추격자 )  2008年  ☆☆☆☆☆
監督:ナ・ホンジン
出演:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ




観てきました「追撃者」
昨年韓国で500万人を動員し、各賞を総ナメした作品
ハリウッドリメイクも決定
あまりにも評判が良いので思わず確かめてみたくなりまして、、、
連続殺人の話(しかも実在)なので、かなりのグロさであることは覚悟して行って来た



圧倒されて123分間があっという間でした
最後に音楽と共にエンディングロールが流れた時
映画には音楽が必要不可欠なのに
「あれ?この映画、音楽はあったっけ?」と思ってしまった(笑)
それくらい集中して観てたんだね

連続殺人だから、死体もたくさんでてくるし、殺人シーンもあるし
苦手な人にはキツイかもしれないけど
ホラー映画ではないのでドキドキさせる恐怖はなくて
私はそれほどでもなかった

「復活」や「野獣」で観たことがあって味のあるいい役者さんだとは思ってたけど
主人公のジュンホ(キム・ユンソク)が圧巻だったなぁ
正義とかヒューマニズムとは言い切れない、そこまでいかないけど血の通った人としてのまっとうさを感じるというか、警察に拘束されそうになりながらミンギを救うために一人奔走するジュンホにしっかりと気持ちが入った
ミンギの娘の存在を知って気持ちが変化して、突き放しつつ見守りつつみたいなところはあったけど、そのへんの感情の部分はあまり描かれてなかったような気がします
ヨンミンの殺人動機についても同様で(想像させる部分はあったけど断定してないし)
そういうものを省いた分、映画にスピード感がでたのかもしれない
ヨンミン(ハ・ジョンウ)の異常な殺人犯なのに普通の青年にも見えるところがすごくリアルで怖くて、二人の役者さんが作品の完成度をぐっと上げている気がしました



今年の夕張映画祭に行こうかって迷って結局行かなかったんですけど、チェイサーが上映されてナ・ホンジン監督も来てたんですね
△夕張の印象は
「自分がイメージしていた日本と違う、こんな風景の中に住んでいる人たちがうらやましい」
その言葉だけで素敵な監督さんだなぁと思ってしまった

 →→ 「チェイサー」ゆうばりで初上映 ナ・ホンジン監督に聞く(映画の森)



元刑事で今はデリヘルを経営するジュンホ(キム・ユンソク)は、デリヘル嬢2人が消えてしまい契約金を持ち逃げされたと怒る。風邪で休みたいというミンジ(ソ・ヨンヒ)を無理やり行かせるが、失踪した2人と同じ携帯電話からの依頼であることに気付き、ミンジに相手の家についたら電話するように指示するが連絡がなく苛立つジュンホ。偶然衝突事故を起こした男ヨンミン(ハ・ジョンウ)の服に血がついていることに気付く。彼はその電話番号の持ち主だった。