きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

日の名残り

2017年12月24日 | アメリカ・イギリス





名作でした。

迷い込んだ鳩が大空に飛び立ち、俯瞰で田園風景を眺めながら、
執事として全うした彼の人生は、すべてこの屋敷の中で起きていたんだと思うと、
感情が一気に押し寄せてきて、なんとも言えない気持ちになりました。

究極の大人の恋愛映画。

お互い気持ちを明かすことはない。
でも、仕事を通じて心を通わせたことは間違いないはす。
読んでいる本を見せてと言い寄るシーンはドキドキしましたね。
エロティックだった。

第2次大戦前の情勢と絡んで屋敷は国際会議の裏舞台の場でもあって、
ナチスに宥和的だった雇い主は最後は失意の日々を送る。
時代によって価値観が揺れ動く中、政治的な思想は持たずに執事の使命を全うする。

恋愛ドラマだけでなく、そういう背景も面白かった。
アンソニー・ホプキンスが流石の素晴らしさでした。

静かな上品な作品でした。




日の名残り(原題:THE REMAINS OF THE DAY)1993年  ☆☆☆☆☆
監督:ジェームズ・アイヴォリー
出演:アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン、ジェームズ・フォックス
原作:カズオ・イシグロ

1958年。オックスフォードのダーリントン・ホールは、前の持ち主のダーリントン卿(ジェームズ・フォックス)が亡くなり、アメリカ人の富豪ルイス(クリストファー・リーヴ)の手に渡っていた。かつては政府要人や外交使節で賑わった屋敷は使用人もほとんど去り、老執事スティーヴンス(アンソニー・ホプキンス)の手に余った。そんな折、以前屋敷で働いていたベン夫人(エマ・トンプソン)から手紙をもらったスティーヴンスは彼女の元を訪ねることにする。


ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~

2017年12月21日 | 日本



珍しく夫が観たいと言うので二人で鑑賞してきました。
全くの事前情報なしで行った夫曰く、、、「感動した」
こんな展開になるとは想像もしてなかったので、後半はかなり引き込まれた、そうです。

激動の満州パートでしたね。
時代背景からもっと重苦しいのかと思っていたら、
料理を通して心を通わせる人たちが仲良くて楽しくて。
満州の時代を描きながらあんなに爽やかなのは珍しくないですかね。
だから余計に結末が悲しかった。

激動の過去を振り返る現代パートをニノが押さえた芝居で好演してました。
中国人の若い頃の楊さんを演じた人、あまりに上手なので中国の方かと思ったら、
なんと日本の俳優さんで驚きました。

ただ、、現代パートの火事のくだりは、
あまりドラマチックにしないほうがもっと感動した気がするんですよね。

でもそれを差し引いても余りある、とてもうまく作られた良い作品だなぁ。

ラストのニノの台詞はいろんな意味を含んでて深いね。
エンドロールの映像が料理が時代を超えて繋がってるんだと教えてくれて、気持ちよく観終わることができました。




ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~   2017年
監督:滝田洋二郎
出演:二宮和也、西島秀俊、綾野剛、宮崎あおい、西畑大吾、兼松若人

佐々木充(二宮和也)は、「最期の料理人」として顧客の「人生最後に食べたい料理」を創作して収入を得ていた。絶対味覚を持つ天才でありながらも、彼は料理への熱い思いを忘れかけていた。そんな折、彼のもとにかつて天皇陛下の料理番だった山形直太朗(西島秀俊)が作り上げたという、“大日本帝国食菜全席”のレシピを再現する仕事が舞い込む。

舟を編む

2017年12月21日 | 日本



壮大なドラマでしたね、辞書を出版するまでの15年間がコツコツと真面目に描かれてく。
主人公の名前も馬締(まじめ)光也だし。

大学では言語学を専攻していたという少々変わり者の馬締くん、
辞書製作という天職に出会い、好きなことが仕事につながるって幸せよね。
彼の真面目な暮らしぶり仕事ぶりがそのまま作品のペースになり、実に静かな心安らかな作品となっております。
上映時間も134分なんだけど、不思議とそんなに長いとは感じなかった。

早雲荘の大家さんとの関係性がすごくよかった。
家族じゃないけど(結果家族になったけど)近くで暮らしていて見守ってくれる人。
こういう関係が築けるってなかなかない。

一緒に夕ご飯を食べるシーン。
マヨネーズをはいって渡して、お惣菜は買ってきたパックのまま。
大家さんの前には鯖の煮たのがあって、
コロッケはもしかして一緒に食べるからって特別に買ったのかもしれない。
お味噌汁だけはちゃんと作って、ご飯は大盛り。
飾らないいつもの食卓の感じがたまらなく好きでした。

「若いうちに一生に仕事を見つけてそれだけで幸せなんだから、あとはずーっと行くだけ」
「他の人の気持ちがわからないなんて当たり前じゃないか」
「辞書作りって言葉を使う仕事だろ、だったらその言葉を使わなきゃ、頑張ってしゃべんなきゃ」

そこでなにげなく交わされた会話は馬締くんの人生にとってとても大事だった。
満月の夜、かぐやという名の大家さんの孫に一目惚れして結ばれるなんて、馬締くんって本当に果報者です。

さっさと馬締くんの恋愛に気づいて段取りしてくれる先輩上司の方々も気が利いてるし優しい。

辞書って今ほとんど手に取らなくなったよね。
スマホで簡単にネットで調べて済ませちゃう。
でも、本に囲まれた暮らしって憧れます。

風呂場も台所も共有なぼろアパートに、
本が山積みな鉛筆を使うアナログな職場、
人と人との関係性もそうだけど、懐かしくて繰り返し見たくなる中毒性があります。





舟を編む  2013年  ☆☆☆☆☆
監督:石井裕也
出演:松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー、渡辺美佐子

玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強いメンツばかり。仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれする。

ナラタージュ

2017年12月18日 | 日本



アイドル映画どまんなかのように思われるかもしれないけど、
万人受けするものではないのかもしれない。
私はとても好きな作品でした。

人を好きになるって理屈じゃないもんね。
特に初恋の頃の利害関係のない純粋な恋は。

つかみどころのない葉山先生は多くを語らないし本音を言わない、
見ててイライラするし何でって思うけど、仕方ないのよ好きになっちゃったんだもん。
潤くんはアイドルオーラを封印して高校教師を好演してました。
声が優しくてずるいよね、あれは恋に落ちたら抜けられん(笑)

どうしようもなさは小野君の恋愛についても言えることで、
靴を脱がすシーン、
ものすごく印象的でした。
なんて意地悪なんだろうって思うけど、どうしようもなかったんだと思うよ。
どうしようもなく好きだったんだと。
多分やった本人が一番自分を落ち込ませたと思うよ。
実は唯一泣けたのはそこでした。

結局、葉山先生の気持ちは自分でも言ってたけど恋愛じゃなかったのかもしれない。
心の弱さを泉に救われてたのかもしれない。

胸が苦しくなるような恋愛をしている泉だけど、母性を感じるのよね。
「先生に呼ばれた気がした」って葉山に駆け寄る泉がなんかもう優しくて切なくて。

だからね、不倫じゃないかって言う人もいるかもしれないけど、
私はものすごく純粋な恋愛だったと思う。

雨が印象的な美しいラブストーリーでした。




ナラタージュ  2017年
監督:行定勲
出演:松本潤、有村架純、坂口健太郎

大学2年生になった泉(有村架純)のもとに高校時代の恩師・葉山(松本潤)から、演劇部の卒業公演に出ないかと電話がくる。泉にとって葉山は、高校時代に学校になじめなかった自分に演劇部に入るように勧め、救ってくれた人物だった。卒業式の日の葉山とのある思い出を心に封印した泉だったが、再会を機に抑えていた気持ちが膨らんでいく。葉山もまた泉への複雑な思いを抱いていた。

愛を積むひと

2017年12月17日 | 日本



古い土台がその上に積まれる新しい石を支えるように
私たちが毎日を一所懸命生きることが
世の中を変え次の世代の生きる支えになる
だから篤ちゃんには一人になっても最後まで石を積み続けて欲しいの


自分がこの世を去るときに、夫にそんな言葉を残せるかなぁ。
徳のある素晴らしい奥様です。

石塀を積むということを巡って、人と人とがつながってこんな風に展開していくとは。
素敵な作品でした。

人生の下り坂をゆっくり過ぎていく日常とか、
積み上げてきた年月とか、
抱えてきた問題や後悔や心配事、
そして衰えてきた体の不自由さとかね。

ほぼ同年代ですからね、
なんと言いますか、、、、静かに我が身のように入ってきます。色んなことが。

連れ合いがいなくなる悲しい話だけど、
未来に向かっていく話で前向きだったからよかったし、
若い世代がいるってことは希望なんだと実感しました。

結局、奥さんって、どっかで旦那さんのお母さんだよね。
そういうとこ少なからずある(笑)

美瑛の風景が綺麗でしたね。
でも、長い冬の暮らしは厳しいですよ。
ひとり暮らしは大変でです。
なので、ご近所に柄本明さんが登場したとき、なんかホッとしちゃいました。




愛を積むひと  2015年
監督:朝原雄三
出演:佐藤浩市、樋口可南子、野村周平、杉咲花、北川景子、柄本明

東京の下町で営んでいた工場を閉鎖し、残りの人生を北海道で過ごそうと決意した篤史(佐藤浩市)と良子(樋口可南子)の夫婦。かつて外国人が暮らしていた家を手に入れて暮らす二人だが、仕事一筋だったゆえに篤史は手持ちぶさたになってしまう。そんな彼のために良子は、家を囲む石塀作りを頼む。しかし、良子が以前から患っていた心臓病を悪化させて他界してしまう。深い悲しみに沈む篤史だったが、石塀作りを手伝う青年・徹(野村周平)との交流や、娘・聡子(北川景子)との再会を経て、前を向くようになる。