最初に観たときは特別に良くも悪くもない印象、でも嵐の5人が出てることでどうしてもアイドル映画のイメージになっちゃうから損してるんじゃないかって思ったんだけど、「ジョゼと、、」が凄くよかったので犬童監督つながりで、もう一度観直して見ました。結構面白かった。
不思議な映画ですよね。アイドル映画にしては昭和の時代背景が謎だし、なんせストーリも登場人物もゆるゆるでしょ。漫画家、小説家、画家、歌手を目指す若者のひと夏の話。夢を追う若者の話っていっても、何にもしてないんだよ。
主人公の栄介(二宮和也)は病気の母を東京の病院に入れたし、自分の描きたい漫画を描くことと稼ぐことのジレンマと闘った。頑張ったね。
居候の3人はなにしてたんだろね~(笑)
でもさ、現実って実はこんなもんですよ、絵に描いたように頑張ったりはできない。
最初に観たときは、お前ら若いんだからバイトでもなんでもして働けよ!って思ったんだけど、それができないまま、迷い続けた夏の話だから面白いんだよなぁ、きっと。
一番どーしようもないのが竜三(櫻井翔)で、彼は口が立って小説の構想をあれこれ語るんだけど、結局ひと夏かけて原稿用紙に一文字も書いてない。そのくせ「芸術家たるもの芸術以外で金を稼いではいけない」なんで言ってる。
自分でもわかってるんでしょうね、わかりながらもがきながら、何もできずに過ごした夏。
だれでも思い当たることがありそう。
ボサボサ頭に無精ひげにステテコ姿の翔ちゃんってなかなかお目にかかれないですよね。銭湯での半ケツ(ほぼ全ケツ)も見せていただいて楽しかった。
夢に向かってるけど、何もできなくて、行く先も見えない時期って人生に必要だよね。
それこそ若い時にしか経験できないことで、いつも腹ペコだったそんなひと夏を、切なさとともに思い出す話なんだろう、きっと。
黄色い涙 2007年
監督:犬童一心
出演:二宮和也、相葉雅紀、大野智、櫻井翔、松本潤、香椎由宇
1963年、晩春。早朝の大宮駅と赤羽駅に、それぞれが<夢見る卵>である四人の若者がいた。漫画家の村岡栄介(二宮和也)、歌手の井上章一(相葉雅紀)、画家の下川圭(大野智)、小説家の向井竜三(櫻井翔)。彼らはある計画を実行しようとしていた。その計画とは、栄介が癌に侵された母・きぬ(松原智恵子)を郷里の富山から東京の大病院に入院させるために考えたものだった。若者たちはみな東京の阿佐ヶ谷で暮らしていた。