きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

トッチ -終わりなき絶望-

2014年10月01日 | 韓国
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ツタヤ更新時に1本無料っていうので
しばらく映画モードじゃなかったけど何か借りようかと選んだのがコレ。
私って韓国映画に何を求めてるんでしょーね。
とりあえず娯楽性とかエンタテイメントではないんだと悟りました。

暗い、重い、ってのは何となくわかってたけど
地を這うような底辺でころげまわるような、どうしようもない展開になってきて
参ったなぁと思いつつ観たけど、
観終って思ったのは嫌いじゃない。
ズシンと来るものもあったし、ほんの少し涙ぐみそうになった。

でも、誰かにお薦めしようと思う作品ではなかった。
興味のある人は自分のアンテナで探し出してね、って感じ(責任とれないから)

「棚ぼたのあなた」で国民の夫を演じたジュンサン氏がアルコール中毒のどうしようもない夫。
彼は守備範囲が広いよね、大好きな俳優さんです。
奥さん役のスウォンを演じたキム・ジヨンが素敵だった。
なんとなく松たか子に似てる気がするんだけど、演技力も松さんレベルの素晴らしさです。

トッチ(터치)ってなんだろうと思ったけど、英語のタッチなのね。
何に触るの?やぱり宗教的な意図の大きい作品なんだろうな。
突然のように登場する鹿が象徴的で、哲学的なすべてを見通したような目なんですよ、鹿が。

愚かで、情けなくて、どうしようない、途方に暮れた人の前に突然現れる鹿。
宗教的な知識も何もない私だけど、思わず祈って赦しを願いたい気持ちになった。

だってね、ホントにもう、「なんでだよー」「どうしてよー」って何度もひとりごと言っちゃったもん。
特にユ・ジュンサンに!(←本名で言うな)
どうしようもなく弱いんだもん、人は良いんだと思うのよ。

罪深いもの。人の心にある罪が消えて、救われますように。
そんな気持ちになったのでした。


公開第1週目から上映の劇場を十分に確保されなかったこと(他の作品と日替わり交代制で上映)に反発して監督自ら引き上げて、あっというまに上映が終わってしまったそうです。
確かにものすごく集客する内容の映画ではないけど、第17回釜山国際映画祭に招待されて評価が高かったそうです。
こういう作品に光を当てない上映の仕方は韓国映画をつまらなくしていくよね。



トッチ -終わりなき絶望-(原題:터치)  2012年
監督:ミン・ビョンフン
出演:ユ・ジュンサン、キム・ジヨン

元国家代表の射撃選手だったが、アルコール中毒ですべてのものを失い中学校で射撃のコーチをする夫、ドンシクと、病院で世話係をしながら、病院からひそかにお金をもらい、家族から捨てられた患者を騙して療養院に入院させる妻スウォンは幼い娘とともに大変だが小さな幸福を夢見て生活をしていた。
ある日、ドンシクはコーチ再契約問題で理事長が勧める酒をやむを得ず飲み、飲酒運転をして自分の教え子である射撃部の学生をはね、慌てたあげくひき逃げをして警察に逮捕されてしまう。
夫ドンシクのひき逃げ事件の示談金のために更なるお金が必要になったスウォンは、なんとかお金を工面するもそれが原因で病院を解雇されてしまう。その日の夕方、帰宅したスウォンは娘が家にいないことに気づく。